NamiTech日本支社設立オープンセレモニー

ベトナムでトップクラスの音声AIソリューション企業
ナミテクノロジーの日本法人が設立セレモニーを開催

──高い品質が求められる日本市場での戦略を語る

NamiTech日本支社設立オープンセレモニー

2025年6月5日、ベトナムのAIスタートアップであるナミテクノロジーの日本法人、ナミテクノロジー・ジャパンの設立を記念したオープンセレモニーが、東京ミッドタウンのカンファレンスルームにて開催された。当日は、顧客企業や取引先、日本貿易振興機構(ジェトロ)、ベトナム大使館の関係者のほか、報道関係者など多くの来賓が集まり、同社の日本市場におけるビジョンと革新的な音声AI技術に触れる機会となった。

世界中の人々に
最先端の音声AI技術を届けたい

 ナミテクノロジーは2022年に設立されたAI音声認識技術に強みを持つテックベンチャーで、設立からわずか3年で約70人規模の、ベトナム国内でトップクラスの音声AIソリューション企業に成長している。

 世界中から集められたベトナム人のAI科学者たちが開発した先進的なAI技術は、コールセンターをはじめ、自動車の自動運転、産業用ロボット、AI搭載デバイスなどの分野に提供され、東南アジア最大のITサービス企業であるFPTなどの支援を受けて成長してきた。

 最初に登壇したナミテクノロジーのCEOであるグエン・タン・ラム氏は「音声は最も自然なコミュニケーションの手段ですが、AIにとっては困難な領域です」とその難しさを指摘する。現実世界では雑音が飛び交い、理想的な環境で行われる会話はわずかに12%しかない。

グェン・タン・ラム氏

ナミテクノロジー
CEO
グェン・タン・ラム

 「当社は音声AIにおける二つの重要な課題解決に注力しています。現実世界にある“ノイズギャップの克服”と、60億人以上が話す英語以外の言語への対応という“グローバル言語ギャップへの対応”です。これらのギャップを埋めて世界中の何十億もの人たちが最先端の音声AI技術にアクセスできるようにすることが私たちの使命です」(ラム氏)。

 同社のソリューションはモノラル録音にも対応可能で、コールセンターにおけるスケーラブルなAI導入を実現する。デジタルチャネルから対面窓口までどんな環境にも対応でき、すでにベトナムの6大保険会社の70万人以上の保険営業担当者に利用されている。

 その同社では創業時から日本市場を重視してきた。ラム氏はFPTソフトウェアの創業メンバーの1人であり、日本市場を熟知する。「日本が求める最高水準に応えるために技術を開発し、急速にキャッチアップして現在では次の時代へ向けた構築へと進んでいます」とラム氏は語る。

 同社は日本市場に4社の戦略的パートナーがあり、すでに20社以上のクライアントを獲得している。BPOやコールセンターの市場が拡大し、高齢化と労働力不足という社会課題を抱えながらも高度な技術インフラを持つ日本市場を最も有望な市場の一つとして捉えている。日本法人の設立は同社の決意の表れだといえる。

“音声×AI”をキーワードとする
4つのソリューション

 続いてナミテクノロジー・ジャパンのビジネスデベロップメントディレクターの大西真太郎氏から同社が開発して提供している4つのソリューションと具体的なユースケースが紹介された。キーワードは“音声×AI”だ。

大西 真太 氏

ナミテクノロジー・ジャパン株式会社
ビジネスデベロップメントディレクター
大西 真太郎

 最初に紹介したのはコンタクトセンター向け音声AIソリューション「ナミセンス(NamiSense)」。通話から得られる膨大な音声データからインサイトを引き出し、音声データを価値ある資産に変えるという発想から生まれた。

 機能としてはリアルタイムな文字起こしと話者たちの感情分析、不適切な発言をチェックするコンプライアンス評価、さらに日本語に特化して開発された音声認識エンジン、オペレーターの稼働状況や指標をリアルタイムで把握して、ライブでの指示出しもできるスーパーバイザー向けダッシュボードなどが提供される。

 大西氏は「コンタクトセンターの管理者は全体のパフォーマンス、サービス品質、顧客の声を一元管理できるようになり、サービス品質の向上を図ることができます」と話す。

 2つ目は音声による本人認証を実現するための声紋認証ソリューションの「ボイスDNA(VoiceDNA)」。声紋認証によって、名前や住所、生年月日の確認が省略でき、PINやパスワード、セキュリティーに関する質問も不要になる。

 コンタクトセンターが受けた顧客の電話の自然な会話の中から、わずか10秒で音声サンプルを取得して声紋を登録しておくことで、次回からはオペレーターの会話中に登録済みの声紋と照合して本人確認が完了できる。

