グループウエア+ノーコードツールで 自治体内部業務のDXを加速させる

ネオジャパンにとって、顧客満足度は極めて重要な経営指標の1つだという。グループウエア「desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)」をはじめとするプロダクトと、きめ細かく手厚いサポートの価値が認められていることを示すからだ。単にプロダクトを提供するだけでなく、デジタル化から本格的なDXのステージへ。自治体業務を変革させるサービス提供と伴走型の支援が、首位に導く原動力となった。
充足市場での差別化を生む 製品力とサポート力
株式会社ネオジャパン
プロダクト事業本部 ソリューション営業部
部長
宮﨑 良大氏
自治体からの高評価は「率直にうれしく、全社員の励みになります」と、ネオジャパンの宮﨑良大氏は受賞の喜びを語った。desknet’s NEOは、1100以上の自治体・政府機関に導入され、公の現場に浸透している。なかでも都道府県、政令指定都市の導入率は約3割と高い。
支持される理由を問うと「グループウエアはクラウド提供がメインになっていますが、desknet’s NEOはオンプレとの2軸で提供しているため、自治体のニーズに幅広く応えられます」と、市場を俯瞰しながら語る。一方で「どの製品も高性能化が進み、ただツールを提供するだけではお客様に“刺さらない”とも感じています」と、差別化が難しくなっている現状にも触れた。そんな環境で、同社はどう差別化を行っているのか。
1つ目のポイントは製品力の強化である。desknet’s NEOは、日本の商習慣や文化を意識したユーザビリティを徹底しているため、使いやすさで高く評価されている。「20年以上、ユーザーニーズと時代に即した開発を行いながら、販売、運用、サポートまで自社で提供する体制を整えてきました。その積み重ねが信頼感を生む源泉になっています」と宮﨑氏。また、スケジュール同期など海外製品との共存を意識した機能強化も進めている。
2つ目のポイントがサポートの強化だ。自治体のリアルな課題として「内部業務のDXの遅れ」を宮﨑氏は挙げた。住民との接点への投資が優先されるため、庁内業務には十分な予算がかけられないことが大きな理由だ。
グループウエアの価値を高める 「AppSuite」
株式会社ネオジャパン
プロダクト事業本部 プロセス改革部
主任
AppSuite支援チーム
田中 紘海氏
ネオジャパンでは、自治体内部のDXを推進するための提案に力を入れている。カギとなるのがノーコードツールの「AppSuite(アップスイート)」である。desknet’s NEOのオプション機能であり、ノーコードでのアプリ作成機能を加えることで、グループウエアとしての価値を高め、差別化につなげる狙いがあるという。このAppSuiteを用いたサービスを提供する支援チームも設け、自治体現場への提供、支援を強化している。その経緯を、田中紘海氏はこう語る。
「AppSuiteは、クリック操作だけで業務アプリの作成ができるノーコードツールです。誰でも簡単に扱えますが、アプリを作成する人員自体が足りない、他の業務に手いっぱいで時間が足りない、という問題を抱える自治体も多いのが現状です。そこで、AppSuiteを使ったDXをより体系的にサポートするために、AppSuite支援チームが設置されました」
ネオジャパンが自治体現場と密接にコミュニケーションを取り、アプリ作成を進めるケースと、ノーコードツールの特性を生かし、自治体が自前で取り組むケースの2つがあるという。
前者に相当する事例として、横浜市の「YOKOHAMA Hack!」がある。これは、民間企業のデジタル技術を活用し、行政サービスのDX化を進める実証実験で、desknet’s NEOとAppSuiteが採用された。老人ホームや幼稚園などの要配慮者施設に対して、災害時の避難確保計画の作成を求める案件で、以前は施設によって計画書のフォーマットが異なり、データの検索、管理工数、精度に大きな問題があった。
「地域防災課へのヒアリングを毎週のように繰り返し、アプリを作成しながら要件定義を進めていきました。ノーコードツールなので、柔軟に対応できるのがAppSuiteの強みです。まず、こちらで作成したひな型を先方にレビューしていただき、それを反映しながら完成度を高めるという形で、アジャイル的に開発を進めていきました」
こう語るのは、当時入社2年目だった山本雄輝氏である。開発部門とも密接に連携しながら、横浜市側からのフィードバックや要望を機能改善に反映させた。「マニュアルを一元化し、画面上で簡単に見られるようにしたいという要望に対して、開発部門と協力して次のバージョンアップで機能追加するなど、迅速な対応がお客様に喜ばれたと思います」と山本氏。実証実験の結果、未提出施設数の3割減、作業時間の41%削減を実現し、2024年5月から本稼働を開始している。
左側の表デスクネッツネオは、全国1788 の自治体のうち、3 割以上の580自治体で導入されている
右側の図横浜市の避難確保計画システムの実証実験では、未提出施設の3 割減を実現
CS向上から生まれた新規獲得への好循環
株式会社ネオジャパン
プロダクト事業本部 プロセス改革部
AppSuite支援チーム
山本 雄輝氏
もう1つ、特筆すべき事例がある。福井県の大野市役所と大野消防本部では、部署間の情報共有、消防署の車両整備・点検業務など、多くの業務が紙ベースで行われていたが、AppSuiteでシステム化することで、車両管理の簡便化、チェック漏れの低減を実現した。「現場の消防職員からの提案で、アプリ作成も現場の職員が担当しています。AppSuiteの特徴、強みを象徴する取り組みです」と田中氏は紹介する。
2つの事例のポイントは、現場で簡単にアプリ作成できるだけでなく、必要があれば、メーカーのサポートも直接受けられるところである。この柔軟さが自治体から特に高く評価されている。
desknet’s NEOのユーザーにAppSuiteを提案することで、新たな体験価値が生まれ、それが顧客満足度の向上につながる。成果を発信することで、新規顧客の獲得へ。話をうかがった3人は、そうした好循環に対する手応えを感じていたようだ。
「製品とサポートを両輪にして、お客様からのフィートバックをいただき、成果を上げていく。地道ですが顧客満足度を向上させる王道ではないでしょうか。これからも継続していきながら、連覇を目指します」と、最後に宮﨑氏は決意を込め、そう語った。
