既に製品ベンダーではない?

意外と知られていないデル・テクノロジーズの真実とは
「人」×「最新技術・AI」の力の掛け合わせ

これまでのサポートの

概念を覆す対応を実現

第1回で紹介した導入前のコンサルティングだけでなく、導入後の手厚いサポートサービスもデル・テクノロジーズのITサービスの大きな強みだ。コンシューマ製品、エンタープライズ製品ともに24時間365日の顧客対応で、問題の早期解決を図っている。その象徴的な存在が、宮崎県宮崎市に拠点を構える「宮崎カスタマーセンター」である。業界トップクラスの顧客満足度を誇り、実に90%以上をキープしているという。その秘密はどこにあるのか。第2回は宮崎カスタマーセンターに焦点を当て、同社のサポートサービスの舞台裏に迫ってみたい。

正社員エンジニアによる高品質なサポート

宮崎カスタマーセンター(以下、MCC)はデル・テクノロジーズの国内サポート中核拠点として、2005年11月に開設された(図1)。対象製品はPCやその周辺機器、サーバー、ストレージ、ネットワーク機器など、コンシューマおよびエンタープライズ製品のほぼすべて。電話、メール、チャット、SNSなどによる問い合わせを24時間365日体制で受け付け、テクニカルサポートを提供する。障害やトラブルなど技術的な問題だけでなく、使い方や疑問点などにも幅広く対応する。年間の問い合わせ件数は100万件にのぼる。

かつては地元の大手百貨店が入居していた建物で、宮崎市の繁華街の一角にある。建物の一部はカリーノ宮崎という商業施設として利用されている。交通の便も良く、通勤も便利だという

デル・テクノロジーズ株式会社
宮崎カスタマーセンター センター長
サポートサービス本部長
宮原 雅之氏

MCCのミッションについて、同社の同センター長 宮原 雅之氏は次のように述べる。

「私たちのミッションは世界最高水準のサポートサービスを提供すること。それによって、困りごとや問題を一刻も早く解決し、お客様に満足していただくことを目指しています。この姿勢はコンシューマのお客様もエンタープライズのお客様も変わることはありません」

MCCには、ほかにも大きな特色がある。顧客対応にあたるサポートエンジニアを含む従業員はすべて正社員という点だ。「高い自覚と責任を持ってお客様と向き合ってもらうためです」と宮原氏は理由を語る。

組織はフラットで、メンバー間のコミュニケーションも活発だ。国内だけでなく、海外のナレッジを共有し、最高の技術やノウハウを身に付けられるという。これにより、多くの問い合わせ案件において当日内で解決を実現している。

エンタープライズ製品は、ミッションクリティカルなビジネスを支えていることも多い。製品の不具合や障害は、ビジネスに大きな影響を及ぼす。そのため保守サービスには非常に高いサービス提供の順守目標を設定している。

保守サービスの種類は3つあるが、最上位の保守サービスは、トラブルシューティングと問題の特定を完了した後、4時間以内を目標にフィールドエンジニアをオンサイトに派遣するという(図2)。この保守サービス以外でも、修理やパーツ交換が必要と判断した場合は、サポートエンジニアが全国のサポート拠点に対応を手配する。

サービス提供時間やサポート範囲に応じて3つの保守サービスを選択できる。いずれも専門知識と高度なスキルを持つエンジニアが対応し、問題の早期解決に尽力する

一貫したスピーディーな対応への評価は、高い顧客満足度に表れている。「案件クローズ後はお客様にアンケートをお願いし、その結果を集計しスコア化しています。顧客満足度は常に90%以上をキープしています」と宮原氏は胸を張る。

顧客に寄り添うホスピタリティを重視

顧客満足度が高い理由はほかにもある。サポートエンジニアの高い技術力とスキル、そしてホスピタリティに富んだ対応だ。

サポート部門はPCやサーバー、ストレージといった製品軸と、コンシューマ/エンタープライズ用途の顧客軸で複数チームが編成されている。製品は多機能化・高度化している上、個人で利用する場合とビジネス利用では使い方やトラブルの影響度も異なる。多岐にわたる問い合わせに、より的確に対応するためだ。

デル・テクノロジーズ株式会社
インフラストラクチャソリューショングループ
リモート&フィールドサポートサービス
マネージャー
池之上 裕嗣氏

特にエンタープライズ製品の場合、サーバーやストレージ、ネットワーク機器など多様な製品を組み合わせてシステムを構成する。その組み合わせはデル・テクノロジーズ以外の他社製品で構成されることも少なくない。また技術の進化は早く、新たな技術や機能が次々とリリースされる。担当分野の製品だけでなく、他社製品も含めて、幅広い知識が求められる。

