トラストウェーブジャパン株式会社
セールスディレクター ジャパン
新開 大裕氏
DXの潮流に後押しされ、急速に広がったクラウド活用。その流れは2020年からの新型コロナウイルスのパンデミックを受けて一層加速した。一方、デジタル化の進展によって、サイバー攻撃の対象となり得るITシステムが増加。洗練された高度な攻撃手口が増える中、侵害を受けるリスクが大きく高まっている。
「このようにDXには負の側面もあります。また、ランサムウエアなどの脅威は大手企業だけでなく、セキュリティ対策が手薄な中小企業や海外拠点も狙ってきます。つまり、現在はあらゆる企業が同様にリスクを抱えている。“もし起こったら”ではなく、“いつ起こるか”を十分に想定したセキュリティ対策を打つことが不可欠です」とトラストウェーブジャパンの新開 大裕氏は警鐘を鳴らす。
意識すべきは、「デジタルトラスト(サプライチェーン全体の信頼性)」と「レジリエンス(回復力)」だ。特にデジタルトラストの実現に向けては、自社の各部門やグループ会社だけでなく、サプライヤーや取引先、運送会社などの対策までを考える必要がある。すべての組織が同じレベル感で協調しながら取り組むことが不可欠だ。
「セキュリティ侵害を100%防ぐことは不可能ですが、被害を最小化することはできます。当社の調査では、マルウエアなどの潜伏期間の中央値は2011年時点で416日でしたが、2020年には24日に縮まりました。大事なのは、侵害されてもいかに早く回復できるか。レジリエンスを強化することがデジタルトラストの第一歩であり、DXの基盤になります」と新開氏は言う。