NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
ソフトウェア第二事業本部
統制ソリューション事業部
部長
橋本 淳氏
テレワークの普及、クラウド利用の拡大などIT環境の急激な変化を受けて、企業にはセキュリティ対策の強化および見直しが求められている。
NRIセキュアテクノロジーズは、毎年、企業の情報セキュリティの実態を調査し「NRI Secure Insight」として公開している。最新版となる「NRI Secure Insight 2021」では、日本企業の取り組みと、調査対象となったアメリカやオーストラリアの企業の取り組みとの違いが明らかになった。
「例えば、近年、需要が高まるCASB(Cloud Access Security Broker)やSOAR(Security Orchestration, Automation and Response)、EDR(Endpoint Detection and Response)、UEBA(User and Entity Behavior Analytics)といったゼロトラスト関連のソリューションの導入率が米国やオーストラリアの企業と比較すると明らかに低い」とNRIセキュアテクノロジーズの橋本 淳氏は語る。
同調査では、ほかに企業のIT予算に占めるセキュリティ予算の割合、セキュリティ対策に従事する人材の充足状況なども調査しているが、日本企業の状況は、他国と比較した場合に予算の割合が低く、人材の充足状況も低い結果となっている。「特に差が顕著なのがセキュリティ対策に従事する人材の充足状況です。米国で85.9%、オーストラリアでは88.2%の企業が『充足している』と答えているのに対し、日本の企業で同様の回答をした割合は6.7%に過ぎません。日本の企業は経営層のセキュリティ対策への関与度が低く、十分な予算が割り当てられない。その結果、ソリューションの導入やセキュリティ人材の育成が進んでいないと推測できます」と橋本氏は説明する。