Digital Back Office Summit REVIEW

カオナビ

人的資本経営を円滑に進めるには?
カギは人材データの一元管理にある

労働人口の減少や個人のキャリア観の変化、人的資本情報開示の義務化など、人と企業を取り巻く環境は急速に変化している。この変化に適応するために、人事部門にはこれまで以上に広範囲にわたる業務への取り組みが求められている。ただ、紙やExcelなどによる従来型の情報管理に頼っていては解決しきれない業務が山積し、対応に苦慮している人事部門は多い。こうした業務をデジタル化し、真の人的資本経営を達成する方法について、カオナビの高岡森生氏が語った。

リソース不足に直面する人事部門、避けられない業務効率化

高岡 森生氏

株式会社カオナビ アライアンス事業本部 本部長 高岡 森生

調査会社のHR総研が2022年6月に発表した「人的資本経営への取組み状況に関するアンケート 結果報告(第1報)」によると、「人的資本経営に取り組む目的」として最も多かったのは「組織力の向上」で、「従業員のエンゲージメント向上」が続いた。従業員が301~1000名規模の企業では「企業価値の持続的向上」「作業員のスキル・能力の向上」「生産性の向上」も60%以上の回答を集めている。

調査結果からは、現在多くの企業が人的資本経営に様々な価値を認め、期待を寄せていることが見て取れる。その一方で、人的資本経営を進める上で主たる役割を担う人事部門は、慢性的に人手が不足している。高岡氏は「今後、少子高齢化が進めばさらなるリソース不足に陥ることが予想されるでしょう」と危惧する。

こうした状況を打破するためには「人事部門の業務を大幅に効率化する以外にない」と高岡氏。特に、人材に関する情報を紙やExcelでバラバラに管理していると「人的資本の開示のためにそれらの情報を取りまとめる膨大な手間がかかります」とし、そもそも情報が管理されていない場合は、「一から仕組みを構築しなければならず、人事部門がこうした作業に追われると、本来力を入れるべき人的資本経営や戦略人事の施策がおざなりになってしまいます」と警鐘を鳴らす。

人的資本経営に取り組む目的には、多様な価値が認められている

人的資本経営に取り組む目的には、多様な価値が認められている

Must・Can・Willの人材データを一元管理する重要性

高岡氏は、まずは統一管理されていない人材データを一元管理する仕組みをつくるところから始めるべきだと提言する。

人材データには、異動履歴や役職履歴、給与情報といった「Must」の情報と、人事評価や職歴、スキルといった「Can」の情報、そしてキャリアプランや異動希望、メンタル情報といった「Will」の情報がある。Mustの情報については、基幹システムや給与計算システムなどで管理している企業が多いものの、CanとWillに関しては紙やExcel、人の記憶などに頼っているケースも少なくない。高岡氏は「Must・Can・Willの3つの情報をかけ合わせて一元的に見える状態にしておかないと、人的資本の開示の際に『どこに情報があるのか分からない』『情報を取り出すのに時間がかかる』『情報が古い、どの情報が最新か分からない』といった状況に陥ってしまいます」と訴え、3つのデータすべてを統一して可視化できる仕組みの構築が重要だと強調する。

人材データを集約して管理するために同社が開発・提供しているのが、クラウド型のタレントマネジメントシステム「カオナビ」だ。

人材データの情報開示を効率化し、人的資本経営を加速する

カオナビは業種・業態問わずあらゆる企業で導入可能だ。ログインすると画面上に従業員の「顔写真」を一覧で表示し、当該従業員の顔写真をクリックすればMust・Can・Willの情報を素早く参照・更新できる。参照・更新できるデータ項目はカオナビに標準登録されているものだけでなく、自社の組織体制などに合わせて独自のデータ項目を加えられる点が特徴である。

「ツール上でデータ項目をドラッグ&ドロップで配置するだけで、自社独自のデータ項目を容易に加えられるようになっています。簡単な操作でカスタマイズできるので、高度なITスキルを持たない人事部門の担当者でも、環境変化に応じて適宜新たな情報を収集し、システムを進化させていくことが可能です」。

カオナビでは従業員単位の情報の表示だけでなく、エンゲージメント調査など各種調査も手軽に実行でき、その結果をグラフィカルな形で分かりやすく表すこともできる。部署別の残業時間や年代別の退職者の推移など、人的資本経営にかかわる様々なデータを集計し、ビジュアライズ化することも可能だ。

「人的資本の情報開示の際には多様なデータが往々にして必要になります。従業員1人ひとりの情報だけでなく、会社全体を俯瞰した情報も即座に参照できるのがカオナビの大きな特徴の1つです」。

同社では主力製品のカオナビに加え、入社手続きや電子申請、給与明細、年末調整といった労務関連業務をデジタル化するサービス「ロウムメイト」の開発・提供にも力を入れている。ロウムメイトは初期費用がかからず、最短2週間で導入できる。

「カオナビ」や「ロウムメイト」の活用で、人事労務のデジタル化を一貫して進めることができる

「カオナビ」や「ロウムメイト」の活用で、人事労務のデジタル化を一貫して進めることができる

ユーザーにシステムをより有効活用してもらうための支援も実施している。その1つがユーザーコミュニティ「カオナビキャンパス」の運営である。「他社がカオナビをどう使っているか」「どのようにタレントマネジメントに取り組んでいるか」といった様々な情報をユーザー同士で交換できる場を設けている。

株式会社カオナビ