日経コンピュータ パートナー満足度調査2025

「サーバ―」部門満足度No.1企業に訊く

AIサーバーの市場でもボリュームが強みを発揮

パートナーと協調した
ソリューション訴求に力点

「サーバー」部門で4連覇を達成したデル・テクノロジーズ。定評ある価格競争力と収益性、納期対応という強みが高い支持を獲得した。AI向けサーバーの市場が急拡大する中で、複数のクラウドサービスを使い分けるとともにオンプレミスとも連携させた「マルチクラウド」を力強く推進する。パートナーと協調したAIソリューションの訴求を重視し、パートナー向けの技術支援や情報提供の強化も進めている。

 

「サーバー部門」で高い評価を獲得し4年連続の首位となったデル・テクノロジーズ(以下、デル)。同社の上原 宏氏は「業界全体が半導体不足に陥る中でも製品をしっかり供給できた1~2年目に引き続き、平常運用に戻った3~4年目も高評価をいただけました。継続が大きな力となることを実感しています」と、この4年間を振り返った。

AIサーバー市場が急拡大
マルチクラウド化も進展

生成AIの導入が進展する環境下で、ここ1年はGPUを搭載するAI向けサーバーの需要が急拡大し、デルもワールドワイドで98億ドルのサーバーを出荷した。「日本ではクラウドサービスプロバイダーや通信事業者が『GPU as a Service』を実現するために大量導入する動きが顕著です。AIを活用して生産性向上を狙う一般企業も今後増えてくるものと期待しています」(上原氏)。AIシステムの本格導入を見据えて、PoC (概念実証)に取り組む企業も多い。

デル・テクノロジーズ株式会社
執行役員
インフラストラクチャー・ソリューションズ
営業統括本部
製品本部 本部長
上原 宏氏

AI用途の急拡大に対応し、デルはGPUダイバーシティ戦略を掲げ、インテルやAMD製のGPUが搭載できるモデルも品揃えしている。またエヌビディア製GPUの獲得競争が激化する中でも定評のある納期対応力で今回も高評価を得た。上原氏は「(デルは)98 億ドルというボリュームに表れるように規模の経済性があります」と語る。パートナー向けに納期も確認可能なツール「Dell Solutions Configurator (DSC)」を開放し、選ぶパーツによって納期を細かく調整できるよう配慮している。「納期が長くなるような状況でも、未定ということは無いので、パートナーは導入予定を立てやすくなります」(上原氏)

この1年は、複数のクラウドサービスを使い分けるとともに、オンプレミスとも連携させるマルチクラウドの動きも顕著だった。オンプレミスのサーバーを併用することで、データのセキュリティを高めたり、社内でフレキシブルにシステムを運用できたりするメリットがある。AIシステムをMicrosoft Azureのクラウドサービスからオンプレミスに移行したいという相談も多く、オンプレミス上で動くAzureサービスを採用するケースもあるという。「マルチクラウドを検討するユーザーが想定する用途は、仮想化が7割、AIが2割です」と同社の山野邊 真澄氏は語る。

このようにマルチクラウド化が進む背景として、サーバーの価格競争力が高まり、クラウドサービスと比べたコストメリットが生じやすくなったこともある。

例えば、デルが提供する一部の仕様を固定したセミオーダー型サーバー「Smart Selection Flexi」は、パートナーにとって従来のサーバーの仕入れ値よりも安くできるメリットや、パーツを選択する手間が省ける利点があり、収益性の高評価に寄与している。「ここ1年でパートナーの利用案件数が増えています」(上原氏)

セミオーダー型サーバーの「Smart Selection Flexi」

データセンター向けに水冷式も
GPU遠隔監視で効率向上

デルが展開している用途別のサーバー製品の中で、データセンター向けの高集積型や企業向けのタワー型といった従来タイプの市場も引き続き堅調に成長している。ここ1年では、CPUコア数の多さが求められる用途でAMD製CPUの採用が増えている。

デル・テクノロジーズ株式会社
インフラストラクチャー・ソリューションズ
営業統括本部
マイクロソフト ソリューション部 ビジネス開発
山野邊 真澄氏

データセンターでAI向け高速GPUサーバーを導入するユーザーからは、集積度を高めるためにGPUの冷却効率を高める要望が増えている。そこで今期は、これまで主流だった空冷式だけでなく水冷式のサーバーもラインアップに従来より多く加えることにした。GPUの発熱を抑えることで、処理速度が高まり消費電力を下げられる。「水冷式を選択してもできるだけ空冷式と違うパーツを使わないように配慮して設計・製造されていますので、メンテナンス性を高めています」(山野邊氏)。デルは引き続きGPUの発熱量を改善した、次世代のデータセンター用サーバーを投入していく考えだ。

運用管理のしやすさの面でも、デルのサーバーはパートナーに支持されている。Webベースの管理ツールの新機能「APEX AIOps Infrastructure Observability」では、主要なコンポーネンツの利用状況の数値を基に不足リソースを可視化し、このデータからパートナーがサーバー増強プランを検討できるようにした。「パートナーが高度な運用管理を少人数で提供して利益率を上げるのにも有効です」(上原氏)

AI事例展示のラボを開設
サポートを見学する施設も

デルはパートナーとの連携を強化する様々な施策を実施している。2024年9月には、企業が抱えるAI課題の解決に役立つAI Innovation Labを本社内に開所。AI向けサーバーのさらなる市場拡大を目指し、パートナーとも連携してAI導入事例を展示しており、約半年間で訪問者数は1700人に達した。「まず事例やアプリケーションを見て理解してもらうことで、AIシステム導入の話がスムーズに進みやすくなります」(上原氏)

パートナーに情報提供などの技術支援をするリアルのセミナーも増やしてきた。特に好評なのは750人が参加する「徹底攻略塾」で、リピート率は7割に達する。このほか約100人が集まるAIセミナーなど含めて、高い頻度で技術支援セミナーを実施している。

加えて、ネットを通じた情報提供も強化した。DMはこの1年で94万通を配信し、クリック率は27%アップしている。YouTubeで動画の情報提供も実施しており、1年で3.6万ビューに達した。「今回調査の高評価の部分は維持した上で、不足感のあった情報提供はパートナーに理解してもらえるようにしっかり継続して、最低でも10連覇を目指そうと高い目標を掲げています」(上原氏)

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