「FUSION」から新しい価値が生まれる
──「AKKODiS IOWN FUSION BASE」(以下、IOWN FUSION BASE)が持つ機能についてご説明いただけますか。
川崎 大きく2つあります。1つ目は、多くの企業の皆様にIOWNがもたらすメリットを体感していただくことです。IOWNは、電力効率を100倍、伝送容量を125倍、エンドエンド遅延を200分の1にすることを可能にする画期的な技術です。その基盤となるのが、オールフォトニクスネットワーク=光を使った通信技術(以下、APN)と呼ばれる回線です。2025年6月27日に行われた開設記念イベントでは、「IOWN FUSION BASE」にて触覚伝送のデモンストレーションを実施させていただきました。今後、さまざまな体験をしていただける環境にしていきたいと思います。
もう1つの機能は、新しいビジネスの創出です。「IOWN FUSION BASE」での体験を通じて、これまでになかったビジネスアイデアやビジネスモデルが生まれると私たちは考えています。
AKKODiSコンサルティング株式会社
代表取締役社長
川崎 健一郎氏
1999年、青山学院大学理工学部を卒業後、株式会社ベンチャーセーフネット(現、AKKODiSコンサルティング株式会社)に新卒入社。その後、常務取締役、専務取締役を経て、2010年3月に同社代表取締役社長に就任。2012年、同社のAdecco Groupへの参画に伴い、同グループの日本法人であるアデコ株式会社の取締役、代表取締役社長を経て、現在は代表取締役会長。Akkodis North APACのRegional HeadおよびAKKODiSコンサルティング代表取締役社長を兼任。2022年6月より、一般社団法人日本人材派遣協会の会長を務める。
──「FUSION」という言葉は、AKKODiSコンサルティング(以下、AKKODiS)のビジネスにおいても重要なキーワードとなっていますね。
川崎 私たちは、「日本企業を、世界企業へ、現場変革から。」というビジョンを掲げています。日本の人口が減少の一途をたどる中、これからも企業が成長を続けていくには、グローバルでの活動を加速させて、世界スケールの事業を生み出すことを目指していかなければなりません。
そのためには、経営者がその方針を掲げるだけでなく、現場で働く皆さんが世界スケールのビジネスを目指す具体的なアクションを起こしていく必要があります。テックコンサルティング企業である私たちがそれを支援するにあたって目指すべき方向性が「FUSION」、すなわち「融合」です。
支援者として現場に「伴走」するのではなく、また現場と「一体化」するのでもない。お客様企業の強みと私たちの強みを「融合」させることによって新しい価値を生み出す。いわば、AとBの掛け算によって、新たなCを創出する──。それがFUSIONという言葉に込められた意味です。
「IOWN FUSION BASE」は、まさにそのようなFUSIONを生み出す場になりうると私たちは考えています。多くの企業の皆様がIOWNという画期的な技術に触れ、それぞれの事業とIOWNが融合することによって、事業が大きく成長する。あるいは新しい事業が生まれる。そう私たちは期待しています。
さまざまな産業領域に及ぶIOWNのメリット
──企業とIOWN技術のFUSIONだけでなく、企業と企業のFUSIONも起こりそうですね。
川崎 おっしゃるとおりです。さまざまな産業領域の企業の皆様をこの場にお招きすることで、IOWNを軸とした事業間連携、産業間連携が実現していけば素晴らしいと思います。私たちがまったく予想もしなかった連携や、まったく思いもよらなかった価値が生まれるかもしれません。「IOWN FUSION BASE」には、そのポテンシャルが間違いなくあると思います。
──IOWNのインパクトがもたらされる産業領域にはどのようなものがあると考えられますか。
川崎 IOWNのメリットはあらゆる産業領域に及ぶと思います。先行してインパクトがもたらされる領域としてすぐに思い浮かぶのは、モビリティ、医療、建設、エンターテインメント・コンテンツなどです。自動運転の高度化、遠隔医療の実現、建設現場のロボット化、コンテンツのリッチ化──。IOWNはそれらを実現するインフラになりえます。
