提供:IDホールディングス

技術革新の時代に変革の鍵を握る、
外部企業との協創

DX時代にANAが進める
パートナーシップ戦略

宮澤氏と加藤氏の写真

株式会社インフォメーション・
ディベロプメント
代表取締役社長

宮澤 拓哉

全日本空輸株式会社
上席執行役員 グループCIO
デジタル変革室長

加藤 恭子

コロナ禍を経てインバウンド需要増など事業環境の急速な変化への対応に迫られる航空業界。その中でデジタル技術を活用した変革に挑んでいるのが全日本空輸(ANA)だ。生成AI活用やサイバー脅威対策などさまざまな課題が山積しているデジタル領域において、ANAが推し進めているのが外部企業との協創であり、その中でパートナーとして同社を支えているのがインフォメーション・ディベロプメント(ID)である。両者はどのようなビジョンのもと、どんな協創に取り組んでいるのか。ANA 上席執行役員 グループCIO デジタル変革室長の加藤恭子氏と、ID 代表取締役社長の宮澤拓哉氏が語り合った。(聞き手・日経BP総合研究所 フェロー 林哲史氏)

社内のDX人材育成とパートナー企業との協創を重視

 インバウンド需要拡大など航空業界の事業環境は急速に変化していますが、ANAではそうした変化に対応するためにどのような取り組みを進めていますか。

加藤 当社ではデジタルでお客様の利便性向上と新たな体験価値の創出を目指す「攻めのDX」へと舵を切っています。生成AIのような技術の進化も加速する中、お客様のニーズの変化とデジタル技術を組み合わせ、いかに早く価値を届けられるか。この変革を推進するにあたり社内では業務部門向けの「Digital Lead養成プログラム」といった集中教育や、スキルアセスメントを通じてDX人材の成長を支援しています。しかし、すべての知見を社内に持つことは困難なため、当社の事業に深い理解を持つパートナー企業様との協創も欠かせないと考えています。

そうした中で、長年にわたって支援を受けているIDグループを戦略パートナーと位置づけ、同社の持つ幅広い知見を活用しながら当社のDX推進をさらに加速させていきたいと考えています。

宮澤 IDグループは40年近くにわたるANAとのお付き合いを通じ、深い業務理解を培ってきました。この関係をもとに従来のベンダー関係を超えた戦略パートナーとして、短期的な課題解決、および将来的な競争優位確立に向けた中長期的な支援を両立させています。特に環境変化のスピードが速まる中、ANAのニーズに即応できるような専門チームを構築しています。運輸インフラにおいては何よりも「安全で確実」であることが必須の条件であり、長年の信頼関係によってこの確実な基盤の運用を当社が担っています。

対談写真

DX推進における
第三者視点を取り入れる価値

 IDグループはANAの戦略パートナーとして、具体的にどのような取り組みを行っていますか。

宮澤 業務アプリケーションの開発からクラウドを含むインフラの維持保守、環境構築まで、幅広いサービス領域で一貫した支援を提供しています。直近ではDX戦略推進から量子コンピュータ時代を見据えた将来予防策まで、企画段階から参画して全体最適を図っています。特にAIガバナンスやセキュリティポリシー策定においては、リスク管理と価値創出のバランスを取るためのフレームワーク構築を支援しています。

 ANAとIDグループとの協創において、一貫した支援を受けることのメリットや価値をお聞かせください。

加藤 航空業界では、専門用語や規制、国際的ルールに基づく対応など、非常に高い業務知識が求められます。長年の協創関係を築いてきたことで、ANAの業務部門が求めていること、大切にしているお客様体験価値を深く理解していることが、IDグループの最大の価値です。これにより新たな取り組みも一から全てを説明する必要がなく、スピーディーに進めることが可能です。また、セキュリティポリシーの策定では、内向きになりがちな視点に第三者目線を取り入れることができ、新たなソリューション検討においても専門的な観点での比較検討を加えたことで、議論が効率的に進みました。

ユーザーとベンダーが
共に成長し合う関係が重要

 IDグループは中長期視点として協創型スキームを構築していますが、その具体的な内容を教えてください。

宮澤 従来のプロジェクト単位でのリソース確保から脱却し、ANA専用のDX人材プールを構築する協創型スキームを展開しています。これにより、ANAの業務に精通した専門人材を安定的に確保し、案件の山谷に関係なく継続的にサービス提供できる体制を構築しました。最新技術の戦略的活用としては、例えば当社が開発した、メタバース上でつながるバーチャルなシステム運用ソリューション「ID-VROP」について、ANAでも概念実証(PoC)を進めています。さらにAIについては、人間の目には分からない微細な差を見つけて、異常の予兆を事前に察知するといった領域で有効であり、いま活用に向けた協議を進めています。

加藤 ANAではANAシステムズを通じてIDグループに「ラボ機能」という形で、当社の知見を保有する人材の安定的な確保をお願いしています。こうした取り組みにより、必要なDX人材の迅速なアサインのほか、案件の谷間では別プロジェクトへの支援など横断的な人材活用にもつながると考えています。VROPについても、災害時のオペレーション継続に応用できないか、高い関心を持っています。AIについては、部品の最適な購入タイミングの判断などへの活用を始めており、安全性の向上と効率化に寄与するものと考えています。

 「付加価値を共に創造していく」ためのビジョン、今後も戦略パートナーとして協創していくことへの期待をお聞かせください。

加藤 IDグループの力を借りるだけでなく、ANAグループ特有の知見や一般的な業界では起こり得ないような事例を共有することで、IDグループへお返しができる関係性を築いていきたいと思っています。そして開発・運用パートナーの枠を超え、相互の知見やノウハウ、人材の交流も含めて共に成長・発展していくことを期待しています。

宮澤 インフラ領域での戦略的支援、セキュリティ領域でのトータルサポート機能、そしてグループ会社支援でのプレゼンス向上という主に3つの軸で価値創造を進めていきます。また、ANAとの協創を通じて業務プロセスの問題点を発見し、根本的な改善策を提案できる人材、特に広義のDevSecOpsやSREの概念を理解し、開発とセキュリティとの橋渡し役を担う人材の育成を進めています。こうして培った知見やノウハウを、日本全体のDX推進や国際的な技術競争力向上につなげていくことがIDグループの責務だと考えています。

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