適切な使い方の教育・トレーニングまでを一体で提供

労働者の安全と健康を守る3Mの開発する「保護具」のトータルソリューションとは?

労働現場を取り巻くリスクは年々多様化している。法令改正に対応しつつ、粉じん、騒音、熱中症などから従業員の健康を守ることは、企業の重大な責務だ。そうした課題に応えるべく、スリーエム ジャパンでは早くから、現場で身の安全を守る個人用保護具の開発と普及に努めてきた。製品の提供のみならず、教育やトレーニングを通じて“正しい選定と装着”を促す活動にも力を入れている。展示会でも注目を集めた、その取り組みの核心に迫る。

労働者の安全と健康を守る
製品開発にいち早く注力

1902年に米国ミネソタ州で創業し、グローバルに事業を拡大してきた3M。その最初のヒット製品となったのは、作業者の粉じん被害を防ぐために開発された、耐水研磨材だった。ポスト・イット ノートやキッチンスポンジなどの日用品から、建築現場やスマートフォンの接合にも使われる超強力な両面テープまで多種多様な製品を展開する同社だが、「労働者の健康を守る」という創業以来の姿勢は変わらない。それを体現するのが、主力事業の一つである「安全衛生」領域だ。

「スリーエム ジャパンでは、防じん・防毒・防護マスクから化学防護服、墜落制止用製品、視覚や聴覚を守る保護具まで、9つのカテゴリーで安全衛生製品を展開。中でも3Mが世界に先駆けて開発した使い捨て式の防じんマスクは、50年以上にわたり多くの現場で活用されています」と、スリーエム ジャパン 安全衛生製品事業部の湯元沙織氏は説明する。

写真:湯元 沙織 氏

スリーエム ジャパン
安全衛生製品事業部
マーケティング部
リーダー

湯元 沙織

製造から建設、医療の現場まで、マスクが活躍するシーンは幅広い。とくに溶接や研磨、塗装といった、粉じんやガスが漂う環境では、保護衣や保護めがね、呼吸用保護具などの装着が義務付けられている。過酷な作業現場であっても無理なく装着できるよう、快適性と防護性を両立している点も3M製品の特長だ。

「保護めがねやゴグルも、軽量かつ曇らない設計と高いデザイン性で、長時間の快適な装着を実現しています。また、聴覚を保護する耳栓やイヤーマフにおいても、耳の大きさや形に応じた最適なフィット感と高い遮音性能を追求。できるだけストレスのない装着感で、現場の安全をサポートできるラインアップをそろえています」(湯元氏)

スリーエム ジャパンが提供する保護具製品の一例:送気マスク、保護ゴグル、使い捨て式防じんマスク、取替え式防じんマスク

こうした多彩な製品開発を支えているのが、49の基盤技術から成る3M独自の「テクノロジープラットフォーム」だ。それぞれの技術を深めたり、組み合わせることで、イノベーションをもたらしてきた3M。その取り組みは製品の展開にとどまらず、教育やトレーニングを通じた価値提供にまで広がっている。

熱中症対策や法令改正など
課題が複雑化する労働現場

「個人用保護具は正しくお使いいただくことで、効果を発揮します。いくら高性能な製品であっても、選び方や装着方法が間違っていれば、十分な保護機能を果たせなくなってしまうので、注意が必要です」と湯元氏は呼びかける。

実際、現場では、暑くてマスクを着けたがらなかったり、耳栓を正しく着用していなかったりする様子も多く見られ、保護具の選択や装着、交換が適切に行われていないケースもあるという。個人用保護具を供給するだけでは安全を守れず、作業者自身の意識や知識が伴わなければ十分な効果を発揮できないため、企業にとっては頭の痛い問題だ。

加えて、法令面でも対応が求められている。2023年には、「溶接ヒューム」や「酸化マンガン」の取り扱いに関する法改正により、屋内で金属アーク溶接などを行う作業者に対し、呼吸用保護具の見直しとフィットテストが義務化。2024年には化学物質管理に関する規制が強化され、リスクアセスメントが義務付けられる対象物質が拡大した。さらに2025年6月からは、改正労働安全衛生規則に基づく熱中症対策の強化に伴い、事業者には具体的な手順書の作成と周知が義務付けられている。

「多くの化学物質が使用される中で、それを使用する企業が自律的にリスクを管理することが求められています。そうしたリスクアセスメントのサポートも含め、当社ではアプリケーションエンジニア(技術的なサポートをミッションの一つとする担当者)や独自ツールを活用した、運用支援や教育、トレーニングにも力を入れています」(湯元氏)

スリーエム ジャパンでは、オンライン/オフラインのセミナーを随時開催し、これまでに1000人以上が参加しているという。企業の安全週間や安全大会における役割も大きい。粉じんを吸い込むことで肺に障害が生じるじん肺や、大きな騒音によって引き起こされる難聴のリスク、それらを防ぐために個人用保護具の重要性を伝えていくことも、同社の大切なミッションだ。また製品の導入に際しては、本社やラボでのハンズオン研修をはじめ、現場を訪問しての装着指導やフィットテストなども行っている。

