攻めと守りのDX実現に向けて
SAP S/4HANAを導入し
業務の標準化と
迅速な意思決定を実現
上村氏は、SAPのERP「SAP S/4HANA」を選んだ理由について、「拠点ごとにバラバラに運用していたシステムを、全世界で1つのシステム・データベースに統合できる点が大きな魅力でした」と語る。
以前は、注文や在庫管理は各事業所で表計算ソフトを使った手入力だったため、本社での情報収集が非常に非効率だった。各拠点に重要な経営データがあるが、全体として活用できていないことに大きな課題感を持っていたという。 SAP S/4HANAの導入によって、各拠点の受注や生産、在庫の状況などが一元的に“見える化”し、全社最適化された戦略や施策が打てるようになることにメリットを感じたのだ。
「SAP S/4HANA」を導入するまで、オプテックスの各拠点は、バラバラのシステムを使用していた。「SAP S/4HANA」を導入して全世界で1つのシステムに統合したことで、各拠点が入力するデータがリアルタイムに反映される仕組みが確立。市場や需要の変化に瞬時に対応し、効果的な戦略や施策を打てる環境が整った
SAP以外のERPサービスを提供している企業は他社にもあるが、「SAP S/4HANA」はグローバルで数多くの導入実績があり、エンタープライズだけでなく、中堅・中小企業にも利用されていることも導入の決め手になったという。
「当社のように各国に拠点を構えている企業にとって、あらゆる国・地域で導入実績がある『SAP S/4HANA』は、最も理想的なERPだと思いました」と上村氏は評価する。
「もちろん、費用対効果も考えました。ただ、導入を決めるときの今の売り上げ、人員数でどれくらいコスト削減できるかではなくて、『我々は毎年成長していく』。成長したときの売り上げは1.5倍くらいになっているはずで、そのときの人員数、成長した後の効率を考えて費用対効果を算出し、導入を決めました。中堅・中小企業の悩みであるリソース不足という課題がある中でも、計画的に導入を進め、『SAP S/4HANA』の導入が完了しまして、当初考えていた費用対効果の数字と大体同じになったと思います」(上村氏)
SAP ERPの導入が完了した2023年と2017年の年末の連結売上高と人員配置、効率化の状況。5人の人員を効率化でき、業務担当1人当たりの売上高が約35%増加したという
意外に思うかもしれないが、SAPのユーザーの実に約80%は中堅・中小企業だという。「世界のニッチトップナンバー1企業」を目指し、250億円以上の売上高を誇るオプテックスは中堅企業から大企業へと歩みを進めようとしているが、事業規模にかかわらず、導入しやすく、高い効果が期待できるSAPのERPは、成長を見据える企業の選択肢として間違いないと言えそうだ。
SAP ERP導入による
業務改善=Fit to Standardで
グローバルビジネスが加速
前述の通り、「SAP S/4HANA」の導入プロジェクトをスタートさせたオプテックスは、計画通り、2023年7月までに本社および国内外すべての子会社、15社への導入を完了させた。
様々な導入効果が表れているそうだが、「Inner DX」の狙いの一つであった業務のデジタル化・標準化については、SAPならではの効果を実感しているという。
「SAPのERPには、過去50年以上にわたる優良企業へのソリューション提供で得た標準化の知見やノウハウが凝縮されています。そのベストプラクティスにのっとった改善、つまり『Fit to Standard』で業務改善を図れる点が『SAP S/4HANA』ならではの優れた点だと思います」(上村氏)
導入前までは、各拠点が表計算ソフトで作成して送ってきた各種データが、「SAP S/4HANA」に入力するだけで、あらゆるシステムに反映されるようになり、業務の効率化だけでなく、経営状況全体をリアルタイムに可視化できる環境まで整った。
紙のやり取りがなくなり、ペーパーストックレス化(保管書類の削減、デジタル化)をはじめとするコスト削減効果が表れていることにも満足しているようだ。
オプテックスは、今後も「SAP S/4HANA」を基盤に、「Inner DX」と「Business DX」の2つを加速させていく方針である。
なお、SAPは、中堅・中小企業がERPをより早く導入し、より効率的に活用できるように、クラウドERPをベースとしたアプリケーションだけでなく、導入期間を短期化させる仕組みや学習コンテンツなど、SAPが培ってきたERP活用のノウハウをパッケージかつSaaS型 ERPで提供する「GROW with SAP」というソリューションも展開している。
オプテックスのように、業務の標準化やリアルタイム経営を実現し、業務改革やビジネス変革を推進したいと考えている企業は、SAP ERPの利用を検討してみてはどうだろうか。