エプソンのスマートチャージを全面的に採用し、運用課題解決と同時にトータルコスト約30%削減の見込み エプソンのスマートチャージを全面的に採用し、運用課題解決と同時にトータルコスト約30%削減の見込み エプソンのスマートチャージを全面的に採用し、運用課題解決と同時にトータルコスト約30%削減の見込み

コスト削減と運用課題の解決を同時に実現 業務負担を大幅に軽減し
現場からも好評の声

福岡大学病院は2024年の統合医療情報システムの更新を機に、プリンティング環境を刷新した。その際に導入したエプソンのスマートチャージにより、7年間注3のトータルコストは約30%削減の見込み。さらに、消耗品発注業務の廃止やプリンター関連トラブルの低減を実現し、現場の業務負担を大幅に減らすことに成功した。

注3 特別プランを制定。基本プランは5年となります。エプソンのスマートチャージは契約にあたり事前審査が必要となります。

統合医療情報システムの
更新を機にプリンターを
分離調達で刷新

吉田 陽一郎氏

吉田 陽一郎

福岡大学病院
Medical Informatics & Digital Medicine 教授
医療情報部 診療部長 消化器外科

井 稔

井 稔

福岡大学病院
医療情報部 主任

小川 伸一郎氏

小川 伸一郎

福岡大学病院
医療情報部 主任

末本 浩士氏

末本 浩士

福岡大学病院
医療情報部

福岡大学病院は、高度医療を提供する特定機能病院として最先端の医療技術と設備を備えている。2024年5月に開設した新本館には外科系病棟と手術室機能の充実を図り、手術支援ロボットやハイブリッド手術室などを整備した。また、新本館の開設にあわせて医療情報システムも更新し、第Ⅴ期統合医療情報システムを稼動させた。新たに、患者利便性の向上を目的に予約や待ち時間や血液検査結果の確認が可能な患者用スマートフォンアプリ、電子カルテと連携したオンライン診療システム、医師の働き方改革に向けた院外からの電子カルテ参照・オーダーができるテレワークシステム、胸部X線・CT検査の画像診断支援AIなども導入した。

こうした医療情報システムの新機能・新システムを導入するためには、既存インフラのコストダウンを図ることが病院経営において大きな命題でもある。その一環として取り組んだのが、従来のレーザープリンターをエプソンのビジネスインクジェットプリンターに転換することだ。同時に、エプソンのスマートチャージと呼ばれる定額サービスの導入により、トータルコストの削減に取り組んだ。エプソンのスマートチャージは、複合機/プリンターの機器本体を購入することなく、月々の定額費用だけで基本印刷枚数までプリントできるサービスだ。福岡大学病院が導入したオール・イン・ワンプランの月額費用には、機器本体の貸与と規定出力枚数までのインクおよびメンテナンスボックス、保守サービスが含まれる。

従来、プリンターなどの周辺機器の調達は、医療情報システムの中核ベンダーが推奨する機器を一括調達方式で導入するケースがほとんどであった。福岡大学病院も同様だったが、コスト削減を目的に、今回のシステム更新でプリンターに関して初めて分離調達に踏み切った。

「システム更新では各現場から上がってくる膨大な要求に対応するとともに、システムトラブルのない安定した継承運用に全力を傾けなければなりません。周辺機器などは一括調達により更新業務の負担を軽減したいところでした。しかしながら、厳しい病院経営環境の中でコスト削減が期待できるならと、プリンター環境の分離調達に臨みました」(医療情報部 診療部長の吉田陽一郎氏)

エプソンのスマートチャージ
導入で運用課題の解決へ

従来、同病院では700台弱のレーザープリンターを使用してきた。運用課題は、レーザープリンターの機構的な要因により紙詰まりや印刷汚れなどのトラブルが多いこと。現場の業務が停止したり、トラブル対応に工数がかかったりといった問題があった。「トラブル対応は医療情報部が行っており、現場からの電話による依頼で即時対応が求められます。短時間で復旧できない場合は予備機との交換作業になります。特に外来など患者を前にしたトラブルでは診療業務に大きな影響を及ぼすこともありました」(医療情報部 主任の井稔氏)。

用紙の補給や消耗品の交換などは基本的に現場職員が対応するため、交換用の消耗品を設置場所近くに保管しておく必要がある。そのスペースの確保や消耗品の発注などの管理業務が現場職員の負担になっていたという。

こうした課題に対して、インクジェットプリンターに置き換えることで解決できるのではという期待があった。複雑な機構のレーザープリンターに対してインクジェットプリンターはインク吐出に熱を使わないシンプルな機構であり、交換部品が少ない。そのため、トラブル対応に要する時間削減が期待できると医療情報部 主任の小川伸一郎氏は指摘する。さらに、「消耗品の管理やコストにも課題があったため、エプソンのスマートチャージを導入することで、消耗品管理の負担軽減やコストを明確化できる期待もありました」と説明する。

