電通総研 グループ経営ソリューション事業部 一般会計コンサルティング部 奥山 沙耶氏
バックオフィス業務のなかでも、細かく複雑で企業ごとに異なる規定が多い経理関連の業務。大企業を中心に経費精算システムの導入こそ進むものの、「従量課金で申請回数に制限がある」「デジタルになったものの処理は月末に集中してしまう」「会計システムとの連携に制約があり、新たなボトルネックが生まれた」といったように、「デジタル化の段階で留まり、経理業務のトランスフォーメーションまで至っていないケースが多いようです」と、電通総研の奥山氏は指摘する。現場の業務と紐付いたシステムでなければ、残念ながら月末の貴重な時間が経費精算業務に費やされる状況が改善するには至らないようだ。
そうした状況から脱却するには、デジタル化は目標ではなく手段であるという認識を徹底することが必要になる。その上で、申請や承認をする現場と、システムの導入や管理・運用を担当する経理部門およびIT部門の両面で、トランスフォーメーションを伴う真の経理DX実現に向けた取り組みの強化が欠かせない。そのためにはツールの活用が重要なポイントで、注目したいのが電通総研の「Ci*X Expense(サイクロス エクスペンス)」である。
グルーブ経営に最適化しスマートな経営管理を実現する会計ソリューション「Ci*X」シリーズの中で、経費精算にフォーカスしたのが「Ci*X Expense」だ。コンセプトは「使いやすさの追求」「充実した入力サポート」「変化への柔軟な対応」「電帳法対応」「グループでの利用」「周辺システム連携」の6つ。さらに、奥山氏は次のように補足した。
「Ci*X Expenseは、経費精算システムに対する不満をすべて解消できるように設計しています。特徴の1つがUIで、初めて触れるユーザーでも申請から承認までの一連の操作がマニュアルレスで可能です。豊富なサジェスチョン機能も備え、通常の入力作業はもちろん外出先での処理時の負担も軽減します。バージョンアップは半年に1回ですが、勝手にバージョンアップするのではなく、要望があれば実施するため現場が戸惑うこともありません。直近のバージョンアップでは、経費データを交通手段や用途など、様々な軸で分析、集約するレポート機能が追加されました」
「Ci*X Expense」の6つの特長
シリーズ全体に共通する高ユーザビリティ
外部サービスとの柔軟な連携もポイントだと奥山氏は言う。交通系ICカードやコーポレートカード、電子請求書などとの連携のほか、AI-OCRによって証憑情報を自動で読み取り、申請内容に反映させる機能なども備え、申請間違いの防止、さらに承認レス効果が期待できる。また、グループでの利用を前提に開発されているため、グループ企業全体でのマスタ共有、会社をまたぐ承認フローも作成可能。奥山氏は「ロールの切り替えを行う必要はなく、同一画面でグループ各社の申請を一覧し、承認することも簡単にできます」とユーザビリティの高さを強調した。
「Ci*X」シリーズの各マスタは外部システムから自動連携が可能なため、定期的な組織改編が発生しても、その都度ワークフローを設定する必要は無い。日本企業特有の複雑な旅費規程にも対応し、宿泊費や日当など細かな条件を自動で提案してくれる仕組みもある。旅費規程に限らず、入力内容をシステムでチェックする機能が充実し、プリセットのルールはボタン操作でオン/オフできるため柔軟な使い方が可能だ。
実際の申請画面は紙の申請書に記入する感覚で入力できるため、これなら初めてでも戸惑うことは無いだろう。承認時のオペレーションもシンプルで分かりやすい。申請が行われると承認者に通知されるが、画面通知だけでなくメールも送信され、本文のURLから開くこともできる。外出時、モバイルでの承認も可能となり「申請から承認までの時間が大幅に短縮された」と、導入企業の多くが効果を実感しているという。
ユーザビリティの高さは「Ci*X」シリーズの他のソリューションにも共通した差別化ポイントとなっている。例えば「Ci*X Workflow(サイクロス ワークフロー)」は「使いやすい・作りやすい・変化に強い」を特長とする汎用ワークフローシステムである。Ci*X Expense同様、グループ利用を前提にするため管理しやすく、申請コードの共通利用、個社別設定などにも対応する。申請書作成、回覧ルート作成など、外部に依頼せずに担当者がブラウザ上で簡単にでき、拡張ポイントも豊富なため、固有要件に合わせて柔軟に運用ができる。
「事例を挙げると、稟議・決裁のワークフローを移行したケースがあります。複雑な決裁規定に耐え得るシステムであり、メンテナンスの負荷も下げたいという課題をお持ちの企業でしたが、拡張しやすく、複雑な稟議フローにも対応できる『Ci*X Workflow』の導入によって、組織変更への対応期間の大幅短縮に成功しました」(奥山氏)
また、Ci*X Expenseと同一のマスタで一元管理できるため、組織改編への対応も充実。例えば部署統合が発生した際も、組織をマッピングすることで過去の組織へと遡り、所属部署の前身組織の過去データを参照するのも簡単にできる。
高い付加価値を生むトランスフォームを実現
柔軟性・拡張性の高い自動仕訳システム「Ci*X Journalizer(サイクロス ジャーナライザー)」にも奥山氏は触れた。ノンプログラミングでの周辺システム連携、汎用性が高く柔軟なデータ入出力、インメモリ処理による高速な仕訳処理、仕訳のトレーサビリティを特長として挙げる。導入効果としては「仕訳変換の仕組みを統一でき、ユーザー側でのメンテナンスも可能になります。また、マスタメンテナンスも1か所で行えるため、新規連携するシステムを増やすことも簡単にできます」と語る。
「Ci*X Expense」と周辺システムを連携する「Ci*X Journalizer」のイメージ
経費精算の単なるデジタル化ではなく、経理業務のトランスフォーメーションを実現する経費精算システム「Ci*X Expense」。組織内の様々な業務を迅速、かつ的確にワークフロー化する「Ci*X Workflow」。仕訳連携をハブ&スポーク型へシフトし、システム構成改編時の効率化を実現する「Ci*X Journalizer」。紹介した3つに、次世代のグループ統合会計システムとなる「Ci*X Financials」を加えて構成されるのが、「Ci*X」シリーズのソリューション群。グループ経営管理を前提に、申請から承認、会計処理に至るまで、すべてのステークホルダーが使いやすいプラットフォームが構築されている。
デジタル化の先にあるトランスフォーメーションによって高い付加価値を生み出す、真の経理DXを実現する切り札と言えそうだ。