同志と進めるクラウド活用
E-JAWS
(Enterprise-Japan AWS user group)

「境界を越えたつながり」
得られる学びがある
日本企業のクラウド活用
後押しするE-JAWS

アマゾン ウェブ サービス(AWS)には、ユーザーコミュニティプログラムとして、開発者を中心とした「JAWS-UG(AWS User Group-Japan)」があり、全国各地で活動が行われている。一方、エンタープライズ向けにもユーザーコミュニティがあることを知っているだろうか。それが「E-JAWS(Enterprise-Japan AWS user group)」だ。活動内容は非公開のため、知らない人が多いかもしれない。しかし、E-JAWSは、日本企業のクラウド活用の進展に大きな役割を果たしているようだ。E-JAWSの運営に携わるコミッティメンバー8人に、活動内容やそこから得られた経験について聞いた。
アマゾン ウェブ サービス(AWS)には、ユーザーコミュニティプログラムとして、開発者を中心とした「JAWS-UG(AWS User Group-Japan)」があり、全国各地で活動が行われている。一方、エンタープライズ向けにもユーザーコミュニティがあることを知っているだろうか。それが「E-JAWS(Enterprise-Japan AWS user group)」だ。活動内容は非公開のため、知らない人が多いかもしれない。しかし、E-JAWSは、日本企業のクラウド活用の進展に大きな役割を果たしているようだ。E-JAWSの運営に携わるコミッティメンバー8人に、活動内容やそこから得られた経験について聞いた。

376社、944名のメンバーが参加する
エンタープライズ企業のコミュニティ

パイオニア株式会社 磯野 仁氏(現E-JAWS会長)

パイオニア株式会社
磯野 仁
(現E-JAWS会長)

レンゴー株式会社 小山 岳朋氏(現コミッティメンバー)

レンゴー株式会社
小山 岳朋
(現コミッティメンバー)

株式会社ADKホールディングス 柴﨑 貴志氏(現コミッティメンバー)

株式会社ADKホールディングス
柴﨑 貴志
(現コミッティメンバー)

 将来に向けた成長や競争力強化のために、多くの企業がDXに取り組んでいる。その基盤として中核的な役目を果たすのがクラウドだ。ただし、テクノロジーの進歩に伴い、その効果を引き出すための方法論は多様化している。クラウド活用をビジネス価値につなげたければ、今まで以上に様々な知見・ノウハウを得ることが不可欠といえるだろう。

 この状況を予見する形で、2013年11月から活動しているのがE-JAWSである。活動の趣旨は「エンドユーザーに限定したクローズドな場として、AWS 利活用のための実践的かつ具体的な方策を検討し、企業競争力強化の源泉となりうるIT システムの新たな姿を検討していく」こと。2025年10月時点で376社、944名の企業のメンバーから成る、エンタープライズ企業限定の日本国内独自コミュニティだ。

 「存在があまり知られていないため、“秘密結社”のように思われることもありますが、そんなことはありません。ただ、クローズドな場で忌憚のない意見交換を促進したいので、加入には審査をクリアしていただく必要があります」と語るのは、現E-JAWS会長の磯野 仁氏である。

その主な活動は、春と秋の年2回の総会と、入会を希望しているエンタープライズ企業も参加できる年1回のカンファレンス。また個別のテーマを掘り下げる分科会も活動している。現在は、「人材育成」「クラウド推進体制」などのテーマや業種特化のテーマを扱っている。同じ悩みを抱える企業が集まり、より泥臭い話や困りごとについて議論を重ねているという。

 「活発なディスカッションをしてもらうためのグランドルールとして『Give First』を掲げています。情報はもらうだけでなく、まずは自ら提供してコミュニティに還元しようということです。そうすることが、コミュニティの活性化につながると考えています」と磯野氏。さらに「No Social Networking Service(SNS)」も、活動を安心して行ってもらうための重要なルールといえるだろう(図)。
E-JAWSのグランドルール
E-JAWSのグランドルール
「Give First」で「泥臭い苦労話や失敗談も大歓迎」。つながりたい人とは自分から連絡を取るべき(ネットワーキング)というルールもある。また「No SNS」(外部公開は禁止)だからこそ、これらの活動を安心して行える

現/次期コミッティメンバーが語る
E-JAWSに参加することの魅力とは?

