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サーバーの利用状況に関する実態調査
サーバー選びがデータセンターの能力を左右する

生成AI時代、

最新サーバー選択のポイントは

本格的な生成AI時代を迎え、オンプレミスデータセンターとクラウドとのベストバランスが求められるようになってきた。ここで重要となるのが、データセンターに設置するサーバーの選択である。サーバーの選択によってデータセンター全体のパフォーマンスや消費電力、コストや管理性まで変わってくるからだ。そこでここでは、4月にラインアップを刷新したデル・テクノロジーズのサーバー製品を俯瞰しながら、最新トレンドを探っていきたい。

要件が大きく変化したデータセンター向けサーバー

情報システムを支える基盤として、重要な役割を担っているデータセンター。数年前まではクラウドシフトに伴い一般企業のデータセンターは縮小傾向にあったが、生成AIの本格活用が始まりつつあることで、自社データセンターとクラウドとのベストバランスを探る企業も増えてきた。生成AIを業務で生かすには社内の様々なデータを読み込ませる必要があるが、その中には社外に出せない機微な情報も含まれるからだ。また生成AIを常時高負荷で稼働させる場合には、クラウドよりもオンプレミスの方がトータルコストが安価になるという事情もある。

しかしこれからの企業が考えるべきことは、単なる「データセンター回帰」ではない。生成AI時代になったことで、データセンターに求められる要件が大きく変わったからだ。

まず生成AIを活用するにはこれまで以上に高性能なCPUが必要になるだけではなく、並列処理で処理能力を担保するためのGPUが欠かせなくなる。コスト効果を高めていくには、これらを高密度実装していくことが求められるのだ。しかし高性能CPUやGPUを高密度実装していけば、当然ながら消費電力が増大し、これに伴い発熱も膨大な量になる。限られた空間での処理性能の大幅な向上と、それに伴う発熱への対処という、極めて難しい課題に取り組む必要があるわけだ。

そのために、データセンターに設置されるサーバーも、大きな進化を遂げている。では具体的に最近のサーバー製品には、どのような傾向が見られるのか。

その答えを、デル・テクノロジーズのサーバーラインアップからひも解いてみたい。同社は「Dell PowerEdge」というサーバー製品を、長年にわたってグローバルで提供しており、日本国内でも日経コンピュータの「顧客満足度調査」のPCサーバー部門や、「パートナー満足度調査」のサーバー部門で、「満足度No.1」を獲得している。

同社は2025年4月に、サーバーラインアップを大幅に拡充した。その中身を見ていくことで、これからのデータセンター向けサーバーのトレンドが見えてくるはずだ。

2種類のCPUに対応したラインアップを拡充

デル・テクノロジーズ株式会社
データセンター ソリューション事業統括
製品本部
シニアプロダクトマネージャー
岡野 家和氏

「これまでの『3つの設計思想』を継承しつつ、新たなニーズに応えるために、最新世代のDell PowerEdgeのサーバーポートフォリオを刷新しました」と語るのは、デル・テクノロジーズの岡野 家和氏だ。

3つの設計思想とは、あらゆる場所で最適なパフォーマンスを提供する「専用設計」、より多くを自動化して運用効率を改善する「インテリジェント」、企業のゼロトラスト運用を加速する「サイバーレジリエント」を指す。

インテルとAMDの両方のCPUをカバーするとともに、企業の多様なニーズに対応した構成となっている

図1を見ると、大きく3つのカテゴリーで構成されていることが分かる。「インテル® Xeon® 6 プロセッサー搭載サーバー」、「AMD EPYC 9005 シリーズ搭載サーバー」、そして「統合ラックソリューション」だ。

サーバーはそれぞれ、1ソケットモデル(1Uサイズ)、2ソケットモデル(2Uサイズ)、AI/生成AI向けの8-GPUモデル(4Uサイズ)をラインアップ。パフォーマンスに対する企業ニーズに合わせて、バランスのいい構成になっている。

一方、ラックソリューションは、Open Compute Project(OCP)規格に準拠した21インチの水冷ラックソリューション「Dell IR7000」、および19インチ標準ラックを活用する「Dell IR5000」で構成されている。IR7000のうち、「PowerEdge XE9712」と「XE8712」はNVIDIA GB200に特化した高密度アクセラレーションアーキテクチャ。「PowerEdge M7725」はデル・テクノロジーズ独自の高密度コンピュートソリューションであり、専用の2ソケットサーバースレッドを搭載することで、「IR7000」1ラックあたり最大144ソケットの実装が可能だ。19インチラックベースの「IR5000」は液冷モデルと空冷モデルが用意され、液冷モデルは最大96CPUを実装できる。

第5世代AMDの利点を引き出す“Turin on Turin”

それではここからは最新世代サーバーの特徴を見ていきたい。まずはAMDサーバーからだ。ここでまず注目したいのは、AMDが2024年10月に正式発表した「第5世代AMD EPYC™ プロセッサー(コードネームTurin)」を全面的に採用している点である。

第5世代EPYCは、2022年11月に発表された「第4世代AMD EPYCプロセッサー(コードネームGenoa)」の後継。CPUコアとしては、世界最大のファウンドリ企業として知られるTSMC(台湾積体電路製造)の4nmプロセスで製造される「Zen 5」と、同じく3nmプロセスで製造される「Zen 5c」の2種類を用意。前者はシングルコアのパフォーマンスを追求したもの、後者は消費電力あたりの性能向上とシリコン面積の縮小を追求したものだ。

Zen 5コアを採用した最上位プロセッサーは128コア、Zen 5cの最上位プロセッサーは192コアを実装。第4世代AMD EPYCプロセッサーとソケット互換になっており、第4世代AMD EPYCプロセッサーを搭載していた既存サーバーにそのまま、第5世代AMD EPYCプロセッサーを搭載することも可能だ。

