未来ビジネスを創るテクノロジーの力/NTTテクノクロス Xの要となるコンタクトセンターを高度化 顧客/従業員満足度や売上向上に貢献

コンタクトセンターはセールスやアフターサービスを担う重要な拠点だ。
その応対品質が売り上げや企業イメージを左右する。
CX(顧客体験)の向上を主力事業の1つとするNTTテクノクロスは、
多様なコンタクトセンターソリューションを提供している。
それによってコンタクトセンター業務はどう変わり、
どのような価値提供が可能になるのか。
ここでは同社の取り組みを通して、CXの要となる
「新しいコンタクトセンター」の姿について考えてみたい(聞き手:日経BP 総合研究所 小林 暢子)。

CX事業の一環としてコンタクトセンターの変革を支援

技術のコモディティ化が進み、消費者のニーズは「モノ(製品)」から「コト(体験)」へシフトしつつある。製品を売って終わりではなく、その後も満足度の高い価値を提供し続ける。CXの向上はこれからの成長戦略に欠かせない要素だといえるだろう。

こうした考えのもとCXを中核事業の1つに位置付けているのがNTTテクノクロスだ。「お客様との接点を増やし、その思いや行動を理解する取り組みが一層重要になっています。当社は最先端技術を活用し、最適かつ迅速なCX向上策の実現を支援しています」と同社の松重 憲一氏は語る。

同社のCX事業の大きな特長――それは、CXとEX(従業員体験)を表裏一体の関係と捉えている点だ。「従業員が効率的に生産性高く仕事ができれば、より良い顧客対応が可能になり、顧客満足度が上がる。従業員の働きがいもアップし、それがさらなるCX向上につながるという好循環が生まれます。このサイクルを継続的に回していくことが重要だと考えています」と松重氏は強調する。

NTTテクノクロス株式会社 カスタマーエクスペリエンス事業部 第一ビジネスユニット長 松重 憲一氏
NTTテクノクロス株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部
第一ビジネスユニット長
松重 憲一
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CX事業の中でも特に力を入れているのが、顧客や消費者の応対を担うコンタクトセンター関連製品の展開だ。以前はインバウンド/アウトバウンドの電話応対が主だったことからコールセンターと呼ばれたが、デジタル化の進展に伴い、コミュニケーション手段が多様化。電話に加えて、メール、Web、SNS、チャットなどデジタルチャネルによる応対が不可欠となっている。多様なチャネルを持つことから、近年はコンタクトセンターと呼ばれることが多い。

コンタクトセンターのオペレーターは多様なチャネルで寄せられる顧客の“声”に応対しなければならず、その業務は複雑化している。オペレーターを管理するSV(スーパーバイザー)やマネージャーの負担も大きい。「新人の教育カリキュラムが多様化し、現場配属後も顧客応対に問題がないか確認が必要です。数十席、数百席のコンタクトセンターになると、それらの作業量は膨大なものになります」とNTTテクノクロスの松井 一比良氏は述べる。

チャネルは多様化しても、顧客情報は一元管理が必要だ。顧客はどのチャネルから問い合わせしてくるか分からないし、応対するオペレーターも専属というわけではない。昨今はWebで下調べしてから問い合わせるなど、顧客は事前情報も豊富に持っている。「前回の問い合わせ内容や履歴が共有されていないと、お客様は一から説明を求められ、イライラが募る。クレームの場合は火に油を注いだり、ブランドイメージの低下にもつながったりしかねません」と松重氏は指摘する。コンタクトセンターはデジタル時代に対応した進化が求められているわけだ。

ただし、その進化は言葉で表現するほど容易なことではない。コンタクトセンターは音声コミュニケーションを実現するPBX(構内交換機)やIVR(音声自動応答システム)、顧客情報や応対情報を一元的に管理するCTI(コンピュータと電話・FAXを統合する技術)やCRM(顧客関係管理)、情報を守るセキュリティなど多様なシステムの組み合わせで成り立っている。つまり、それぞれの顧客ニーズに最適な形でコンタクトセンターを提供するには、広範なシステムレイヤーをカバーする必要があるわけだ。

NTTテクノクロス株式会社 カスタマーエクスペリエンス事業部 第二ビジネスユニット 統括マネージャー 松井 一比良氏
NTTテクノクロス株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部
第二ビジネスユニット 統括マネージャー
松井 一比良

