大阪教育大学とマウスコンピューターは、中学校や高等学校のパソコン教室(コンピューター教室)に求められるPCの仕様などに関する共同研究を進めている。高性能PCで実現できる新しい学びとはどのようなものか、大阪教育大学が教育関係者を招き、共同研究の成果を紹介するセミナーを開催した。
大阪教育大学とマウスコンピューターは2024年1月に包括連携協定を締結し、共同研究を進めている。
GIGAスクール構想で学習者用端末の1人1台体制が整備された一方で、校内のパソコン教室を廃止する動きもある。これに対して文部科学省は、パソコン教室は「個別の端末で実現が困難な学習活動を効果的に行える空間」として、生徒が主体的に学びを深められる場にすることを求めている。
共同研究では、中学校や高等学校のパソコン教室に必要なPCの仕様や高性能PCで実現できる新しい学びについて、調査・研究を実施している。
産官学連携の共創拠点で
共同研究の成果について紹介
大阪教育大学の岡本幾子学長(右)とマウスコンピューターの軣秀樹常務取締役(2024年6月20日から代表取締役社長に就任)
大阪教育大学が新たに大阪・天王寺キャンパスにオープンした産官学連携の共創拠点「みらい教育共創館」で2024年6月11日、教育関係者を招いて共同研究の成果を紹介するセミナーを開催した。
大阪教育大学の岡本幾子学長は「本学は西日本最大の教員養成大学として2024年に創基150周年を迎えた。教員養成フラッグシップ大学として、令和の日本型学校教育を牽引し、未来の教育をともに創ることを目指す」と挨拶した。
マウスコンピューターの軣秀樹常務取締役は「大阪教育大学との調査研究や先端的なものづくりを通じて、ICT活用教育を支援していきたい」と語った。
「次世代PC教室プロジェクト」と題した共同研究では、探究学習やSTEAM教育など、教育現場で求められる学びを支えるために必要なパソコン教室について調査した。高度な学びを実践する学校にヒアリングを行うとともに、VR(仮想現実)や3Dプリンターなど、これからの学びを支える技術や機器に必要なPCの機能や性能を検証した。
共同研究を統括した鈴木剛 理事・副学長は、文部科学省の政策や教育現場の状況を解説し、パソコン教室の在り方について研究することの重要性を指摘した。
セミナーでは、産官学イノベーション共創センター長の堀一繁教授が共同研究の成果を披露した。共同研究では、茨城県立竜ヶ崎第一高等学校や佐賀県立致遠館高等学校などへのヒアリングを基に、VRや3Dプリンターの活用、ビッグデータ処理などを盛り込んだ学びについて調査した。堀教授は、調査結果の詳細や、これからの学びに必要な端末の機能や性能を説明した。
セミナーに登壇したマウスコンピューター 執行役員 第一営業本部 本部長の金子覚氏は、同社の高性能PCを活用している全国の学校の事例や学びを支えている製品の仕様などを解説した。
VR映像の教育利用について
大阪教育大学の取り組みを披露
マウスコンピューター 執行役員 第一営業本部 本部長の金子覚氏は、高性能PCを活用している学校の事例などを解説した(左上)。参加者は、会場に用意したマウスコンピューターのGIGA端末「MousePro T1-DAU01BK-A」(右上)などでVR映像を体験した。大阪教育大学 産官学イノベーション共創センターの内兼久秀美研究員(左下の写真の左側)は、附属池田中学校での授業事例を紹介した。オーケストラの演奏を基にVR教材を作成し、音楽科の授業で活用した
セミナーでは、高性能なPCで作成できる教材の例として、360度の視点移動が可能な「VR映像」を取り上げ、大阪教育大学で実践している事例を紹介した。
VR映像や複数人が参加して交流できる仮想空間「メタバース」の活用が全国の教育現場で広がりつつある。
文部科学省もVR映像の教育効果について、通常では経験できないことを子供が疑似体験することで、より効果的な学びを得ることが可能としている。
VR映像は一般的な動画とは異なり、児童・生徒が見たい方向の映像を能動的に視聴できるため探究学習と親和性が高い。
大阪教育大学では、学内のオーケストラの演奏をVR教材化し、附属小学校や附属中学校などで実証授業を進めている。DVD教材などを用いた従来の授業に比べてオーケストラに関する生徒の興味、関心、理解が向上し、探究的に学ぶ様子が見られた。
セミナーでは、授業での効果を解説するとともに、マウスコンピューターのGIGA端末「MousePro T1-DAU01BK-A」や「mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」などが配られ、端末やVRゴーグルで映像を体験してもらった。
また、理数情報教育系の串田一雅教授は、学生の理科実験の解説教材をVR映像で作成した事例を紹介した。通常の映像のように異なる角度で撮影して編集する手間をなくせるため、教材作成の労力を大幅に低減できたという。
VR映像はGIGA端末で視聴できる。一方で、VR映像の編集にはGIGA端末の機能や性能では不十分だ。共同研究ではVR教材の作成に必要なPCの仕様についても検証して報告している。
VR教材の作成や動画編集、3Dプリンターの活用には、GIGA端末や旧世代のPC端末では十分に対応できない。パソコン教室を整備する際には学びの質を高めるために、十分な機能・性能を備えた端末を導入することが望ましい。
共同研究「次世代PC教室プロジェクト」
共同研究の成果をまとめた報告書はマウスコンピューターのWebサイト(https://www.mouse-jp.co.jp/store/business/dx-highschool.aspx)からダウンロードできる。
報告書では、高性能なPCを備えたパソコン教室の活用事例を紹介している。また、これからの学びを支えるために必要なパソコンの機能・性能を、さまざまな仕様の端末で検証し明らかにしている。パソコン教室の整備を進める際の参考にしていただきたい。
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お問い合わせ
株式会社マウスコンピューター
【個人】https://www.mouse-jp.co.jp/
TEL:03-6636-4321(9時〜20時)
【法人】https://www.mouse-jp.co.jp/store/business/index.aspx
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