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AIで加速するマイナビの挑戦 次に仕掛けるのは教育の現場 AIで加速するマイナビの挑戦 次に仕掛けるのは教育の現場

進学や高等教育の現場で「面接力」の重要性が増す中、AIを用いた『動画面接練習サービス』がマイナビから高校生向けにリリースされた。このサービス『AI-m(エイム)』はAIの力で高校生の面接力を伸ばしつつ多忙な高校教員の指導負担を軽減する新しいアプローチとして、確かな反響を呼んでいる。サービス、技術から社会的意義まで、開発を担当したマイナビ未来応援事業本部 コンテンツ運営部 部長 川原慧子氏と、デジタルテクノロジー戦略本部 AI戦略室 課長 三木天平氏に話を聞いた。

「教え方がわからない」
増える面接と足りない指導体制

高校生にとって、就職だけでなく進学の現場でも、面接は重要な関門となっている。「年内入試」と呼ばれる総合型選抜や学校推薦型選抜を通じて進学を目指す高校生が年々増えており、これからの生徒の可能性や考え方を見ようとする面接や小論文の比重が高まっている。

近年の大学入試では、面接試験などを含む選考を行う総合型選抜・学校推薦型選抜の利用者が増加しており、その利用割合は大学進学志望者の半数を超える(※)。従来より面接や書類選考を重視していた専門学校等への進学や就職も含めると、今や高校3年生の約7割は12月までに選考を終え、進路を決定しているという状況だ(※)。そのため、面接準備の重要性が高まっているが、生徒は自分の志望理由や自己PRを自身で改善することが難しく、また教員も多忙な中で面接指導に時間を割くことが大きな負担となっている。しかも、こうした入試に向けた面接練習は、1回や2回では到底足りない。学校によっては10回以上の模擬面接を実施するケースもあるという。回数を重ねて初めて「話す力」が育っていくにもかかわらず、それを支えるリソースが足りていないのが現実だ。

こうした教育現場の無視できない空白を埋めるべく、マイナビは2024年度にAIが判定する動画面接練習サービス『AI-m(エイム)』を発表。第1期として全国178校・2万3000人以上の高校生に対して無料トライアルを実施し、活用実態と有用性を検証した。利用後のアンケート調査では、実際に体験した生徒の7割以上が「役に立った」「AIによるフィードバックに納得感があった」と回答しており、教育現場からも好意的な声が多数寄せられた。

文部科学省「学校基本調査-令和6年度 結果の概要-」文部科学省「令和6年国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要」

マイナビ AI-mの主要機能

「高校生」に特化した
チューニングとは

『AI-m』は、AIを駆使して生徒自身の話し方や回答内容を解析し、それに基づいたフィードバックを自動で生成するサービスだ。表情や話すスピードといった主観では見逃しがちな部分もAIの客観的な視点で言語化する。それを生徒が自ら読み、改善していけるという“自律型学習”を実現した。

サービス内には、音声認識モデルや生成AI、AWSの技術基盤などが組み込まれており、テクノロジーによって“納得感のあるフィードバック”を届けられる仕組みに支えられている。ただし、このサービスの真価は技術そのものよりもどう解析結果を伝えるかの部分にある。

「高校生には、成長の段階を考慮したフィードバックが必要です。たとえば『声が小さい』とだけいわれたら、落ち込んで終わってしまう子もいます。でも『落ち着いた話し方はとても良いので、あと少し声を大きくしてみよう』と書かれていたら、前向きに受け取ることができます」(三木氏)

このように、言葉ひとつで生徒の受け止め方が大きく変わる。だからこそ、評価コメントの設計には、教育の視点と面接官の視点の両方をバランスよく組み込む必要があったという。

三木 天平 氏

株式会社 マイナビ
デジタルテクノロジー戦略本部
AI戦略室
AIソリューション三課 課長

三木 天平

開発チームでは、過去にマイナビが培ってきた添削ノウハウや指導実績をベースに、「高校生が最初にどこでつまずきやすいか」「高校生のメンタルに配慮した言葉か」「改善点が具体的に伝わるか」といった視点を一つひとつ吟味しながら、ルールベースとAIによる解析の両面から評価できるように設計。また、ユーザーの利用ログやアンケートの声をもとに、アジャイル開発でリアルタイムに改善を繰り返したことも特徴の一つだ。話し方や構成要素のパターンを捉え、AIによる評価の納得度や的確さを担保するために、定性・定量のユーザーデータやアンケートをもとにチューニングを重ねている。

指導の代替ではなく支援の共有
AIの新しい役割

『AI-m』は、高校生の進路だけでなく、教育現場における経験不足やマンパワー不足といった長年の課題にも正面から応えるサービスだ。「面接指導をしたくても、先生自身が面接官を経験したことがない」「何を教えればいいのかわからない」——そんな声が全国の高校から上がる中、『AI-m』は、まるで“もう一人の先生”のような存在として評価されつつある。

