
先行きが読めない時代にあって、ITインフラ投資の最適化に向けてサブスクリプションによる利用型(as a Service)は有力な選択肢となる。しかし、自社にサブスクリプションが適しているのか。悩む情報システム部門も多いだろう。NECが、買い取り型の課題からサーバとストレージの利用型サービスの概要、価値ポイントを紹介する。
NEC
インフラ・テクノロジーサービス事業部門 コンピュート統括部
サーバマーケティンググループ
プロフェッショナル
髙橋 謙之 氏
所有から利用へ、ITインフラにおいてもサブスクリプションが浸透してきた。理由について、NEC インフラ・テクノロジーサービス事業部門 コンピュート統括部 サーバマーケティンググループ プロフェッショナル 髙橋謙之氏は現場視点に立って次のように説明した。
NEC
インフラ・テクノロジーサービス事業部門 コンピュート統括部
サーバマーケティンググループ
プロフェッショナル
髙橋 謙之 氏
「オンプレミスのITインフラについて、お客様と会話する中で出てくる課題は大きく3点に集約できます。1つ目が、IT人材不足が深刻化する中、サーバ、ストレージの運用管理負荷を軽減したい。2つ目が、リソースの最適化を図りたい。企業を取り巻く環境変化に伴い、将来のITリソースを予測し機器を購入することで生じる、過剰投資リスクを回避するためです。3つ目が、多額の先行投資の抑制、投資回収期間の短縮により、キャッシュフローを改善したい。3つの課題を解決するアプローチとして、利用型(as a Service)を選択するお客様が増えています」
NECでは、サーバとストレージの利用型製品を提供。サーバ向けが「Express5800従量課金サービス」だ。NECのExpress5800サーバ(ラック/タワー)を月額で利用できる。同サーバは、優れた品質と信頼性に加え、第5世代インテル® Xeon® スケーラブル・プロセッサーを採用し高性能を実現。第3世代と比較しパフォーマンスを1.84倍向上※1。最新メモリ「DDR5-5600」に対応し、第3世代に比べてメモリバンド幅を最大1.75倍向上※2し高速I/O性能を発揮する。
「Express5800従量課金サービス」は運用ニーズにも応えると髙橋氏は話し、こう続けた。「サーバの設置場所は、オンプレミス、データセンターなどお客様のご要望に合わせた選択が可能です。機密性の確保や自社ポリシーに沿って運用できます。搬入・撤去、保守もサービス提供範囲に含まれます。また、最長で7年間利用できます」
これまで買い取り型ではできなかったメリットも享受できる。「繁忙期、閑散期で稼働変動するシステムや、サーバ統廃合、クラウド移行などに伴うリソース利用増減が見込まれるケースなどにおいて投資コストの最適化が図れます」(髙橋氏)
同サービスで複数台のサーバを利用する場合、さらなる投資コストの抑制が図れる。NECならではのシェアリング活用によるサービスだ。「携帯電話の家族割に近いサービスです」と髙橋氏は話し、説明を加えた。
「Express5800従量課金サービスは、メモリ利用率60%までが基本料金となります。たとえば、サーバ2台を本サービスで契約し利用している場合、サーバAがメモリ利用率80%、サーバBがメモリ利用率40%のケースでは、契約済みサーバの総メモリ容量を平準化し余剰リソース分配により2台とも基本料金の範囲内に収めることができます」
NECならではのシェアリング活用によるサービスは、契約済みサーバの総メモリ容量を平準化し投資コストの抑制を図る
※1:出典:Intel(汎用コンピューティングにおける平均的なパフォーマンス向上の割合)
※2:メモリバンド幅 第3世代:最大3200MT/秒、第5世代:最大5600MT/秒
NECは、ストレージの利用型製品として「iStorage 従量課金/定額課金ストレージサービス」を提供。オンプレミス環境で、高速、柔軟な構成を可能にするNECのストレージiStorageを月額料金で利用できる。契約期間は3年~7年。サーバ同様に、ハードウェア保守もサービス対象範囲に含まれる。料金体系は、使用量に応じて料金を支払う従量課金モデルと、固定の月額料金を支払う定額課金モデルから用途に合わせて選べる。サーバの従量課金サービスとの違いについて髙橋氏は次のように話した。
「ストレージサービスの場合、設置するストレージ装置に記憶可能な容量を基に料金をお支払いいただきます。まず、契約時に設置容量を定めます。従量課金では、基本容量は最大50%です。それを超えた際に従量使用料金が発生します。また定額課金モデルは、設置容量まで固定料金で利用できます」
ニーズや用途に合わせて、使用量に応じて料金を支払う従量課金モデルと、固定の月額料金を支払う定額課金モデルを選択できる
iStorage HSシリーズの従量課金サービスは、初期コストをかけずにランサムウェア対策も強化できる。「脅威からバックアップデータを守るために、『3-2-1ルール』の実践が重要です。データを3つ作成し、2つの異なるメディアに保存し、1つを別の場所で保管します。HSストレージのクローン機能と、クラウドへの遠隔バックアップで『3-2-1ルール』を実践しつつ、従量課金サービスにより初期投資や運用コストの抑制が図れます」(髙橋氏)
NECでは、ITインフラの運用業務を支援するマネージドプラットフォームサービスを提供。本サービスは、サーバとストレージの従量課金型サービスを軸に、上位階層にある2つのコンポーネントを組み合わせることで、より高度なインフラ運用を実現できる。「1つ目が、日々の運用業務を効率化するマネージドITサービスです。初期構築、機器更新から障害対応、メンテナンス、運用作業、お客様の統括窓口などをNECが実施します。2つ目が、意思決定を支援するプロアクティブサービスです。インフラの運用や利用実績の定期レポーティング、将来的な予測と対策をご提案します」(髙橋氏)
購入型、クラウド、従量課金型で最もコストを抑えられるものは何か。髙橋氏はNECによる試算結果を話した。「弊社での試算結果ですが※3、Express5800タワー型サーバ1台(クラウドは同等スペックによるサービス)、5年利用時におけるコストを比較した場合、インフラ関連費用の低かった順は、購入型、従量課金型、クラウドでした。インフラ関連以外にも間接コスト(資産管理等)を加えたトータルコストで比較した場合、低かった順は、従量課金型、購入型、クラウドでした。インフラ関連の間接業務では、コストだけでなくIT人材の有効活用の観点も考慮すべき要素となります」
※3:あくまでNECでの試算結果によるものであり、見積り時の為替レートや運用方法によって金額は変動いたします