ミロ・ジャパン
ミロ・ジャパン
Head of Marketing
溝口 宗太郎 氏
コロナ禍を機にテレワークが普及した。しかし、「業務効率の向上を実感できている企業はそう多くない」と溝口氏はいう。業務環境をオンライン化する際、コミュニケーションにばかり注目し、コラボレーションの問題を置き去りにしているからだ。「様々なITツールが登場し、オンライン会議の環境は充実しました。しかし、ディスカッションやブレストの効率は本当に向上しているでしょうか」(溝口氏)。
オンライン会議の主役である「音声によるコミュニケーション」は、一方通行だ。誰かが話している間、他の人は聞くしかない。ある人の話が終わってから、別の人が話し出す。話し手と聞き手が必ず交互になる。これでは情報の流通量が限られ、「業務効率の飛躍的な向上は望めない」と溝口氏は語る。
そうではなく、参加者が何人いても全員が同時に意見や考えを出し合い、リアルタイムかつ視覚的に共有できる環境を創出すべきだ。それを実現するのが、ビジュアル・コラボレーション・プラットフォームのMiroである。
日本法人のミロ・ジャパンは2021年5月に設立されたばかりだが、すでに国内に50万人以上のユーザーがいる。海外では10年以上の歴史があり、3500万人以上に使われている。Miroは、米Fortune誌の「Fortune 100」のうち99社までが導入しているITツールだ。
溝口氏はスライドを使わず、初めから終わりまでMiroのライブ画面を見せながら話を進めた。
Miroのコンセプトは「どこでもオフィス」だ。そのスタイルをひと言で表せば、オンライン上のホワイトボード。コラボレーションに必要な多数の機能を備える。
溝口氏が講演中に開いたMiroの画面には、すでにミロ・ジャパンから10人以上の従業員がバーチャルで参加していた。溝口氏が「ミロ・ジャパンに入ってよかったと思うことを、2分間で付箋に書いて貼ってください」と述べると、Miroの画面上に、メンバーが一斉に付箋を貼り始めた。次に、溝口氏が「その付箋を4象限に分類してください」というと、おのおの自分が書いた付箋を移動させ、「仕事、環境、製品、その他」という4象限のエリアに配置した。付箋を迷いなく移動させる人と、迷いながら移動させる人がいる。そうした細かい動きが、画面上に共有される。
10人以上のメンバーが同時に手を動かし、わずか数分で結果を得ることができた。このように、複数のユーザーが同時に意見やアイデアを出し、画面上で共有することで、コラボレーションやブレストがテンポよく進む。音声による一方通行のコミュニケーションとは次元が異なる世界だ。
「Miroは無駄な会議を削減し、情報共有を圧倒的に高速化します」(溝口氏)。Miroの使用例は多様だ。開発者や設計者がユーザー体験のフローを検討したり、アジャイル開発やタスク管理などに使うケースは多い。マーケティング部門なら、キャンペーンや市場参入プランの作成などに利用される。カスタマーサポート部門では、顧客の声をMiroで関係者と共有し、業務や製品の改善に生かしたり、プロジェクトの振り返りに利用される事例が多い。
Miroverse(ミロバース)というテンプレート共有サイトには世界中のユーザーが投稿したMiroの1000種類以上のテンプレートが実装されている。ユーザーはそれらを無償で自由に活用し、様々な種類のコラボレーションをすぐに始めることができる。
ヤフーは2022年1月、約8000人の社員一人ひとりの事情に合わせた働き方をこれまで以上に柔軟に選択し、ウェルビーイング(幸福)の向上によるパフォーマンスの最大化を目指すべく、飛行機出社や居住地の全国拡大など、人事制度「どこでもオフィス」の拡充を発表した。テレワークの業務効率を向上させるツールとして、Miroを導入している。「全従業員で様々な用途にお使いいただいています」(溝口氏)。Miroは開発系やデザイン系のみならず、どのような業務にも効果的に利用できる。
また、2つ目の活用事例としてパナソニックの例を紹介した。こちらは企業内の活用事例ではなく、「くらし体験スペース」という顧客向けのバーチャル・ショールームをMiroで開発した例だ。
顧客はWebブラウザー経由でこのバーチャル・ショールームを訪れる。そこには、パナソニックの様々な商品やサービスの情報が、広大なスペース内に配置されている。顧客は画面を拡大したり縮小したりしながら自由に動き回り、見たい商品やサービスの情報を動画で見ることもできる。ユーザーが感想やコメントを残すことも可能だ。
また、「Miroで情報を一元管理すれば、業務効率がさらに向上します」(溝口氏)。GoogleやMicrosoft、Slack、Zoomなど100種類以上のオンラインサービスと容易に接続し、すべてのサービスをMiroからシームレスに利用することができる。必要な情報や資料をMiroのボードに貼り付けておけば、探す手間がなくなる。
例えば、溝口氏は自身が担当するイベント企画を1つのMiroのボードで管理している。関係者はいつでもどこからでも、手ぶらでこのボードに来れば、必要な情報がすべて手に入る。企画ごとの進行状況を容易に把握し、いつでも議論に参加できる。あらゆる情報をMiroに集約し、仕事をここで進めるわけだ。
「Miroは単なるホワイトボードではなく、働く場所そのものです。冒頭で述べた『どこでもオフィス』とは、そういう意味です」と語り、溝口氏は講演を終えた。
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