 「顔認証が困難な場合でもAIが生成した音声を使って音声による高い精度を維持できるので、なりすましを防ぐこともできます。スムーズな認証を実現し、顧客体験を大幅に向上させます」と大西氏。他のシステムとの連携も容易で、入退室管理やオンラインバンキング、モバイルアプリなどの用途に対応できる。

 3つ目が会議AIエージェントの「ナミインテリジェンス(Nami Intelligence)」だ。会議の録音、文字起こし、要約、話者の識別などを自動で行う。「議事録はワンクリックで作成されるので、効率化と正確性が向上し、時間をもっと価値のある活動に割り振ることができます」と大西氏は話す。

 ZoomやTeamsなどのオンライン会議にも対応し、拡張機能を有効にすることで自動で記録できる。クラウド版に加えて、プライベートネットワーク、ネットワークがない環境にも対応しているので、高い機密性が求められる会議にも使用でき、テンプレートを使い分けることで、あらゆる会議形式にも対応が可能だ。

 最後の4つ目はノイズを除去するAIソリューションの「クリスタルサウンド(CrystalSound)」。リアルタイムで双方向のバックグラウンドのノイズを除去し、クリアな会話を実現するノイズキャンセリングデスクトップアプリである。最先端のディープラーニング技術によって、録音済み音声を含むあらゆるタイプのノイズを高精度で除去する。

 自分の声だけを明瞭に抽出するマイボイスオンリー機能、高レベルでセキュリティーを確保するローカル処理、ノイズや声のトーンを調整するリアルタイム音声調整などの機能が提供され、仮想デバイスとしてオンライン会議ツールやコンタクトセンターソリューションとも連携でき、管理者はライセンスの扱いやモニタリングも一元管理できる。

 「今後も多言語対応、リアルタイム感情分析、カスタマーハラスメント検知、高齢者対応など、コンタクトセンター向けの機能や会議AIエージェント機能など、パートナーと一緒に開発に取り組み、共に日本の未来を明るくしていきます」と大西氏は語った。

期待が高まる
日本での高品質なサービスの実現

 その後、来賓である顧客やパートナーからの祝辞が続いた。最初に登壇したのはナミテクノロジーの戦略的パートナーとして日本国内でのソフトウェアの販売をサポートするコミュニケーションビジネスアベニューの代表取締役の柴山浩氏だ。

 柴山氏は「グエン・タン・ラムCEOとの会話から日本市場に対する強いコミットメントと、日本で受け入れられる品質の製品を作れば世界で戦えるという決意を聞いて、ぜひ一緒に仕事をしたいと思いました」と想いを語った。

柴山 浩 氏

株式会社コミュニケーションビジネスアヴェニュー
代表取締役社長
柴山 浩

 また名古屋に本社を構える都市ガスや電気を供給するエネルギー企業である東邦ガスの長谷川順一氏は「コールセンターの再構築を検討していた時に、FPTからの紹介でソリューションを検討し、技術力の高さとソリューションに魅力を感じて、ナミセンスの採用を決定しました」と話す。

 ナミセンスによって応答品質の向上と業務の効率化を実現し、顧客の期待を超えるサービスの提供につなげることが狙いだ。

長谷川 順一 氏

東邦ガス株式会社
長谷川 順一

 昨年創立125周年を迎え「ロートは、ハートだ。」という新たなコーポーレートスローガンを掲げるロート製薬の佐藤和恵氏は「パートナー企業とは対等の立場で、関係性を非常に大切にしています」と同社のスタンスを取り上げ、ナミテクノロジーとの交流への期待を語った。

 同社ではナミセンスを導入し、気付きを得る上で非常に役立っているという。佐藤氏は「特に文字起こしと要約はお客さまの声をリアルタイムで反映できる点が魅力的です。今後も一緒に新しいことにチャレンジしていきます」と語った。

佐藤 和恵 氏

ロート製薬株式会社
佐藤 和恵

 最後に登壇したのはパートナーでもあり、支援者でもあるFPTジャパン代表取締役社長のド・ヴァン・カック氏。同社の創業時からラム氏と共に働いた経験を語り、日本法人の活躍にエールを送った。

 カック氏は「ナミテクノロジーはAI音声の分野でベトナムで素晴らしい実績を上げています。その同社の本格的な日本進出を戦略的パートナーとしても投資家としても心から歓迎し、今後も連携しながら日本のお客さまに高品質なソリューションを提供していきます」と語った。

ド・ヴァン・カック 氏

FPTジャパンホールディングス株式会社
代表取締役社長
ド・ヴァン・カック

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