人工知能サミット 2021 〜AI活用は総論から各論へ、業種別に活用の勘所を探る〜 Review

製造業の業務をデジタルで変革する DXにAIチャットボットが有効な理由

製造業のIT活用が加速する中、ユーザーの支援に当たるヘルプデスクの負荷が増大している。これを解決する手段として、注目を集めているのがAIチャットボットだ。ユーザーローカルの「サポートチャットボット」は、高精度な会話エンジンと高度なレポート機能、専任チームによるサポートを特徴とするサービス。同時に、システム構築から継続的な運用改善まで、総合的な支援によってヘルプデスク業務の負荷軽減に貢献している。

ITヘルプデスクの負荷軽減や、業務のムダ削減が課題に

株式会社ユーザーローカル コーポレートセールス チャットボットチーム リーダー 二上 浩一氏
株式会社ユーザーローカル
コーポレートセールス
チャットボットチーム
リーダー
二上 浩一

新型コロナウイルスのパンデミックを受けて一気に普及したテレワーク。製造業においても、多くの職種でテレワークシフトが進んでいる。多様なITツールを活用し、効率的に業務を進めることは、これからの企業の重要ミッションといえる。

「そうした中、切実な課題となっているのが、社員から情報システム部門に寄せられる問い合わせ対応の負担です」とユーザーローカルの二上 浩一氏は語る。社内で使われるITツールが急増する中、活用方法や不具合などに関する問い合わせが増え、社内のITヘルプデスク業務の負荷がかつてないほど増大しているという。

この課題を解決する手段として、多くの企業がAIチャットボットに注目している。導入することで、社員はチャットボットに問いかけるだけで知りたい情報を入手できるようになる。問題解決のセルフサービス化を促すことで、ITヘルプデスク担当者の負担を軽減できるようになるだろう。

また、AIチャットボットはほかの業務領域の課題解決にも効果を発揮する。非効率な業務の筆頭として多くの企業経営者が挙げる、「書類探し」がその代表例だ。社員300人の会社で、1人が1日10分を書類探しに費やした場合、年間1万2000時間が書類探しに消えることになる。時給2000円で換算するなら、実に年間2400万円もの人件費がこの作業に費やされることになるのだ。

「多くの社員を抱える製造業各社において、このようなムダは切実な問題です。AIチャットボットを導入することで、社員が必要な情報にいつでも効率的にアクセスできる環境を整える。このような取り組みは、製造現場の生産性向上やコスト削減、およびDXに向けて必須といえます」と二上氏は強調する。

製造業の業務を変革する「3つの特長」とは

ユーザーローカルは、このようなニーズに応えるAIチャットボットとして「サポートチャットボット」を提供している。これは顧客や社員からの問い合わせ対応をAIによって自動化する、法人向けのクラウドサービス。提供開始以来、官公庁、製造業をはじめとする様々な業種・業態の企業・組織が採用しており、その数は700社以上に上るという。

サポートチャットボットの特長は大きく3つだ。

1つ目は、高性能な会話エンジンを備えていることである。もともとユーザーローカルは、「ビックデータ×人工知能で世界を進化させる」を経営理念とし、AI技術による顧客への価値提供に強みを持つベンダー。SNS分析を行うマーケティングツール「Social Insight」を提供する中で、自然言語処理に特化したAIを自社開発し、継続的にブラッシュアップしてきた。「この会話エンジンがサポートチャットボットの核となっています。平均95%を超える高い回答率が強みです」と二上氏は言う。

2つ目は、改善点が明確なレポート機能だ。これについても、長く提供してきたWebマーケティング支援ツール「User Insight」におけるデータ分析、レポーティングの知見が生かされている。会話ログをExcel/CSV形式で出力できることはもちろん、テキストマイニング技術を用いて解決できなかった質問の分析を自動的に実施。必要な回答の追加などの改善点を可視化し、レポート化することが可能だという(図1)。

図1 改善点が明確なレポート機能

図1 改善点が明確なレポート機能

ログをExcelやCSVの形式で出力できるほか、チャットボットが解決できなかった質問の分析を自動的に行い、優先度が高い改善点を可視化してレポートすることが可能

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そして3つ目は、専任のチームが成功をサポートすることである。チャットボットの構築代行から、運用開始時の説明会の開催、運用フェーズでの各種改善施策のアドバイスまで、同社のカスタマーサクセスチームがアシストする。回答率に応じたQ&A項目の追加など、効果を引き出す使い方までをトータルに支援してくれるという(図2)。

図2 カスタマーサクセスチームが成功までをサポート

図2 カスタマーサクセスチームが成功までをサポート

チャットボットの構築代行から、運用開始後の各種改善施策のアドバイスまで、ユーザーローカルの専任チームがトータルに支援する

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「お客様ごとの活用に合わせるため、導入に際してはある程度の数のQ&Aデータをご用意いただく必要があります。ただ、テレワーク用や人事用、総務用など各種Q&Aのテンプレートは用意してあるので、その後は最小限の工数で使い始めることが可能です」と二上氏は説明する。

料金体系もシンプルだ。初期費用が5万円、月額利用料が10万円。先に紹介した専任チームによるサポート、各プラットフォームへのAIチャットボットの設置支援などもこの価格に含まれている。そのほか、外部システムと接続するためのAPIも用意されているが、その利用に関しても追加料金は発生しないという。

ヘルプデスクへの問い合わせ件数を2分の1に削減

これらの特長を評価し、多くの企業がサポートチャットボットを導入・活用している。自動車、オートバイのメーカーとして知られるスズキもそうした企業の1社だ。

同社 ITシステム部の技術・製造システムグループは、技術開発に加え、CADなどのシステムの導入・運用保守、およびユーザー向けのヘルプデスク業務も担っている。「特に1000人規模が利用するCADについては使い方などに関する問い合わせが頻発しており、対応が大きな負荷となっていました」と二上氏。また、対応後は質問や回答の内容をExcelシートに記録していたが、その作業にかかる手間も大きな負担だったという。

そこでスズキはサポートチャットボットを導入。既存のFAQコンテンツに加え、Excelに記録された過去の対応履歴から問い合わせ頻度の高いものを抜粋してチャットボットに反映することで、問い合わせ対応に生かしている。その際、まずはスモールスタートして効果を検証し、運用開始後に不足しているQ&Aを追加。メンテナンスを繰り返して徐々に回答精度を高めていくアプローチを取ったという。

「現在までに、ヘルプデスクへの問い合わせは以前の2分の1程度に激減しました。また、応対の履歴が自動取得されるため、Excelへの記録も不要になりました。ヘルプデスク担当者様は、ほかの業務との兼任だったのですが、対応負荷の高まりが別業務に影響を及ぼすこともなくなったそうです」と二上氏は述べる。

自動化によって休日、定時後を含む24時間365日のヘルプデスク対応も実現。ユーザーの利便性向上につなげている。そのおかげもあって、コロナ禍でも以前と変わらず質の高いユーザー対応を継続できたという。

人口減少が叫ばれるこれからの時代、製造業各社にとって業務効率化は喫緊の課題といえる。この状況で、DXを推進するためのIT活用をどう促進していくか。ヘルプデスク業務をはじめ、多様な業務用途で威力を発揮するサポートチャットボットが、企業の強い味方になるだろう。


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