各外来診察室に設置されたコンパクトなA4機器は、院外処方箋や患者への説明資料などに利用されている

各外来診察室に設置されたコンパクトなA4プリンターは、院外処方箋や患者への説明資料などに利用されている

医療情報部に設置されたA3複合機。主にレセプト印刷などに使用されている

医療情報部に設置されたA3複合機。主にレセプト印刷などに使用されている

エプソンのスマートチャージを導入するにあたり、サービスプランを決めるために院内で稼働しているプリンターのA3/A4機種ごとの出力枚数などを調査する必要があった。そこで、エプソンが提供する出力環境アセスメントサービスを利用。600台規模で約2年間にわたりプリンター使用状況の調査を行い、調査結果を基に契約枚数の妥当性を評価・判断したという。具体的には、サーバー室にアセスメント用システムを設置して、ネットワーク上にある各プリンターからデータを収集した。

出力環境アセスメントサービスの実施により、毎月の出力枚数が把握できると同時に適切な機器設置を検討するきっかけにもなったという。「A3機器を設置していたにもかかわらず、A3用紙の出力が少ないプリンターをA4プリンターに変更するなど効率的な配置も工夫できました」(小川氏)。

こうした出力アセスメントの評価を経て、A3複合機11台、A3プリンター47台、A4複合機81台、A4プリンター544台の、計683台のインクジェットプリンターが導入された。

コスト削減と現場の
運用負担軽減を実現

エプソンのスマートチャージ導入の最大の効果は、トータルコスト削減にある。福岡大学病院が採用したエプソンのスマートチャージでは、機器使用料・消耗品(基本印刷枚数までのインク/メンテナンスボックス)・保守サービスが定額サービスとして提供される。また、複合機/プリンターを複数台導入したことで、基本印刷枚数を複数台でまとめて計算し、分け合うことができる「グループ割引」を適用し、統合医療情報システムの運用期間(7年間)のプリンターにかかるトータルコストは従来の環境と比較して約30%削減できる見込みである。

「福岡大学本体の経営状況はともかく、大学病院だけでみれば厳しい経営環境下にあると言わざるを得ません。その中でトータルコストを3割削減というのは、非常に大きな効果です。実際に試算はしていませんが、低消費電力によるコスト削減やオペレーションコストの削減を含めると、大幅なコストダウンが実現できていると実感しています」(吉田氏)とし、エプソンのスマートチャージが定額サービスだからこそ実現できたと強調する。

また、プリンターの消耗品に関わるランニングコストが明確化できるという成果については、「従来、消耗品は各現場の職員が施設用度課に発注していたため、医療情報部ではランニングコストを把握できていませんでした。エプソンのスマートチャージの導入検討で施設用度課への発注内容が明らかになり、『年間でこんなにランニングコストが発生していたのか』ということを実感しました。現在の環境ではコストを明確に管理できるのも利点だと思っています」(井氏)と話す。

病棟スタッフステーションには様々な帳票出力に対応するA3プリンター(写真)とA4複合機が導入されている

病棟スタッフステーションには様々な帳票出力に対応するA3プリンター(写真)とA4複合機が導入されている

一方、各現場の職員からは、消耗品発注業務から解放されたことに対する反響が大きかったという。エプソンのスマートチャージでは自動検針ソフトウェア「Epson DS Agent」によってネットワーク環境にある各プリンター情報を取得しており、インクや用紙がしきい値を下回るとオンデマンドで消耗品が供給される仕組みだ。「現場の看護師や事務職員は常に消耗品残量をチェックしているわけではないので、発注のタイミングが遅れて納品までに時間がかかり他の部署から融通してもらうことも多々ありました。また発注のわずらわしさから多めに発注して予備として持っておく、といったこともあったようです。師長からは、本来業務以外の作業から解放されたメリットを感じているという声が届いています。また、スタッフステーションの一角に消耗品を積み上げるスペースがありましたが、そのスペースをなくすことができた点も大きなメリットです」(医療情報部の末本浩士氏)。また、消耗品がインクであることのメリットは他にもあるようだ。「レーザープリンターの場合、手術室などの空調に気を遣わなければならない場所では、交換の際にトナーの粉が落ちないように慎重に作業を行う必要があります。その点、インクは液体なので気にせず作業ができます」(末本氏)。

印刷トラブルの
問い合わせ件数が4分の1に

インクジェットプリンターの導入で紙詰まりや汚れなどの印刷トラブルが減少し、医療情報部門の業務負荷も軽減した。「印刷トラブルなどプリンター関連の医療情報部への問い合わせ件数を調べてみると、レーザープリンター導入初年と比較して年間約4分の1に減少しました」(末本氏)。

2016年の第Ⅳ期統合医療情報システム初年時のプリンター関連問い合わせ件数は年間約450件、2023年の同システム最終年では年間530件を超えていた。それがインクジェットプリンター運用1年目の2024年には年間約110件に減少した注2

レーザープリンター運用時には、紙詰まりやトナーの交換は現場の職員が対応していたが、対応しきれずに医療情報部へ電話するということも多かった。業務停止時間を短縮するには即時対応が求められ、医療情報部の業務負担も大きかった。「現在は、インク交換や軽微なトラブルには現場の職員が対処できているため、問い合わせ件数の減少につながっていると考えられます」(末本氏)とし、医療情報部の負担が減ったことを実感している。レーザープリンターからインクジェットプリンターへの転換は、トータルコストの削減のみならず、現場の業務負担を大幅に軽減する結果となった。

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