100年にわたり自動車業界の革新に貢献

弛まぬR&Dと新製品開発で
1000以上の豊富な製品を
あらゆる領域に展開

製品開発や市場開拓に多額の投資

3Mの自動車事業は100年以上の歴史の中で大きな成長を遂げてきた。その源泉の一つが、優れた製品の継続的な投入である。

前述のサンディングシートやマスキングテープを皮切りに、1980年代には自動車用の両面テープ「アクリルフォームテープ」、1990年代にはアクリル系粘着剤を使った「マスキングテープ」などのマイルストーン的な製品を発売。自動車の生産ラインの課題だけではなく、販売後の修理や板金塗装の現場の課題を解決する数多くの製品を提供してきた。

「3Mは、常にお客様の課題解決を中心に据えて製品を開発してきました。また、OEMやサプライヤーのお客様と共に作り上げてきた製品も多く、接着力の高い『アクリルフォームテープ』や、外装の加飾性を高めるエア抜けの良い『ブラックアウトフィルム』などがその例です」と新氏は説明する。

これほど幅広い製品を提供できる理由は、新製品の開発や新市場の開拓のために、同社が多額の投資を行っているためだ。2024年度は売上高246億ドルに対して11億ドルを研究開発に投じている(自動車関連事業以外も含む)。

研究拠点は世界中に配置しており、基礎研究は米国に集約する一方で、自動車関連の研究開発は、メーカーやサプライヤーを多く抱えるドイツ、日本、中国などの国や地域でそれぞれの顧客ニーズを踏まえた活動を進めている。

また、販売担当者やアプリケーションエンジニアが中心となって、グローバルで顧客の技術サポートやニーズの汲み取りを実施。情報を全社的に集約することで新製品の価値創出に生かしている。

アプリケーション別 3M製品紹介

図2
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設計、製造から修理まで次世代の自動車開発に貢献する製品を提供

EV時代の革新に応える素材

革新的な製品の開発と合わせて力を入れているのが、環境対策だ。廃棄物やエネルギー使用量削減に対して毎年高い目標を設定している他、再生可能エネルギーの積極的な活用や、原材料のリサイクル品使用率の向上などにも取り組んでいる。また、新製品を市場に投入する前には、サステナビリティーの評価と確認がプロセスとして組み込まれている。

具体的な注目製品も挙げておこう。ガラス微小中空球「グラスバブルズ」は樹脂に混ぜる添加材料で、バッテリーパックの樹脂部品に適用することで、軽量化を図れると共に、バッテリーセル間の断熱性向上や、電気絶縁特性の付与など、EVの性能向上につなげられる製品だ。

また、ヘッドアップディスプレイ用のP偏光反射フィルムをはじめとしたHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)向けのマテリアルソリューション、ドライ貼りによってアフターマーケットでの施工を効率化する「プロテクションラップフィルム」など、様々な提案を進めている。

新氏は、「100年を超える経験、現場に立脚したニーズの把握、研究開発への積極的な投資、グローバルな体制、幅広い技術分野のプラットフォームを組み合わせたシナジーなどを強みに、お客様にとって信頼できるパートナーとして、環境に配慮しつつ、自動車産業の変革を踏まえた製品を開発、提供し、お客様のグローバルな市場競争力を高めていきたいと考えています」と結ぶ。

自動車産業の変化のスピードがますます加速する中、自動車の生産からメンテナンスまでを幅広くカバーする3Mは、これからも革新的な製品の提供に努めていく。