その上で両社は、重要システム基盤を長期安定運用可能なLinux環境で構築するための新たな選択肢となるソリューションを発表。これが今、多くの企業の注目を集めている。
「『AlmaLinux OS』、当社のPCサーバー『PRIMERGY』、および両方に対する保守サポートサービスをワンストップで提供するものです。両社が連携することで、ハードウエアとソフトウエアのどちらに起因するか切り分けが難しい問題に対しても速やかに対処できるようになります」とエフサステクノロジーズの橋本 健氏は説明する。
具体的には、エフサステクノロジーズが一次窓口となってすべての問い合わせを受ける。Linux OSの修正が必要となる場面では、国内初のAlmaLinux OS Foundationプラチナスポンサーであるサイバートラストと協働して取り組むという。
このソリューションには両社それぞれの強みが生かされている。
まずエフサステクノロジーズは、重要システムの安定稼働を担ってきた富士通エフサスが、富士通のサーバー、ストレージ、ネットワークなどのハードウエア事業を統合する形で2024年4月に誕生した企業である。
「20年以上にわたり、社会基盤や金融機関などの重要システムを支えるインフラ、ソフトウエアおよびそれらに対するサポートを提供してきました。国内250人以上のLinux専任技術者が、お客様の重要システムの問題解決を支援します」と橋本氏は紹介する。重要システムの保守・運用について、豊富な知見と実績を有している点も同社の強みだ。
一方のサイバートラストは、AlmaLinuxをはじめ、多様なLinux OSの知見を備えたLinux ディストリビューションベンダー。その土台には、20年以上の間、国産Linux OS「MIRACLE LINUX」を開発・提供してきた実績がある。
「AlmaLinuxについては、OSそのものに関する理解はもちろんのこと、プラチナスポンサーとして機能の改善・追加にかかわるコミュニティへの働きかけが行えることも強みです」と青山氏。例えば、対応に急を要するセキュリティー上の脆弱性が発見された場合は、独自パッチの提供と並行して、コミュニティへ反映の要請をかけるといったことが可能だという。
ちなみにAlmaLinuxのコミュニティでは、CVSS※の一定レベル以上のリスクについて、すべて対応することを明言している。米国政府の調達基準にも採用されている暗号モジュールの国際安全基準「FIPS 140-3」の認証を取得する最終段階にあり、重要システムの基盤に欠かせないセキュリティー要件についても、十分に満たすOSであることは付記しておこう。
両社が共に国内ベンダーであることも重要なポイントだ。例えば、マルチバイト文字に関するノウハウを持つ海外ベンダーは多くない。「このような日本特有の問題に対応し、また日本国内で99%解決する体制を構築することで、日本国内のお客様の要件に沿ったきめ細かなサポートサービスが提供可能となります」と橋本氏は語る。