 E-JAWSに参加することでどのような経験が得られるのか。また、それが各社の取り組みにどうフィードバックされているのか。その質問に対するコミッティメンバー8名、それぞれのコメントを紹介する。
  • パイオニア株式会社 Cross Technology Center サービス事業本部 本部長 磯野 仁氏(現E-JAWS会長)
    パイオニア株式会社
    Cross Technology Center
    サービス事業本部
    本部長
    磯野 仁

    (現E-JAWS会長)

    参加者の発言から気付かされることは多い
    E-JAWS総会の人材育成をテーマに行ったグループディスカッションで、ある企業の方から出た「人事制度を変更するのではなく、曖昧さを上手く利用したほうが実現しやすい」という主旨の発言が印象的でした。企業の人事制度には必ず曖昧さが残っているものですが、解釈を変えることでその曖昧さをブレイクスルーにつなげることができるのです。ちょうど当部門が人事面の課題を感じていた頃で、強く感銘を受けましたが、おそらくほかの参加者にとっても有意義だったはずです。このような新しい気付きを得られるチャンスが無数にあると感じています。
  • 株式会社クレディセゾン CISO 小野 雄太郎氏(現コミッティメンバー)
    株式会社クレディセゾン
    CISO
    小野 雄太郎

    (現コミッティメンバー)

    分科会で得た知見を部下の育成にも活用
    金融業界のクラウド活用にはセキュリティーをはじめ、様々な課題があります。その点、金融分科会で困りごとや解決策を他社と共有することで、社外からのナレッジを得ています。得たナレッジを、部下の育成や、モチベーションアップにも役立てています。さらに、私自身がE-JAWSの運営を担うコミッティメンバーになったことで、参加者と話す機会が増え、多くの人に覚えてもらえるようになりました。E-JAWSでは能動的に活動するほど情報が集まります。コミッティメンバーになるメリットは大きいと思います。
  • レンゴー株式会社 情報システム本部 情報システム第二部 情報システム課 課長 小山 岳朋氏(現コミッティメンバー)
    レンゴー株式会社
    情報システム本部
    情報システム第二部
    情報システム課
    課長
    小山 岳朋

    (現コミッティメンバー)

    他社も似た課題を持っていると知り、
    安心した
    当社はかつて、システムコストを削減するための手段として、「タグ付け」と「可視化」を試してはいました。ただ、それが本当に効果的なのかは確証が持てず、ずっと不安なまま過ごしていました。そんな折、E-JAWSで「オブザーバビリティ」をテーマに議論を行った際に、「システムが大規模化する前にタグ付けを行うべし」という旨の発言と、BIツールによる可視化の事例も見ることができ、自社の方針は正しかったのだと背中を押された気分になりました。E-JAWSに参加していなければ、このような気付きを得るチャンスはなかったかもしれません。
  • 株式会社ADKホールディングス グループ執行役員 CIO 柴﨑 貴志氏(現コミッティメンバー)
    株式会社ADKホールディングス
    グループ執行役員
    CIO
    柴﨑 貴志

    (現コミッティメンバー)

    地に足のついた対話ができるのが魅力
    私はCIOとして様々なコミュニティに参加していますが、非常に具体的かつ実践的な議論が行われているのがE-JAWSの価値であり、また独自性だと感じています。普通なら、「予算が」「経営トップが」といった表面的な議論になりがちな中、技術のみならず、他部門を巻き込んだ組織・制度設計やITガバナンスなど、エンタープライズ企業がクラウド活用で直面する課題について地に足のついたオープンな議論が活発に行われています。このような場を通じ、草の根で率直な意見交換ができるネットワークが広がることは大変意義があると思います。
  • 日本航空株式会社 デジタルテクノロジー本部 IT品質監理部IT品質監理グループ グループ長 室野 尚武 氏 (現コミッティメンバー)
    日本航空株式会社
    デジタルテクノロジー本部
    IT品質監理部IT品質監理グループ
    グループ長
    室野 尚武