同社でストレージ製品サポートのチームマネージャーを務める池之上 裕嗣氏は、その現状を次のように説明する。

デル・テクノロジーズ株式会社
クライアントソリューショングループ
サポートサービス
マネージャー
倉橋 理恵氏

「ストレージ製品はサーバーやネットワークのつながり、システム基盤の1つとして使われています。仮想化やコンテナ技術などの普及により、ストレージ内に複数のOSやアプリケーションが混在し、構成も複雑化しています。サポート対応にはストレージだけでなく、サーバーやネットワーク、さらにソフトウエアに関する知識や技術も必要です。IT利用環境や技術トレンドを踏まえて、サポートエンジニア各自が研鑚に努めています。また、コンシューマに続き、エンタープライズ製品においてもバーチャルアシスタントを含め順次チャットサポートを開始、拡張していきます。エンタープライズ製品サポートにおいて、お客様の都合が良いタイミングで待ち時間なく問い合わせできる体制はお客様にとって大きなバリューの1つとなります」

直面する課題や困りごとの解決を図るのは当然だが、デル・テクノロジーズのサポートはそれだけにとどまらない。「お客様の問い合わせ内容も、さらに伺えば『実は…』ということもあります。目の前の問題が解決できても『ほかにも困りごとはありませんか』と、お客様に寄り添い、困りごとの本質を見極めることを徹底するようにしています」と話すのは、同社でPCなどのクライアント製品サポートのチームマネージャーを務める倉橋 理恵氏だ。

AIとの対話で洞察を深め、問題解決を迅速化

こうした手厚いサポートの実現は、最新技術を活用した仕組みによって下支えされている。そのベースともいえるのが、すべてのデル・テクノロジーズ製品に付与された「サービスタグ」という固有の製品識別子だ。カスタマーセンターに問い合わせた際は、まずこのサービスタグを確認する。これによってそれぞれの利用者が使っている製品の詳細情報やバージョン、過去の類似案件などを正確に把握できるわけだ。

MCCの窓口は1つだが、専門性が求められる案件では、製品担当者にスムーズにつなぐことが求められる。そこで、MCCではCRMツール上ですべてのサポートエンジニアがつながる仕組みになっているという。例えば、サーバーに関する問題ならサーバー担当チームにすぐさま問い合わせ情報が共有される。その情報は、最上位に待機しているサポートエンジニアが受け取り、レベルに応じて適切な担当者を割り当てる。これによって顧客を待たせない迅速な対応を実現しているわけだ。

こうしてサポートエンジニアが決まると、次に問い合わせ内容を詳しく聞いていく。不具合があれば、いつから、どんな事象が発生しているか。何がきっかけでそうなったのか。ヒアリングを重ねる(図3)。この作業にはAI技術もフルに活用している。

テクニカルサポート部門、テレセールスを行う営業部門、管理部門などがあり、そのすべてが正社員。
テクニカルサポートは複数のPCやモニターを使い分け、検証機などを持ち込んで対応にあたる

ヒアリング内容をエージェントソフトに入力していくと、AIがそれを理解し、過去のナレッジから様々な対応策を提示する仕組みだ。AIの指示に従って顧客に状況確認したり、切り分けのために必要な操作を試してもらう。その結果も入力していくと、AIが可能性の高い原因をリストアップする。AIと対話することで、より深い洞察が得ているわけだ。ちなみにこのAIはデル・テクノロジーズが独自に開発したものだという。

「AIの活用によって、人が気付かない解決のヒントが得られることもあります。人の経験値や技術の差を埋め、問題解決の手立てをより早くお客様に提示できます」と宮原氏は語る。

こうして原因を突き止めた後、設定変更などで対応できる場合は、その手順を顧客に伝え、故障の場合は最寄りのサポート拠点に修理やパーツ交換を手配する。

仮に一次対応で解決できない問題はエキスパートやマネージャーにエスカレーションし、チームで対応にあたる。「解析の結果、サーバーの問題として対応した案件がストレージやネットワークも関係してくる場合がある。その場合でもCRMツールを活用し、容易に連携できるようになっています。必要に応じて海外のエンジニアに協力を仰ぐこともあります」と池之上氏は語る。

