









高橋 DXデータセンターとその機能の1つである「ビューア」と呼ばれる3次元モデルの閲覧機能について、開発経緯をご紹介ください。
山口 DXデータセンターは、受発注者におけるBIM/CIMの普及を目的に2020年度に開発に取り掛かり、2023年度に完成したものです。提供する機能は大きく3つあります。まず受発注者間のデータの共有ストレージ、次に一般的なパソコンからアクセスして大容量の3次元モデルを扱える高性能仮想パソコン、そして最後に3次元モデルの活用を念頭に置いたWeb会議システムおよびビューアです。


山口 3次元モデルを閲覧しながらWeb会議を行うことを想定し、「ビューア」はWeb会議システムの一機能として構築しましたが、単独でも使用できます。ブラウザー上での各種データの閲覧のしやすさを求め、川田テクノシステムと検討を進めました。
高橋 私たちは、協働をコンセプトとし、容易にイメージ共有や統合管理できることを目指しました。その言葉「ビューア」が持つ単純な印象とは裏腹に協働プラットフォームの構築に挑戦したのです。なお、この「ビューア」は国土技術政策総合研究所、当社、他2社と共同特許を取得しています。3次元モデルはイメージの共有に適したものですが、活用に課題がありました。そこで、同一の仮想空間に複数人がアクセスし、その場で3次元モデルを基に報告・協議を進める、という利用法を想定しました。


高橋 国土交通省 近畿地方整備局 浪速国道事務所では、DXデータセンターおよび「ビューア」をどのように活用されていますか。
森 私が担当する清滝生駒道路事業では、建設コンサルタントとの間でやり取りする際に3次元モデルの容量が大きいため、DXデータセンターの共有ストレージを活用しています。事業全体のあらゆるデータをここでまとめて管理できるのは、非常に便利ですね。
「ビューア」は、3次元モデルの閲覧に利用しています。表示可能なファイル形式が豊富で設計データに加えて地形データまで取り込めるため、統合モデルを簡単に作成・表示できたのは、驚きです。
高橋 「ビューア」を利用する中で、データのチェック機能を持つことにも新たに気付かれたそうですね。
森 設計データである複数の3次元モデルを基に統合モデルを構築する際、スケールや座標に誤りがあると、すぐ分かります。データをアップロードしただけでチェックできるのは、非常に便利で重宝しています。
高橋 まさかチェックツールとしても活用できるとは、私たちも想定していませんでした。この「ビューア」では、属性情報の確認や計測も行えるため、事業監理のプラットフォームとして幅広くご活用いただければと思います。
私たちはまた、協働プラットフォームという開発コンセプトから、協議の場としての利用も念頭に置きました。例えば、ポインターやアバター表示、視点共有などコミュニケーション機能も盛り込んでいます。これらの機能はもう利用されましたか。
森 いえ、まだです。3次元モデルはイメージを共有しやすいことが利点だと考えています。例えば、建設コンサルタントとの打合せでは、擦り付けやボックスカルバートの位置検討のイメージの共有に役立ちました。このシステムのコミュニケーション機能を使えば、3次元モデルの利点であるイメージ共有のしやすさを最大限に生かせそうですね。今後、所内や関係者への説明時等に使用してみたいです。


森 3次元モデルについては、以前から「取り扱いが難しそう」と抵抗感を抱いていましたが、この「ビューア」なら、私のように経験の浅い職員でも安心して利用できます。
高橋 DXデータセンター内の一機能なので、手軽に使えそうですね。
森 はい。データを登録するだけで誰でも利用できます。しかも、ブラウザー上で動作可能なため、新たなシステムをインストールする手間も必要ありません。
高橋 DXデータセンターは今後、どのように運用されるのですか。
山口 現行のシステムについては今後に向けた方針を検討中です。現在、システム更新のタイミングや、継続する機能、さらに更新後のシステム運用期間について検討しています。ただ、現在の「ビューア」のような3次元データをWeb上で閲覧できる機能は残したいと考えています。
高橋 ありがとうございます。今回の取材を通じ、現場のリアルな声を聞くことができ貴重な経験となりました。今後も現場の課題に寄り添いながら、公共インフラのDX化を最先端のICTを駆使して支援してまいります。
お問い合わせ
〒101-0041 東京都千代田区神田須田町1-25
JR神田万世橋ビル
TEL. 03-6367-5641
【技術詳細】