将来的には、ビル一棟、あるいは地域全体のインフラがIOWNになることも十分にありうると思います。スマートビルディングやスマートシティの基盤としてのIOWN──。そのビジョンは、極めて実現可能性が高いと私は考えています。
──AKKODiSは、IOWNを推進する人財を育成するという目標を掲げています。「IOWN人財」に必要とされる要件とはどのようなものですか。
川崎 技術面とビジネス面。その両方のスキルが求められると考えています。
IOWNのコア技術であるAPN、光電融合(光と電子技術の融合)、DCI(データセントリックインフラストラクチャー)。そういったIOWNに関わる先進技術のスキルに加えて、通信を制御するソフトウエアやセキュリティーに関するスキルが必要とされます。それが技術面での要件です。
一方、その技術を価値創造につなげるビジネス構想力も求められます。それが2つ目の要件です。IOWNをビジネスのインフラとして実装し、新しい事業や新しい顧客体験を生み出していくスキル。新しいビジネスをデザインするスキル。それを身に付けるためのご支援をすることも、私たちの役割であると考えています。
──そういった人財を育成するのは簡単ではないという見方もありそうです。
川崎 確かに、スーパーマンを育成することに等しいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし近年、テクノロジー人財には専門領域を横断したマルチなスキルが求められるようになっています。また、テクノロジーとビジネスの両方に精通した人財も間違いなく増えてきています。そう考えれば、現在のテクノロジー人財育成の方向性の中でIOWN人財を生み出していくことは十分に可能であると私は考えています。
未来を目指す「志」が交わる場所に

──どのような育成プログラムがあるのですか。
川崎 「IOWN構想基礎研修」という人財育成カリキュラムを開発し、ご提供しています。この研修では、IOWNの技術要素やその革新性、社会への影響についてわかりやすく解説しています。具体的には、IOWNが目指す未来の通信技術の基礎から、解決する課題やユースケース、未来のビジョンまでを学ぶことができます。
AKKODiSには現在7000人を超えるテックコンサルタントと呼ばれる技術職社員がいます。その社員にカリキュラムを積極的に活用してもらい、その効果を検証し、フィードバックをもらう。また、カリキュラムを活用していただいた外部の企業からのフィードバックをいただく。そして、それらをもとにカリキュラムをどんどんバージョンアップしていく──。それができるのが、私たちの大きな強みです。
この「IOWN構想基礎研修」に、AKKODiSがこれまで開発してきたビジネス力強化カリキュラムを組み合わせることによって、IOWN人財を着実に増やしていくことを私たちは目指しています。
──企業の経営者、人財育成担当者、自らIOWN人財を目指したいと考える人たちに向けてメッセージをいただけますか。
川崎 AIは社会にとって必要不可欠の技術となりつつあります。AIが活用される場面は、今後どんどん広がっていくでしょう。しかし、AIは膨大な電力を消費します。AIを活用しながら、CO2の排出量を減らしていくにはどうすればいいか。その回答の一つが、IOWNの活用です。
IOWNは、電力消費を抑えてサステナブルな社会をつくるための新しいインフラになりうる技術です。IOWNを活用することで、人々の生活やビジネスの利便性を向上させながら脱炭素化を進めることが可能になります。イノベーションとサステナビリティ。その両立に取り組みたいと考えている方々に、ぜひIOWNの取り組みに参画していただきたいと思っています。「IOWN FUSION BASE」をそういった素晴らしい「志」が交わる場所にしていくこと。それもまた、私たちの大きな目標の一つです。
「AKKODiS IOWN FUSION BASE」とは
人や組織、事業や知見が融合しつながることで『新しいビジネスモデル』や『新たな価値』を生み出す、そのBASEとして位置づけています。なかでも、人財育成、ユースケースの創出、グローバルへの展開を見据えています。ご興味のある方は、ぜひAKKODiSコンサルティングホームページよりお問い合わせください。

