Revoria Cloud Marketingはメーカーが開発したSaaSサービス。新規性も市場へのインパクトも大きいが、その実現は決して平坦なものではなかったという。
富士フイルムBIの事業の柱はハードウエア製品。「ソフトウエアやソリューションは、ハードウエアを販売するための付加価値という認識が強い。これを本業として成功させるためには、組織や文化、従業員のマインドやプロセス、KPIも含めて抜本的な変革が必要です」と木田氏は語る。
その足掛かりとして約2年前に「DX事業推進部」を創設し、プロダクト開発やデータ分析を行うSEをここに集約し、約100名の陣容を整えた。このDX事業推進部を昨年「DX事業部」に昇格させ、グラフィックコミュニケーション事業本部の直轄組織とした。Revoria Cloud MarketingはこのDX事業部が開発したサービスである。
AWSはSEのスキル教育を担うパートナーとしても重要な役割を担っている。「これまでの開発や保守はオンプレミスが主体で、クラウドの知識はほとんど皆無。AWSは教育プログラムやサポート体制が充実しています。これもAWSをパートナーに選定した大きな理由の1つです」と木田氏は打ち明ける。
Revoria Cloud Marketingは顧客企業の課題解決のために導き出されたサービス。AWSにも顧客を第一に考える文化がある。「富士フイルムBI様の姿勢には大いに共感しました。何よりトップがサービスビジネスにコミットして覚悟を持って変革に挑んでいる。この取り組みを伴走支援できるのは大変光栄なこと」と和田氏は話す。
AWSはDX事業部の約100名のSEを対象に、6カ月間の教育プログラムを実施。クラウドアーキテクチャや、アジャイルをはじめとするクラウドネイティブな開発文化のスキル習得を支援した。「基礎の要素技術はオンプレミスもクラウドも同じ。システム同士のつなぎ方や使い方、スケールの仕方などにクラウドならではのやり方があります。SEの方は元々技術力が高いので、短期間でみるみる力をつけていきました」と和田氏は目を見張る。
プログラム修了時にはマインドの変革も進み、自走化可能なSE部隊へと成長を果たした。「クラウドサービスの開発に自信を持って取り組めるようになりました。以前はオンプレミスでの開発・保守に限られていた組織が、クラウドサービスの開発も可能になったことで、あらゆるニーズに対応できる事業部に進化しました」と木田氏は語る。