データ統合で実現する
ユニファイドコマースとは?
もともとリテール業界では、eコマースの広がりを受けてリアル店舗だけではない複数の顧客接点を創出するマルチチャネルを推進し、さらにそうして作り出した複数チャネル間のデータを連携させるオムニチャネルへと進化してきた。そして現在は、オンラインとオフラインの境界を完全に取り払い、シームレスな購買体験を実現するユニファイドへと移りつつある(図1)。
図1 顧客接点の変化と顧客体験

リアルの店舗以外にもオンラインのECサイトなど複数の顧客チャネルを創出する「マルチチャネル」から、それぞれで得たデータを連携させた「オムニチャネル」への変化が起きている。その先には、そうしたデータを活用して、一人ひとりの価値観に応じた顧客体験を提供する「ユニファイド」の世界へと進んでいくと考えられる
ソーシャルメディアの利用拡大などを受けて、リテール事業者は実店舗やECサイトにとどまらず、SNSなど多種多様なチャネルに対応しながら消費者との接点を増やし、一人ひとりにパーソナライズされた購買体験を提供することで、顧客の満足度や価値を高めていくことが求められている。
「消費者の購買行動とともに、コマースのあり方そのものが変化している中、それらのさらに先を行くソリューションが求められています。それが、顧客起点による『ユニファイドコマース』です」とW2の山田 大樹氏は指摘する。W2が考えるユニファイドコマースとは、顧客を起点にしたオンライン、オフラインの統合はもちろん、実店舗で働く販売スタッフの接客などを含め、ECサイトや実店舗で取得したあらゆるデータ(顧客情報、行動履歴など)を統合し、活用することで、顧客一人ひとりにパーソナライズされた価値ある購買体験の提供を目指すものだ(図2)。
図2 W2が考えるユニファイドコマース

あくまでも顧客中心の視点に立って、オンラインとオフラインはもちろん、様々なデータを統合し、活用することで顧客一人ひとりにパーソナライズされた購買体験の提供を目指す
同社は、ユニファイドコマースの実現と日本のコマースの進化を目指してビジネスブランド「W2 Unified Commerce」を展開。そのプラットフォームとして、OMO/オムニチャネル対応型総合ECプラットフォーム「W2 Unified」を開発・提供している。
“売る”ことから"体験提供"することが
当たり前の時代
リテール事業者の世界観を打ち出したコンセプトショップやショールーミング対応店舗など、実店舗のあり方も変わってきている。これまで店舗のスタッフは来店した消費者に対して商品の販売に専念する傾向が強かったが、「ショールーミングのように店舗で実物を見て、ECサイトで購入するというように買い物のスタイルが変化しています。店舗のスタッフは接客に注力し、消費者の好みに合った商品を提案するなど役割も変わってきます。その結果、消費者は安心して買い物を楽しみ、よりよい購買体験を実現できるようになります」と山田氏は語る。

W2株式会社
代表取締役
山田 大樹氏
そして、店舗での体験のみならず、購入後も商品の感想を尋ねたり、その人に合った商品を紹介したりするなど、「パーソナライズされた情報を提供し続けることで、いかにブランドのファンになってもらうかという施策に時間とコストをかけられるようになるのです」と山田氏は、リテール事業者の変化を説明する。
多様なデータを統合し、
マーケティングへ活用させる
W2が目指すのは、究極のOne to Oneマーケティングともいえるパーソナライズされた情報(データ)の統合と活用にある。消費者はオンラインの購買行動と、オフラインの購買行動が変わることもある。さらには場所・時間・気分によっても変化する。そこで、ECサイトと実店舗で取得した顧客情報や購入履歴、行動履歴などのデータを統合し、一元管理する。これにより、パーソナライズされたデータに基づくきめ細かな体験提供が可能となる。
「例えば、ECでお気に入りに登録された商品にひも付いたレコメンドを、実店舗でスタッフやサイネージが顧客に提案することも本来はすべきです」と山田氏は語る。
そうした中で、一般的には、ECサイト向け、実店舗向けといった個別のソリューションが提供されているのに対し、W2 Unified Commerceは、顧客を起点にオンラインとオフラインのデータを統合するソリューションを提供できることが強みだ。リテール事業者は個別のシステムをコストや時間をかけて連携させる必要はなく、顧客の購買体験の向上といった施策に注力できるため、多くの事業者に支持されている。
具体的には、販売、集客、接客、会計といった商流のデータと店舗やECサイト、スタッフといったチャネルのデータを収集、統合してリテール事業者が活用しやすい形として提供する。「将来的には実店舗のデータとWeb上の行動データをひも付けてビジネスに活用できるデータソリューションとして提供する考えです」と山田氏は語る(図3)。
図3 W2 Unified Commerceのロードマップ