障害が起きる前に対処する予防保全も提供

問い合わせに対応するだけでなく、プロアクティブなサポートも展開している。それを実現するのが、エンタープライズ製品における「障害の自動検知」だ。

サーバーやストレージなどに顧客の許諾を得た上で監視ソフトを組み込む。これが製品の稼働状況やリソース使用率、パフォーマンスなどを監視し、ネットワークを通じてカスタマーセンターに情報を送る。カスタマーセンター側はその情報を過去のナレッジなどを基に分析し、障害の予兆を自動で検知する仕組みだ。

障害の予兆はどの顧客の、どの製品から上がっているかがすぐに分かる。状況を顧客に通知した上で、リモートで復旧できる事象は、ネットワークを通じたリモート保守で対応。仮に物理的な障害だった場合は、最寄りのサポート拠点に修理やパーツ交換を手配する。

問い合わせ対応の場合も含め、修理やパーツ交換のデリバリ品質を厳しく管理しているのもデル・テクノロジーズのサポートサービスの特徴だ。この役割を担うのが「サービスコマンドセンター」である。各サポート拠点のデリバリ状況を監視し、サービス順守目標の未達成が懸念される場合は、各サポート拠点の後方支援を行っているという(コラム参照)。

従業員満足度が顧客満足度向上の源泉

高いサポート品質と顧客満足度を維持するために、サポートエンジニアのスキルアップも積極的に支援している。

新入社員は、教育を担うエデュケーションチームが用意したコンテンツで主要製品や顧客対応スキルの基礎を学ぶ。新しい製品知識を習得できるコンテンツも適宜アップされるので、各自がオンデマンドで情報収集とスキルアップを図れるようになっている。

配属後はOJTとメンター制度で実務能力を高める。経験を積んだ後も、目指したいスキルや仕事があれば、他部署や海外の上位エンジニアがメンターとして相談に応じる。そのために必要な資格があれば、その取得も会社としてバックアップする。「より高みを目指すことで、スキルとモチベーションがアップする。それがサポート品質の向上につながるため、前向きな社員は積極的に支援します」と宮原氏は話す。

働きやすい職場づくりにも努めている。他部署との交流を促し、業務で協力やサポートを受けた場合はそれを表彰する制度もあるという。

「ライフステージが変わりながら、長くこの仕事を続けていますが、メンバーも上司も話をよく聞いてくれるし、要望も可能な限り受け入れてくれます。有給取得率、育休取得率の水準も高く、働きやすい職場です」と話す倉橋氏。離職者が少なく、社員の定着率が高いのも特徴だ。全員が正社員であるだけでなく、従業員満足度が高いことの表れだろう。それが顧客満足度につながっているようだ。

実際、顧客から感謝の言葉をもらうことも少なくないという。「問題が解決した後、『これからもずっとデル・テクノロジーズ製品を使いたい』と言っていただいたこともあります。お客様からの『ありがとう』という感謝の言葉は、すべてのサポートエンジニアにとって励みになります」と倉橋氏は言う。

迅速かつ的確なサポートサービスは、すでに生活や企業ビジネスを支える重要なピースの1つになっている。今後もデル・テクノロジーズは、技術とホスピタリティを兼ね備えた世界最高水準のサポートサービスの提供を通じ、顧客の満足度向上に努めていく考えだ。

コラム


円滑なサービスデリバリーを支える司令塔

デル・テクノロジーズの日本における交換パーツ供給力は極めて高い。グローバルベンダーの強みを生かした「世界屈指の調達力」があるからだ。その強みを損なわず、切れ目のない保守サービスの提供にも尽力している。この司令塔になるのが「サービスコマンドセンター」である。

エンジニアの派遣やパーツの配送が適正に実施されているか。各供給拠点のデリバリ状況をリアルタイムで監視し、問題があれば、正常化するための支援を行う。例えば、不測の事態で普段の輸送ルートが使えない場合は、関連部署と最新の情報を共有し、顧客への影響を最小限に抑えるようサポートする。

こうした対応はグローバルレベルで行っている。各供給拠点の交換パーツ在庫は月次のサーバー販売台数や需要予測などを基に自動算出して調達するが、紛争や大規模災害が発生すると、世界のサプライチェーンに影響が及ぶ。その場合は年単位の在庫を一括確保したり、代替の飛行ルートや船舶ルートに切り替えて輸送力を確保する。

 

サービスコマンドセンターを司令塔とする多段の供給サポート体制が、業界屈指のサービス順守目標の達成を支えている。

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