- 企業間取引の電子化|ウイングアーク1st
帳票業務の効率化や最適化を推進
標準化したデジタル帳票が業務を変革
帳票のデジタル化が急速に進展している。その要因の1つはコロナ禍による強制的なデジタルシフトなど企業を取り巻く環境変化、もう1つは電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の導入などの政策の変化だ。しかし、帳票業務の現場ではツールが乱立して業務効率化とはほど遠いのが現実である。ウイングアークは帳票・文書管理ソリューションを提供して、シームレスな帳票業務の実現をサポートする。(聞き手:日経BP 総合研究所 エグゼクティブフェロー 望月 洋介)
帳票の電子化が進む一方で
ツールの散在による現場負担が増加
Business Document事業部
副事業部長
新井 明 氏
望月 会社紹介をお願いします。
新井 ウイングアークはソフトウエアの開発、販売を行っている企業です。創業は2004年で、今年で20周年の節目を迎えます。今日は、帳票・文書管理ソリューション事業を中心にご紹介していきます。企業間取引では、見積書や請求書、納品書などの帳票が使われ、これらの帳票を効率的に運用する製品を提供しています。主な製品は、帳票の作成や出力を担う「SVF」と、帳票の保管・受配信を担う「invoiceAgent」です。
望月 帳票のデジタル化が進む中で、企業にはどのような課題が生まれていますか。
新井 この数年で企業間取引関連の業務で電子化、デジタル化が一気に進みました。一方で新しい課題も見えてきています。それは取引関連のツールの増加です。
1つの会社の中で、帳票1つとっても保管、配信、受領でそれぞれ担当部門が異なり、それぞれの部門ごとにツールを選んでしまい、ツールが乱立します。さらに、取引先でも新しくツールが導入され、やり取りについて取引先指定ツールの利用を要請されます。ウイングアークが独自に調査したところ、ツールが散在していると体感している企業はこの2年で20ポイント以上増加し、約75%にも達しています。ツールの散在が課題として顕著になり、現場の負荷が高まってきているのです。
デジタルインボイスの標準規格「Peppol」
ツールに依存せず相互の請求書を送受信可能に
望月 ツールの散在という課題はどのように解決できますか。
新井 解決策の1つが、日本におけるデジタルインボイスの標準規格「Peppol(ペポル)」に対応することです。取引先に負担をかけることなく、相互に請求書の送受信が可能になります。Peppolが提供するのは、「ネットワークの標準化」と「データの標準化」です。
望月 Peppolを使うメリットを教えてください。
新井 ネットワークの標準化により、取引先に対して「このツールを使ってやり取りしてほしい」という指定が不要になります。またデータの標準化により、規格に適合した適格請求書ならば、どの情報がどこに格納されているかが共通化され、これまで人手で転記していたデータ入力時の判断が自動化できます。さらに、Peppol対応の業務システムであればその後の処理についても自動化が実現できます。すなわち、Peppolを使うことで、「リアルタイム」に、「明細を含む全情報」を「精度100%」でデジタル受領でき、業務の自動化を推進できるのです。
望月 そうしたメリットのあるPeppolですが、導入の進展状況はいかがですか。
新井 大手企業に調査をしたところ、「すでに対応済み」「対応する予定である」と回答した企業が3分の1を超えていました。ウイングアークのソリューションを活用したPoC(概念実証)としては、三井住友ファイナンス&リース様や、福岡県北九州市様の事例があります。ウイングアークでは、Peppol導入による効果を検証する「Peppolアセスメントサービス」の試験提供もしています。
デジタル帳票基盤を構築し
帳票業務の全体最適化を目指す
望月 具体的なソリューションを教えてください。
新井 帳票を作成するSVFとPeppolに対応したデジタルインボイスの保管・配信・受領が可能なinvoiceAgentを1つのプラットフォームとして活用するソリューションを提供しています。帳票の生成、保管、配信は、基幹システムの周辺で使われることも多く、基幹システムの刷新の際にSVFとinvoiceAgentを基盤として検討する企業が増えています。
望月 事例についても紹介してください。
新井 ダイキン工業様の化学事業部では、海外も含めた複数拠点の基幹システムをSAPに統合しました。その時に、SAPからの帳票作成にSVFを、帳票保管と配信にinvoiceAgentを採用してもらいました。これにより帳票生成から配信までをシームレスに実現し、人手を介在しない業務効率化とヒューマンエラー防止を両立させました。
もう1つが三洋化成様の事例です。脱ホストで基幹システムをSAPに移行し、帳票の作成から保管までの基盤としてSVFとinvoiceAgentを採用してもらいました。三洋化成様では、導入からわずか6カ月で帳票全体の75%の電子化を実現し、配信数も毎月2万通以上となり、取引先を含めた業務効率化を実現しています。
望月 今後の企業間電子取引に対する展望を聞かせてください。
新井 ウイングアークは、帳票の生成、保管、データ流通で、会社を非生産的な業務から開放することを目標にしています。そのために、視認性が高くシステム連携が可能で、信憑性の高いPDFファイル「デジタル帳票」を有効に活用できる「デジタル帳票基盤」を提供することを目指しています。企業間でやり取りする帳票をデジタル帳票化して、帳票業務全体の最適化を目指しています。

