まずSESCの特徴としてあげられるのが「先進技術による防御強化」である。具体的には、2つの機能がそれに当たる。
1つ目は「適応型保護(Adaptive Protection)」だ。
近年、多くのセキュリティベンダーが機械学習によってサイバー攻撃の振る舞いを検知する仕組みを提供するようになったが、それらの多くが「黒」と判定したものだけをブロックするモデルとなっている。正常なファイルや挙動を誤って攻撃と判定してしまうのを回避するためだ。
しかし、その場合、グレーと判定したものはすべてEDRのインシデント対応に回り、結果として担当者の負担を増大させてしまうことになる。それを防ぐには、企業自らが独自にポリシーやルールをチューニングし、定期的にアップデートし続けなければならない。当然、この作業も負担が増大する上、誤った設定をしてしまうと、脅威の危険にさらされるリスクが高まってしまう。
SESCのAdaptive Protectionは、この問題を解決する。
「適応型保護機能はお客様環境の振る舞いを一定期間学習し、MITERや脅威データベースとの相関分析を行います。これによりお客様専用の黒判定ルールや白判定ルールを自動で作成するのです。もちろん複雑な操作は不要。お客様側の管理者は、適応型保護機能から提示されたルールを1クリックで有効化するだけです」と矢部氏は述べる。
2つ目は「Active Directoryの脅威保護」の機能である。
標的型攻撃の大半がActive Directoryを悪用しており、侵入から乗っ取りまで7分程度しかかからないという指摘がある。これに対してSESCは、Detection(騙し、疑似餌)を配置することで脅威の水平移動、横展開を阻止し、クレデンシャル情報の搾取を防ぐ。
「攻撃者の最終攻略目標であるActive Directoryを常時セキュリティ監査し、囮を使うことで過剰検知なしで侵入を早期検知します。さらに侵入後もフォレンジック調査を自動的に実行し、検知したインシデントに対応します」と矢部氏は語る。
また、矢部氏はSESCならではの特長として「検出と対応・脅威ハンティング」も紹介する。「SESC上ではEPPとEDRをシングルエージェント、シングルコンソールで統合したXDR(Extended Detection and Response)が実現されており、CASBやDLP、セキュアWebゲートウェイと連携したリアルタイム分析が可能です」。加えてSESCは、機械学習とエキスパートによる分析や上位アナリストによる分析を組み合わせて潜在的な侵害を特定する脅威ハンティングサービスも標準で提供している。
このトータルな検知機能は、第三者評価(Mitre ATT&CK評価)において91%という高いスコアを獲得している。
冒頭でも述べたとおり、ワークスタイルをはじめとするIT環境の変化を受けて、セキュリティ対策の見直しが急務となっている。対策の基本となるエンドポイントの保護をトータルかつ効率的に実現するSESCの有効性は極めて高い。