    (現コミッティメンバー)

    具体的な形で聞けた「ベストプラクティス」
    クラウド活用には、ベストプラクティスはありますが唯一絶対の正解はありません。自社の方針を見定めるのが難しい中、当社のIT部門もかつてCCoE(Cloud Center of Excellence)の運営方針を検討していた時期がありました。E-JAWSに参加してから、クラウド人材育成の話題で「重要なのはトップダウン」「キーパーソンは不要。標準化すべき」といった意見を聞き、もやもやが晴れたことを覚えています。また、数名程度のグループでディスカッションも行っていますが、少人数で腹を割って話すことでしか見えてこないこともあります。ほかで得難い、貴重な機会をもらえる場だと思います。
  • 株式会社牧野フライス製作所 情報システムセンタ 情報インフラ・セキュリティ部 ゼネラルマネージャ 中野 義友氏(次期コミッティメンバー)
    株式会社牧野フライス製作所
    情報システムセンタ
    情報インフラ・セキュリティ部
    ゼネラルマネージャ
    中野 義友

    (次期コミッティメンバー)

    ユーザー同士だけでリアルに話せる場
    私にとってのE-JAWSの魅力は、AWSの方が同席しないユーザー企業だけで話せる場があるということです。先日は、競争領域にならないAWS基盤の運用の仕組みやセキュリティーガバナンス実現の実効性など、各社のノウハウを惜しみなく共有・議論しています。生々しい失敗談は、同じ事にこれから取り組むユーザーのヒントになります。もちろん当社も積極的にGive Firstしています。入会審査時に「AWS Wavelengthと5Gを工場の製造現場で本活用した事例(世界初)」をご紹介し、多くの反響をいただきました。各社でリーダーシップを発揮している方と話をすることは、モチベーションにもなりますね。
  • 株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス グループデジタルソリューションセンター クラウド戦略チーム 堀 瑞希氏(次期コミッティメンバー)
    株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス
    グループデジタルソリューションセンター
    クラウド戦略チーム
    堀 瑞希

    (次期コミッティメンバー)

    少人数で話ができる機会に価値を感じる
    私は少人数で話ができる機会に大きな価値を感じています。特に、「クラウドやデジタル技術の活用について、経営層の納得をどう得るか」は、多くの企業が抱える問題ではないかと思います。これは社内でなかなか質問できる人がいませんが、E-JAWSでの意見交換から「こうすることで成功した」という体験談を聞くことができ、解決の糸口をつかむことができました。社内に閉じず、“越境型”で課題と向き合えるのはとてもありがたいです。
  • 生活協同組合コープさっぽろ デジタル推進本部 IT統括部 インフラ・ITサポートチーム 山﨑 奈緒美氏(次期コミッティメンバー)
    生活協同組合コープさっぽろ
    デジタル推進本部
    IT統括部
    インフラ・ITサポートチーム
    山﨑 奈緒美

    (次期コミッティメンバー)

    「人とのつながり」が広がるコミュニティ
    E-JAWSは「人とのつながり」がとても広がるコミュニティです。参加することで仲良くなった会社が集まり、現場のエンジニアも含めてディープに議論する会を開催する、といったことも行っています。また、私はJAWS-UGの運営にも携わっていますが、E-JAWSで仲良くさせていただいているとある会社のCIOの方に、JAWS-UGのイベントでのパネルディスカッションに参加していただいたこともあります。このような横断型の取り組みが生まれると、さらにつながりは拡大していくと思います。

ビジネスや社会が変化の時期を迎える中
コミュニティの価値はさらに大きくなる

日本航空株式会社 室野 尚武 氏 (現コミッティメンバー)

日本航空株式会社
室野 尚武
(現コミッティメンバー)

 発足から10年以上が経つE-JAWSだが、その間にテクノロジーは進化している。特に昨今は、生成AIの急速な進化によって、ビジネスや社会が大きな変革期を迎えている。E-JAWSのようなコミュニティが持つ価値はさらに大きくなりそうだ。