しかしその場合には、注意すべき点もある。「サーバーベンダーによっては、第4世代AMD EPYCプロセッサー向けのソケットに第5世代AMD EPYCを搭載する“Turin on Genoa”方式を採用したようですが、そうしたサーバーでは最上位プロセッサーを搭載することはできないようです。最上位から2番目までのプロセッサーまでしか搭載できないため、十分なポテンシャルを引き出せないのです」と岡野氏は話す。

これに対してデル・テクノロジーズでは、第5世代AMD EPYC向けに新世代サーバーを設計することで、“Turin on Turin”を実現。これによって最上位プロセッサーも搭載できるようにしているという。

前モデルのソケットをそのまま使う“Turin on Genoa”設計では最上位CPUを搭載できないため、第5世代EPYCのポテンシャルを十分に引き出すことはできない

デル・テクノロジーズのAMDサーバーでもう1つ注目したいのが、1ソケットサーバーのメモリー本数が、2ソケットサーバーと同一なっていることである。

「一般に1ソケットサーバーは2ソケットサーバーに比べてメモリー容量が半分になるため、データ量が多いワークロードを動かす場合にはプロセッサーの処理能力がそれほど必要ない場合でも、2ソケットサーバーを採用するケースが少なくありませんでした。しかしそれでは1ソケットサーバーに比べて、消費電力が大きくなってしまいます。1ソケットサーバーでも大容量メモリーを搭載できるようにしたことで、このような問題を解決しました」(岡野氏)

Pコア搭載モデルで3つの世界記録を達成

次にインテルサーバーを見ていきたい。インテルは2024年6月に電力効率を重視したCPUコアである「Eコア」搭載のインテル® Xeon® 6 プロセッサーを正式発表し、2025年2月にはパフォーマンスを重視した「Pコア」搭載のXeon 6を正式発表した。デル・テクノロジーズのインテルサーバーは、先行したEコアを搭載するモデルに加えて、Pコアを搭載するモデルも、いち早く提供している。

それではPコアモデルはどの程度の性能を発揮するのか。86コア/172スレッドのXeon 6787Pを2基搭載した「Dell PowerEdge R770」の処理性能を、大規模な企業システムにとって重要なベンチマークである「SAP BW Edition for SAP HANA」で計測したケースを見てみよう。

まずデータロードフェーズの実行時間は、最速で6835秒を記録。SAP BW(SAPのデータウエアハウス)への一般的な参照パターンを再現したクエリスループットフェーズでは、最多で1万1685回/時間を達成。複雑なクエリパターンを逐次実行するクエリ実行時間フェーズでは、最短73秒となった。これらはいずれも世界記録だという。

このようにPコアのポテンシャルを十二分に引き出している一方で、Eコアを搭載したPowerEdge R770でも、前世代のハイパフォーマンスモデルを大きく上回る性能を発揮する。こうした点が着目され、電力効率と性能を両立できるサーバーとして、顧客からの問い合わせも多いという。

さらにもう1つ、注目しておきたいのが「フロントI/Oモデル」も用意されている点だ。これは「ほぼすべてのメンテナンス作業をフロント側から行える」モデルである。

CPU/GPUの発熱量が増大したことで、最近データセンターではフロア空調の冷却効率を上げるべく、サーバーから出る熱を出す「ホットアイル」(ラックの背面)と、サーバーを冷やすための冷気が流れる「コールドアイル」(ラックの前面)とで、空気をより厳格に分離しようという取り組みが進みつつある。ただしその場合、ホットアイルの気温はますます高くなるため、多くのメンテナンス作業をサーバー背面で行う作業員の身体的負担は、むしろ高くなってしまう。

サーバー背面へのアクセスを最少化することで、メンテナンス作業者の負担を低減できる

この問題を解決しているのがフロントI/Oモデルだ。サーバーメンテナンス時のラック背面へのアクセスがほぼ不要になるため、作業員の負担を大幅に削減できる。既に、稼働するサーバー台数の多い通信キャリアなどで、フロントI/Oモデルの採用が要件に加わるケースも増えているという。

これに加えてサーバーそのものの排熱と冷却に、デル・テクノロジーズ独自の工夫も凝らされている。これによって、1U/2ソケットサーバーでも350W CPU、モデルによっては500W CPUまで空冷が可能だという。また水冷モデルでも、特殊パーツを最小化することで、汎用性とメンテナンス性を高めている。

空冷では業界屈指の冷却能力を実現する一方で、水冷では特殊パーツの最小化により、汎用性とメンテナンス性を高めている

GPUの統合管理やAIチャットの利用も可能

最後に、デル・テクノロジーズのサーバー製品に搭載されているiDRACについても触れてきたい。これは遠隔からの監視や運用管理を可能にする機能。注目したいのは、アクセラレーター(GPU)の監視や運用管理も、ほかのサブシステムと同列で行えることだ。

「これはGPUを活用する企業様から高く評価されています。また、iDRACの強みに加え、SaaS型の管理コンソールであるAPEX AIOps Observability(旧名称:CloudIQ)には新たにAIチャットの機能も追加された。フリーテキストで問い合わせできるようになり、ドキュメントを使った調べ物が不要になり、運用管理者の作業効率を大幅に高めることが可能になります」(岡野氏)

GPUもほかのサブシステムと同列で常時監視でき、GPU単位の消費電力や温度も可視化可能だ。
AIチャットによる問い合わせも行えるようになっており、管理者の作業を大幅に効率化できる

以上ここまで、デル・テクノロジーズの最新世代のサーバー製品を俯瞰してきた。現時点でのサーバー製品のトレンドが浮き彫りになったはずだ。

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