情報の資産化と活用で競争激化時代に臨む「製造業AIデータプラットフォームCADDi」が自動車製造業の企業変革を後押しする

日本の自動車製造業はグローバルに多くの強みを持つ一方で、市場の競争は激化しており、さらなる生産性向上に向けた変革が急務になっている。キャディが提案するのは、現場課題と経営課題の両方を同時に解決していくアプローチである。そして、それを実現するのが、企業が蓄積してきた膨大な経験と情報をAIで資産化し活用を図る「製造業AIデータプラットフォームCADDi(キャディ)」だ。

自動車製造業の経験やノウハウを活かす今こそ知の資産化を進める時

 日本経済の製造品出荷額等は年間63兆円に達する。全製造業の製造品出荷額等に占める自動車製造業の割合は17.4%(※1)、日本経済の一翼を担っているのが自動車製造業である。

 一方で、電動化や自動運転、SDV(ソフトウェア定義車両)などの開発競争、また海外新興メーカーの台頭による市場競争など、自動車業界の競争は年々激化。自動車製造業にはこれまで得意としてきた生産の効率化や品質の改善にとどまらず、環境の変化に対応できる仕組みづくりや変革が求められている。

 このような背景を踏まえた上で、キャディが提案するのが、OEM(Original Equipment Manufacturer、自動車メーカー)やサプライヤーといった自動車製造業の社内に蓄積された経験と情報の資産化と活用である。

 キャディは「モノづくり産業のポテンシャルを解放する」をミッションに、製造業に伴走し、グローバルな変革に挑んでいるスタートアップ企業である。同社 上級執行役員 CPOの白井陽祐氏(以下、白井氏)は次のように述べる。

 「長年、専門性を磨いてきた日本の自動車製造業は圧倒的な経験やノウハウを持っていますので、生産性向上のポテンシャルは大いにあります。一方で、過去から蓄積してきた貴重な情報が共有されず、同じ作業や失敗を繰り返していることも少なくありません。今こそ『知の資産化』を進めて活用を図り、生産性を高めていくことが重要です」

※1 出所:一般社団法人 日本自動車工業会「日本の自動車工業 2024」、2024年8月

白井 陽祐 氏

キャディ
上級執行役員
CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)

白井 陽祐

大学院修了後にアド・テクノロジーのスタートアップ企業に就職し、広告配信プラットフォームなどの提案や導入支援に従事。2019年6月にキャディに入社。サプライチェーン・マネジメントシステムの立ち上げや、製造業データ活用クラウドCADDi Drawer(キャディ ドロワー)事業のプロダクトマネージャーなどを務める。24年11月から現職。

 自動車製造業が蓄積している資産化と活用の対象は、図面(2D)、企画資料、設計資料、品質資料、見積書や発注書などのあらゆる情報に及ぶ。ただし、これらは行や列のような形式を持たない「非構造化データ」も多く、そのためデータベースに載せにくく、共有や活用が不十分になりがちだ。

製造業特有の非構造化データを解析・構造化AIを活用して情報の価値をレバレッジする

 キャディは祖業が加工品の受発注のプラットフォーム事業である。自動車関連企業をはじめ製造業の出身者も多く、業界特有の課題を熟知しているため、前述の図面をはじめとした製造業界特有の「非構造化データ」の扱いにも長けている。

 AIでデータを解析することで「非構造化データ」も「構造化データ」に変換、蓄積したデータをアプリケーションで活用するキャディのプロダクトが、「製造業AIデータプラットフォームCADDi(以下、CADDi。下記図参照)」である。

製造業AIデータプラットフォーム CADDi

部門や拠点などに点在する情報を構造化して統合する「データ基盤」(左)と、
データ活用の「アプリケーション」(右)で構成される「製造業AIデータプラットフォームCADDi」。
蓄積されてきた情報やベテランが持つ知見を資産に換えて、設計・生産活動と意思決定の高度化を実現する

 「CADDi」において、AIは組織や時間を拡張し、情報の価値をレバレッジするツールとして位置付けられている。例えば、図面に記載された製造業界特有の寸法、公差、表面粗さ、溶接指示などの情報の読み取りや解析はAIによって自動的に行われ、活用しやすい「構造化データ」に変換される。蓄積してきた貴重な情報がAIによって集約・構造化・統合され、知の資産に生まれ変わるわけだ。

 さらに、「CADDi」は情報を資産化するだけにとどまらない。これらの知の資産は「製造業データ活用クラウドCADDi Drawer(キャディ ドロワー)」「製造業AI見積クラウドCADDi Quote(キャディ クオート)」といったアプリケーションで活用されることでさらに輝きを増していく。

早期のコスト把握、非生産的な時間を削減「CADDi」が現場課題を大幅に改善

 「CADDi」は既にOEMやサプライヤーなどの自動車関連企業をはじめ、産業機器、精密機器、建設機械、金属加工、計測機器、半導体製造装置など様々な企業に導入され、多くの成果を上げている。

 例えば、Tier1の自動車部品メーカーでは、社内にある膨大な図面や関連情報を「CADDi」を使って資産化した。新部品を開発する際に、過去に設計した類似製品に関する図面や設計標準、DR情報、不具合情報などを設計の初期段階で把握できるようになり、いわゆるフロントローディングにつなげている。

 また、あるOEMは部門を横断したナレッジの共有化を進めている。社内に情報検索システムはあったが、生産部門や購買部門が参照しようとしても使いにくく、設計部門に問い合わせることも多かったという。「CADDi」を導入したことで、ナレッジが蓄積された過去の情報や図面が部門間で共有化され、また、検索も効率化されたことで設計部門への問い合わせも不要になり、月数百時間もの非生産的な時間を削減できたという。

情報の資産化が進めば、企業文化も変わる「CADDi」によるポジティブな変革

 キャディはベテランたちが積み上げてきた資産を共有し、若手が早期から積極的に価値提供する土壌をつくるといった、企業文化の変革からサポートをしている。

 「CADDi」によって情報の資産化が進むと、企業文化や組織風土にも変化が現れてくる、と白井氏は述べる。

 「過去の情報を横断的に活用するメリットが理解されるにつれて、『正確で分かりやすい情報を残す』という意識が個人や組織に定着していきます。また、使うことでデータが溜まり、データが溜まっているから使うという好循環も生まれます。実際に社内の文化や風土にいい影響を及ぼしている、と評価しているお客様もいらっしゃいます。あらゆる部門で使っていただき、全社的な変革を『CADDi』で進めていただいています」

 企業文化や組織風土が変われば、その後の変革も進めやすくなる。

 「日本の製造業の中でも、自動車製造業はグローバルで高い競争力を持っている業界の一つ。競争が激化している今こそ、『CADDi』で積み重ねてきた経験値を資産化し活用することで、業務と経営の課題解決と変革につなげていただければうれしく思います」(白井氏)