 「テクノロジーの進化が早くなっている現在は、『現状維持』が『劣化』に等しい時代だと思います。テクノロジーの効果的な使い方のヒントを得るためには、リアルで深い情報を得る必要がありますが、E-JAWSのようなコミュニティが、そのためのチャネルとして機能すると思います」と室野氏は言う。インターネットでは公開されない失敗談や、その事後処理の経緯なども、クローズドな場では明かされることもある。生成AIをはじめとする先進テクノロジーの活用も、生々しい情報を基に効率的に進められるようになるはずだ。
株式会社クレディセゾン 小野 雄太郎氏(現コミッティメンバー)

株式会社クレディセゾン
小野 雄太郎
(現コミッティメンバー)

 「特にセキュリティーについては、実際に経験する前に知識を得られるのはありがたいと感じます。当社は金融業なので、非常に厳しいセキュリティーポリシーを設定していますが、各社の取り組み状況などを金融分科会もあるE-JAWSで共有できたことは、非常に役立ちました」と小野氏は続ける。

 「また、他社の取り組みを詳しく聞く中で『健全な危機感』が芽生えるのもいいと思います。『自社ももっと頑張らなければ』と思うこともあれば、『これはできている』と感じることもあります。エンタープライズ企業だけが集まるE-JAWSは、そのための貴重な指標が得られる場だと思います」(堀氏)。これも、インターネットでトレンドを追いかけるだけでは得られない、コミュニティならではの価値といえるだろう。

今後も様々なアイデアを実践していく
多くの人にE-JAWSの存在を知ってほしい

株式会社牧野フライス製作所 中野 義友氏(次期コミッティメンバー)

株式会社牧野フライス製作所
中野 義友
(次期コミッティメンバー)

株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス 堀 瑞希氏(次期コミッティメンバー)

株式会社ポーラ・オルビス ホールディングス
堀 瑞希
(次期コミッティメンバー)

生活協同組合コープさっぽろ 山﨑 奈緒美氏(次期コミッティメンバー)

生活協同組合コープさっぽろ
山﨑 奈緒美
(次期コミッティメンバー)

 E-JAWSのコミッティメンバーは自薦・他薦による2年ごとの交代制を採っている。次期コミッティを担うのが中野氏、堀氏、山﨑氏の3人だ。今後はどのような活動に力を入れていく予定なのか。

 「『ITはIT部門に任せればよい』という考え方では、これからのビジネス競争を勝ち抜くことはできません。私案ですが、非IT部門の方々を積極的に巻き込む取り組みに力を入れたいと考えています」と中野氏は言う。非IT部門に当事者意識を持ってもらうために必要なことは何なのか。ディスカッションや成功事例の共有を通じて、そのためのヒントを探ることができるかもしれない。

 また山﨑氏は、全国各地での小規模なカンファレンス開催を提案する。「JAWS-UGの運営や、札幌に本社を置く企業としての経験を生かし、このような外部連携施策を推進していきたいと思います」。

堀氏は「若手中心の分科会を立ち上げることで、これまでと違う知見が見えてくるかもしれない」と話す。このようなアイデアのいくつかは具現化され、新たな活動として立ち上がっていくだろう。それがE-JAWSの価値をさらに増大することになる。

 「なによりE-JAWSは、組織や業界の垣根を越えた議論ができる場です。そこから、会員企業同士が『境界を越えたつながり』を持つきっかけにもなればうれしいですね。E-JAWS自体はクローズドな場ですが、このようなコミュニティが日本にあるということは、ぜひ多くの方に知ってほしいと思います」と磯野氏は強調する。

 先進テクノロジーやクラウドをいかにして使いこなし、ビジネス価値に変えるか――。これは、あらゆる企業・組織にとっての重要ミッションである。インターネットや一般的なユーザーコミュニティでは得られない、生の学びを得たければ、E-JAWSへの入会を検討してみることをお勧めする。
お問い合わせ
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 URL:https://aws.amazon.com/jp/contact-us/