ステップ1~5までのロードマップを掲げ、それぞれのステップに応じた機能を開発・実装している。ステップ5の生成AIによる新機能の実装にも既に取り組み、ユニファイドコマースを実現するプラットフォームへと進化を続けている
AIがリテール事業者の施策を
加速させる
W2はさらに、「ユニファイド×データ×AI」のビジネスモデルを提唱している。「リテールビジネスを展開する事業者がユニファイドコマースの実現に向けて施策を講じる際、様々な作業に工数がかかることも確かです。私たちITベンダーがそのボトルネックとならないように生成AIの活用を進めています」と山田氏は説明する。W2はEC構築支援の品質安定化と効率化を目的にAI支援プロジェクトチームを発足し、生成AIを活用したソリューションの開発・提供に取り組んでいる。
例えば、リテール事業者の要望をW2のソリューションと比較する「フィット&ギャップ」と呼ばれる作業や、企画提案書の作成、開発ディレクターやエンジニアの仕様設計作業、カスタマーサポートなど、これまで人的なスキル・ノウハウに依存していた部分をAIが支援する。これにより、「作業時間や工数の削減が可能になり、リテール事業者に安定した品質とスピード、データに基づくアイデアを提供していきます」と山田氏は話す。
また、人手をかけて制作しているWebサイトのバナーや店舗スタッフによる商品レビューなどにも、生成AIを活用することで、「新商品の発売時にレビューができあがっているようなスピーディなマーケティングも可能です」と山田氏は語る。自社でAI活用の実証を行い、ノウハウや技術を事業者に還元し、最終的には事業者がシステムに話しかけることですべてを解決できる世界を目指しているという。
ユニファイドコマースの実現に向けて、具体的にまずは何から始めればいいのか、先行する企業の成功事例を知りたい、といった声に応えるため、W2はオンラインカンファレンスの開催も予定している。ユニファイドコマースの最新戦略やパーソナライズされた顧客体験の創出など、次世代のリテールビジネスに関係するトピックを包括的に取り上げるカンファレンス「5年後のリテールを考える Unified Shift 2024」を2024年9月26日、12時からオンライン形式で開催する。
ユニファイドコマースを実践する企業のキーパーソンやパートナー企業の専門家を招き、オンラインとオフラインの統合、パーソナライズされた購買体験などについて、具体的な取り組みや成功事例、リテールの近未来といった内容が話し合われる予定だ。ユニファイドコマースの最新動向と将来像を把握する絶好の機会となるはずだ。
参加無料!5年後のリテールを考える
Unified Shift 2024
今回、業界の最前線で活躍するトップ企業が一堂に集結します。
小売業界のトークセッションや、IT提供企業によるAI活用の事例紹介など、様々な視点からリテール業界の未来に迫ります。W2がかかげる「Unified Shift」の世界観を、皆様と共に共有し、その価値をお届けできれば幸いです(山田)。

- 日 時
- 2024年9月26日(木)12時~17時
- 場 所
- オンライン開催
- 内 容
- 各業界でユニファイドシフトを牽引するキーパーソンが登壇




