e-Janネットワークス株式会社
プロダクトオーナーグループ・グループリーダー
澁谷 賢二氏
新型コロナウイルスの感染拡大は企業の働き方を大きく変えた。遅々として進まなかったテレワークは一気に広がり、新しい働き方として定着しつつある。多くの場合、その導入理由は3密回避が目的だったが、ニューノーマル時代はこれが重要な経営課題になる。テレワークが働き方の1つとして社会的なコンセンサスを獲得しつつあるからだ。テレワークが採り入れられているかどうか。これは今後の採用活動にも大きく影響するだろう。
e-Janネットワークスは2017年ごろから社内規程を整備し始め、段階的にテレワークを推進してきた。1回目の緊急事態宣言が発出された2020年3月には、在宅勤務を基本とする働き方に移行。クラウド型IP-PBXを導入し、電話による顧客サポートも在宅で行えるようにした。「これにより、設定期間内にテレワークを実施した社員の割合が急増。2018年5月に37%だった実施率が、2020年5月には100%に達しました」とe-Janネットワークスの澁谷 賢二氏は話す。
しかし、システムのメンテナンスや自社製品の検証、荷物や書類の発送/受け取り、押印や請求書処理など、どうしても出社が必要な業務もある。そこで在宅勤務を中心としつつ、本人の意思で出社も柔軟に選択できる「ハイブリッドワーク」制度を2020年7月よりスタートした。「時短勤務やフレックスタイム制度、ワーケーション制度の導入に加え、サテライトオフィスを整備し、通勤手当に替わりテレワーク手当の支給も開始しました」と澁谷氏は説明する。
これとともに社員のメンタルケアにも力を入れた。在宅勤務になると実際に人と会う機会が激減し、孤立感を感じる社員もいるからだ。「社員同士がオンラインで気軽に雑談を交わせるように様々な施策も用意しました」と澁谷氏は続ける。最近実施した社内アンケートでは、社員の90%以上が日々在宅勤務を実施しており、在宅勤務によって業務効率が上がったと感じる社員が下がったと感じる社員を上回った。今後もテレワークを継続したいと考える社員も9割を超えるという。
こうした取り組みは各方面から高く評価され、総務省の「テレワーク先駆者百選」や厚生労働省の「輝くテレワーク賞 特別奨励賞」、東京都の「スムーズビズ推進大賞 推進賞」「TOKYOテレワークアワード 推進賞」に選ばれている。