HCM・働き方イノベーションForum 2022 Online Seminar Review

DX推進する方改革新時代

パーソルテンプスタッフ / ユーザーローカル

「まずは電話で問い合わせ」が激減、問い合わせ業務の大幅向上へ

探せない、使われないFAQに終止符を

人材派遣を中心に展開するパーソルグループの中核企業、パーソルテンプスタッフは、社内問い合わせ業務の課題を解決するためユーザーローカルの「サポートチャットボット」を導入。1日の平均質問数は約3年で6倍と順調に伸長している。問い合わせにかかる時間を大幅に削減でき、社員からも使いやすいと評価が高い。導入までのプロセスや効果について、詳しく解説する。

営業は「探せないマニュアル」に不満、間接部門は「活用されないこと」に不満

パーソルテンプスタッフ 事業推進部 前田 貞嗣 氏(日本心理学会認定心理士)

パーソルテンプスタッフ

事業推進部

前田 貞嗣

(日本心理学会認定心理士)

 パーソルテンプスタッフは、営業部門の部署が全国に約300あり、営業を支える間接部門が約40ある。以前の問い合わせ業務で想定されていた流れは、業務マニュアルやFAQを間接部門が用意し、それぞれ社内イントラにアップロード。営業担当者は業務上わからないことがあると、それらを閲覧して問題を解決。マニュアルで解決できない場合は、電話やメールで直接担当部署に問い合わせるというものだ。

 しかし、現実はそのような理想とはかけ離れていた。前田氏は、「営業部門から見るとマニュアルは勝手気ままにアップされており、見たいマニュアルが探せない。その経験を繰り返した営業担当者は、マニュアル探しを諦めて最初から電話をしようとします」と語る。ところが、電話をしようにもハードルがある。担当部署を探すのに時間がかかる、部署がわかっても相手が不在で自分も忙しいためなかなか話ができないといったケースだ。「さらに、口頭での説明のため、認識の齟齬が起きる場合もあります」(前田氏)。

 一方間接部門は、電話がかかってくると作業が中断するうえ、せっかく作ったマニュアルが使われないという不満を抱えていた。

間接部門・営業部門が抱えていた不満

間接部門・営業部門が抱えていた不満

営業部門はマニュアル探しを諦め電話で問い合わせる。
一方、間接部門はせっかく用意したマニュアルが使われないことに不満を感じる

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1日の平均質問数は約3年で6倍、平均利用者数も5倍に

 上記課題を解決するためプロジェクトが立ち上がった。マニュアル・ルールの導入、社内総合問い合わせセンターの設立、FAQシステムの導入などと比較検討した結果、サポートチャットボットの導入を決定。その理由を前田氏は、「少しのキーワード入力とボタン操作で答えがわかる、既存のマニュアルとリンクできる、操作が直感的で簡単というところを評価しました」と語る。

 ソリューションの選定にあたっては、操作性、PDCAサイクルが回しやすいことを優先した。管理機能、迅速な導入、安定性・信頼性、コミュニケーションの取りやすさといった選定ポイントでマトリクスを作成し、複数社を比較検討。結果、ユーザーローカルのサポートチャットボットに決定し、2018年9月利用を開始した。

 サポートチャットボットの利用は着実に伸長しており、2018年9月の1日の平均回答数が178件だったのに対し、2021年11月には1052件と約6倍に。1日の平均利用者数も2018年9月が111人だったのに対し、2021年11月には536人と約5倍に増えている。

 運用にあたってはユーザーがわかりやすいようレイアウトや記載事項を統一するため、サポートチャットボットへのアップロードは事業推進部が一括して実施した。サポートチャットボットから得られるフィードバックは積極的に間接部門に提供し、改善ポイントの提案も行っている。例えば管理画面では、会話の数とユニークユーザー数といった日々の利用状況を簡単に確認可能だ。ボタン1つで日別、月別、曜日別、時間帯別でグラフ表示されるので、利用傾向がつかみやすい。さらに前田氏は、「詳細画面では答えられなかった質問や解決できなかったと評価されたQ&Aのキーワードがわかるので、事業推進部から間接部門に対し、こんなQ&Aを追加してはどうかといった提案も行っています」と語る。より詳細に調べるため、会話履歴をマイニングすることも可能だ。

 Q&A追加時の告知にも工夫がある。従来は部署名のみで告知していたが、現在は、「iPadを紛失した!どうする?」といった、より具体的なシーンが想起できる表記に変更した。また、連休前に利用頻度が高まるような季節性の質問は、見やすい箇所に特集表示をしている。

 このような運用上の工夫は、前田氏が選定した各ソリューション提供会社に対し、AIチャットボットが活用されていない会社の特徴についてヒアリングした結果が生かされている。具体的には、AIチャットボットの存在を現場に積極的に伝えていない、メンテナンスが行われていない、メンテナンスルールがバラバラ、運用を担当する部署が不明確であるなどだ。こうならないよう配慮して運用ルールを策定していった。

問い合わせにかかる時間が95%以上短縮

ユーザーローカル コーポレートセールス 寺澤 桂 氏

ユーザーローカル

コーポレートセールス

寺澤 桂

 チャットボットを導入した結果、疑問が解決するまでの時間を大幅に短縮できた。例えばPCの増設方法を知りたい場合、従来は450秒程度かかっていたが、チャットボットにすることでわずか14秒に短縮できた。「質問の多いポイントを押さえている」「知りたい情報にアクセスしやすい」など、ユーザーからも評価する声が多い。

サポートチャットボット導入の成果

サポートチャットボット導入の成果

電話では問い合わせから回答を得るまで450秒かかるが、チャットボットでは14秒で完了。
95%以上の時間短縮を実現した

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 サポートチャットボットを利用してわかってきたこともある。1つ目がキーワード入力の利用率の高さだ。基本的に質問は関連項目でまとめてあり、ボタンをクリックしていくことで見つけられるようになっている。しかし、多くのユーザーがテキスト入力を選択していた。その理由を前田氏は、「サポートチャットボットは、サジェスト機能によりキーワードを入力すると頻度の高いQ&Aのサンプルを表示してくれます。これが便利なので、キーワード入力が使われていることがわかりました」と語る。

 2つ目が、回答への評価はほとんどされないということだ。すべてのページで問題が解決したかどうかを聞いているが、9割方は回答しないことがわかった。「当初解決しなかった情報を集めれば、PDCAのサイクルが回せると期待したのですが、役に立ちませんでした。活用する場合はインセンティブが必要でしょう」(前田氏)。

 3つ目は、リモートワークとの相性のよさだ。同社では、第1回の緊急事態宣言発出時に利用が急増した。リモートワークを定着させたいと考える企業には、チャットボットのように気軽に質問ができる環境が有効だ。

 最後にユーザーローカルの寺澤氏が登壇。自社について、「ビッグデータ、自然言語処理、人工知能の3つの技術を軸に、データと技術で新しい働き方を支援しています。Web解析ツール、SNSのマーケティングツールに加え、提供開始から900社以上の導入実績がある『サポートチャットボット』を提供しています」と紹介。

 「サポートチャットボット」は初期構築から運用サポートも含まれた固定の料金プランとなっている。「構築に際してユーザー企業はQ&Aデータを用意するだけです。部門別のテンプレートを用意しており、Q&A作成のコツを教えるレクチャー会も実施しています。短期間での導入もサポートしますので、お気軽にお問い合わせください」と寺澤氏は講演を閉じた。

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