とくに、指導経験の浅い若手教員や、進路指導の体制が十分に整っていない学校にとって、このツールが担う役割は大きい。さらに、教員向けの管理画面では、生徒の練習履歴やフィードバック内容を確認できる機能も備えており、それをもとにした個別指導や声かけも可能だ。忙しい教員の業務を軽減しつつ、生徒支援の質を高める、そんな“教育現場にフィットする設計思想”が、随所に宿っている。

つまりこれは、単なるツールではない。まさにこれは「指導の代替」だけではなく、教員とAIによる「支援の共有」だ。限られたリソースで、最大限の学びを引き出すという、学校現場の問いに対する一つの答えである。

AI技術を誰もが活用しやすい形に仕立てたその背景には、「一人ひとりの可能性と向き合い、未来が見える世界をつくる。」というマイナビのパーパスが息づいている。教育現場のリアルな課題に向き合い、テクノロジーで支援するという姿勢は、決して一過性のものではない。

川原 慧子 氏

株式会社 マイナビ
未来応援事業本部 企画統括本部
企画運営統括部 コンテンツ運営部 部長

川原 慧子

年内入試サポートに強い
マイナビへ

『AI-m』は現在、第2期のリリースを経てさらなる進化のフェーズに向かっている。目指すのは「本番の面接に限りなく近い練習体験」だ。これまでも、「どうやって練習すればいいかわからなかったけれど自信がついた」「自分の話し方を客観的に見て初めて気づけた」「何度も練習して、胸を張って面接に臨めた」といったユーザーの声が、次々と現場から寄せられてきた。そうしたリアルな声を起点に、今後は音声対話型AIによる模擬面接や、小論文や志望理由書の添削機能など年内入試に必要な要素を統合的にサポートしていく予定だ。

また、ユーザーの利用ログやアンケートの声をもとに、アジャイル開発でリアルタイムに改善を繰り返すことも特徴の一つ。「高校生が不安に感じる“最初の一歩”を、やさしくしっかり支えたい」、そんな思いをテクノロジーでどう実現するかをマイナビは大事にしている。

社会にはばたく“第一歩”を支える

「AI-mがあったから自信を持てた」「マイナビのおかげで進路が決まった」。そんな声が、日々の現場から届き始めている。面接に不安を抱える高校生にとって、「誰にも相談できなかったこと」「何から始めればいいかわからなかったこと」に一つずつ答えてくれる『AI-m』の存在は、ただのツールを超えた“伴走者”になりつつある。

「一人ひとりのキャリアを、点ではなく線で、面で、ずっと応援していきたい」それが、マイナビが目指すキャリア支援の本質だ。これからVUCAの時代で世の中が変わっていく中で、社会に出て自分の足で立ち上がれるまで伴走し続けられるマイナビであるためにも、高校生の進学・就職を支援することには大きな意義があるという。

AI戦略室では、AIを単なる技術としてではなく、人の可能性を引き出す手段として捉え、ユーザーに近い視点でのプロダクトづくりを重視している。
「社会的意義のあるテーマに取り組めることが、マイナビで開発に従事する魅力だと思います。AI戦略室のミッションは、AIを基軸としたプロダクトづくりと、AIを活用した生産性の向上が核にあります。『AI-m』もその一例ですが、それ以外にも社内でAI活用を進めているプロジェクトが多々あります。様々なサービス開発が人の可能性に向き合える仕事です。そんな仕事ができることがうれしいです」(三木氏)

高校生と高等学校を対象に事業を展開している未来応援事業本部としても、生徒や学校が抱える社会的課題に対し、このプロダクトを通じて価値を提供したいという思いは強い。そして、このようなプロジェクトが「教育×AI」の領域で着実に成果を出すことは、マイナビが掲げるデジタル戦略にとっても大きな意味を持つ。

「現代は少子化への憂慮もあり、入試の状況は大きく変化しています。高校は、未来の社会を担う生徒たちが大事な3年間を過ごす場であり、大事な進路を決める場所です。マイナビのこのサービスが生徒たちをサポートし、頼れる存在でありたいと思います。マイナビは情報サービスに強い印象があるかもしれませんが、今は情報だけでは足りないと思っています。物理的な課題が学校には多いので、マイナビが役立つサービスを提供できる会社だと思ってもらえるようがんばりたいです」(川原氏)

人材・キャリア領域で蓄積してきた知見と、教育現場でのリアルな課題を結びつけ、新しい価値を提供する。『AI-m』は、その実証的な第一歩として、未来の進路支援のあり方を提示している。

動画面接練習サービス「AI-m」

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