この状況を受けて日本HPがリリースしたのが、18インチのノート型ワークステーション「HP ZBook Fury G1i 18inch Mobile Workstation」(以下、ZBook Fury 18inch)である。
「コンセプトは『持ち運べるデスクトップ性能』です。18インチなので、カバンで持ち運ぶには相当な重さがありますが、そのくらい高性能化に振り切って開発したノート型製品ということです」と大橋氏は紹介する。
まずCPUは、インテルが高性能ワークステーション向けに開発したトップエンドのプロセッサー「 インテル
® Core
™ Ultra 9 プロセッサー 285HX
」を搭載。このプロセッサーは、①パフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャーを採用したArrow Lake世代の24コアのCPU(最大5.4GHz)、②4コアのGPU(最大2.35GHz)、③AI処理能力が最大13TOPSのNPU(Neural Processing Unit:AIの計算に特化したプロセッサー)とメモリコントローラー、④USBなどの外部接続インターフェース、という機能を備えた4つのチップレットで構成されており、3Dデータ解析に大きな威力を発揮する。
GPUにはインテルのXeグラフィクスのほか、NVIDIAの「RTX PRO Blackwell」も搭載。用途に応じて自動的に切り替える仕組みを備えている。電力消費を抑えたインテル製プロセッサーは外付けモニターへの画面出力などに、NVIDIA製GPUは3Dデータ解析やAI推論といった高負荷な処理にそれぞれ使われるという。「処理性能と消費電力のバランスを取ることで快適な業務遂行を支援します」と大橋氏は説明する。
また、高性能実現の要になる冷却機構については、CPU、GPU、NPUの各チップレットに1つずつ、計3つの新型高密度ブレードターボファンを設置。加えてCPUとGPUの下部には「ベイパーチャンバー」も搭載している。
「ベイパーチャンバーとは、気化しやすい液体を入れた銅製のヒートパイプを、チップレットを取り囲む形状に配置し、発熱によって液体が蒸気(Vapor)になる際の気化熱で温度を下げる仕組みです」(大橋氏)。銅板のヒートシンクよりも放熱効果が高いため、同社のワークステーション製品の多くに採用されている。このような仕組みを複数組み合わせることで、CPU/GPUの温度を効率的に下げ、性能の最大化と安定駆動につなげているという。
メモリーは最大4スロット、128GBを実装可能。また、大容量データの取り回しを考慮して有線LAN端子も搭載している。これら一連のスペックの多くが、18インチという大型サイズであることによって実現可能になったのだ。