とりわけ好評なのが、耳栓のフィットテストについてのセミナーだ。3Mでは、耳内外の音圧を数値化する独自の測定技術により、装着状態や遮音効果を客観的に確認できる同社ならではのフィットテスト製品を開発、適切な選定・装着と効果の実感に役立てている。

「難聴は、日々の騒音にばく露することで気づかぬうちに進行するため、作業者にとっては危険性を実感しにくいものです。その結果、耳栓を首にかけたまま装着しなかったり、挿入が不十分なまま使ってしまったりするケースもあるようです。数値で効果を確認できれば納得もしやすく、正しい装着と継続使用につながります」(湯元氏)

耳栓のフィットテストは、2025年9月に大阪で開催された「緑十字展」でも注目を集めた。次章では、その模様を紹介する。

緑十字展でセミナーを実施
保護具の装着や効果の体験も

緑十字展は、中央労働災害防止協会が主催する国内最大の安全衛生展示会だ。スリーエム ジャパンも毎年参画しており、本開催では製品の展示の他に、4つのセミナーを開催。その1つが、「送気マスク体験」だ。

送気マスクは、コンプレッサーや連結管を経由して、呼吸域に清浄な空気を送り込む。保護めがね、ゴグルが不要のオールインワンタイプのマスクである。会場では、セミナーと体験デモにより、そのメリットが共有された。実際に装着してみると、顔全体が風に包まれ、呼吸も楽に。ボルテックスクーラーを使用することで、冷風がヘッドギアから送り込まれる。呼気による視界の曇りも一切なく、粉じんや熱気がこもる現場でも、安全・快適な作業に寄与することが分かった。

写真:緑十字展の様子1
送気マスクは、頭部に清浄な空気を送り込み、顔の周囲を陽圧に保つことで粉じんや有機ガスの侵入を防ぐ仕組みを持つ。装着すると、送気による涼しさや視界の曇りなさ、呼吸のしやすさがすぐに体感できた

一方、「耳栓のフィットテスト」では、耳栓を入れた前後の遮音値を数秒で計測し、グラフに表示するデモが行われた。驚いたのは、装着の仕方によって数値が大きく変わったことだ。ブースでは、耳の大きさや深さに合わせた正しい耳栓選びと装着のコツも伝授された。ポイントは「耳栓のフォームを指でつぶす」こと。フォームタイプの耳栓は丸めて細くした状態で耳に挿入し、内部で自然に膨らませることでフィット感が高まるのだという。

写真:緑十字展の様子2
耳内外の音圧を同時測定する独自技術により、わずか数秒で遮音状態を可視化することで、耳栓の最適な選定と装着をサポート。保護具を正しく選び、適切に着用することの重要性を、その場で実感できるデモとなった

こうした展示会やセミナー等の場を通じて、スリーエム ジャパンは、安全を守るための知識と理解を現場に届けている。

スリーエム ジャパンで顧客への技術的なサポートを行う
アプリケーションエンジニア・山川氏のコメント

写真:山川 純 氏

スリーエム ジャパン イノベーション
相模原事業所
安全衛生製品技術部
アプリケーションエンジニア
スペシャリスト

山川 純

安全衛生に対する参加者の意識は年々高まっていると感じています。とくに酷暑環境では、熱中症対策として送気マスクを導入する企業が増えており、現場の評価も上々です。また、耳栓のフィットテストへの関心も高く、最近では耳栓の遮音性能を定量的に実測できる3Mならではの機器を導入し、日常的に活用されるお客様もいらっしゃいます。

じん肺や難聴といった職業病は、日々の小さな積み重ねから徐々に進行してしまいます。将来の健康を守るためにも、保護具を正しく装着することを意識し、理解して着用していただくことが極めて重要だと考えています。

スリーエム ジャパンがご提供するのは、保護具の販売にとどまらない、安全衛生のトータルソリューションです。お客様と共に、正しい選択と正しい使用、正しいメンテナンスを実現していくことを何よりも大切にしています。安全衛生に関するお悩みがあれば、ぜひ私たちにご相談ください。

労働者・作業現場の安全と健康を
トータルソリューションで支援

「お客様が困ったときに、真っ先に頼られる存在でありたい」と湯元氏は言う。そのために、スリーエム ジャパンでは様々な製品開発や情報提供に努めている。

「私たちはグローバルカンパニーの強みを生かし、海外の先進的な事例や法令情報を基に、日本のお客様により安全な製品・ソリューションをご提案しています。これからも、働く方々のトータルセーフティサプライヤーとして、皆様の安全と健康に貢献してまいります」(湯元氏)

安全衛生管理に悩む企業にとって、信頼できる相談相手の存在は大きな安心材料となる。その使命を担うべく、スリーエム ジャパンは今後も、製品と教育を組み合わせたトータルソリューションで、現場の安全と健康を支えていく。

ロゴ:スリーエム ジャパン

スリーエム ジャパン株式会社

〒141-8684
東京都品川区北品川6-7-29

https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/company-jp/