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最先端のAIや音声認識技術で高品質な顧客応対が可能に

それを一気通貫ですべてカバーできるのがNTTテクノクロスの大きな強みだ(図1)。なぜそうした事業ポートフォリオを提供できるのか。それは同社の前身となるNTTソフトウェア時代を含め、20年以上に渡るコンタクトセンター構築経験があり、実績も豊富であることが大きい。また最先端技術を研究開発するNTTの研究所と密に連携し、常に新しい価値提供にも努めているという。

CX事業の中でCX/EX向上サイクルの中核になるのが、コンタクトセンターソリューション「CTBASE(シーティーベース)」と音声認識AIソリューション「ForeSight Voice Mining(フォーサイト・ボイス・マイニング)」(以下、FSVM)である。

図1 コンタクトセンターにおけるCTBASEとFSVMの役割

図1 コンタクトセンターにおけるCTBASEとFSVMの役割
日経BP 総合研究所 チーフコンサルタント 主席研究員 小林 暢子
日経BP 総合研究所
チーフコンサルタント 主席研究員
小林 暢子

CTBASEは高度なコンタクトセンターの構築や運用を実現するソフトウエアシリーズ。着信呼を自動で振り分ける「Intelligent Router (インテリジェントルーター)」、混雑時の機会損失を防ぐ「afuRe:Call(あふれコール)」、応対業務のエフォートレスを実現する「AgentProSMART(エージェントプロスマート)」、様々な予測分析が可能な「InsightViewer(インサイトビューア)」などがある。これらのシリーズにはNTTの研究所が開発した音声認識技術が活用されている。モジュール型構成となっているため、必要なソフトウエアを選んで使うことも、複数を組み合わせたソリューション構築も可能だ。既存のPBXやCTI、CRMとも柔軟に連携できる。

 組み合わせて活用することで、顧客を軸にしたタイムリーな応対が可能になる。「例えば、お客様がコンタクトセンターに電話すると、AIボットが自動で応答。用件を話すだけで、最適な部門や担当者にコールを自動で振り分けます。オペレーターが塞がっている場合は、システムが用件をヒアリングした後、コールバックによってお客様につなぎます。生成AIを活用し、応対内容を自動でテキスト情報に要約することも可能です。オペレーターのアフターコールワークを劇的に効率化します」と松重氏は説明する。

顧客情報や応対履歴の一元管理も可能だ。実績に基づく呼量予測、オペレーターのシフト管理の自動化により、最適な人員配置も効率化できる。

一方のFSVMは、NTTの研究所が独自開発したディープラーニングに基づく音声認識技術を活用したコンタクトセンター向けAIソリューションだ。コンタクトセンターにおける膨大な量の通話音声をリアルタイムかつ自動でテキスト化。しかもそのテキストを分析し、オペレーターが適切なアクションを取れるように支援するのだ。

「例えば、お客様の発した言葉に対するセールストークをFSVM がリアルタイムにハイライト&レコメンド。オペレーターに自発的な提案を促すことでアップセル・クロスセルの成功率を高めるのです」と松井氏は語る。

新人教育を効率化し、効果的なカスハラ対策も可能に

オペレーターのスキルは言語化することが難しい。高評価の応対品質や、高い成約率を有するベテランは何が違うのか。その応対を言語化できれば、「言い回し方や何をどのタイミングで話すか」といったことを把握しやすい。「そうした応対の言語化を実現する機能がFSVMにはあります。高い成約率を有するオペレーターの会話にどのような特徴があるのかを抽出。これを他のオペレーターに水平展開することにより、組織全体のパフォーマンスを高めていくことが可能になります」(松井氏)。

FSVMにはNGワードの登録・検出機能もある。オペレーターがNGワードをつい口にしてしまった場合、即座にフォロー指示することで、顧客の誤解やクレームを回避できる。

大きな社会問題化しているカスハラ(カスタマーハラスメント)対策も可能になる(図2)。「会話の流れから理不尽な要求や誹謗・中傷を検知します。その場合は応対をベテランやマネージャーにエスカレーションし、毅然とした態度でオペレーターを守れます」と松井氏は語る。

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図2 カスハラ検知のイメージ

クレームやカスハラに相当する発言をリアルタイムに検知し、SVやマネージャーにアラートを送信。通話中でも適切なフォローアップができる。該当する通話件数を集計し、ケアが必要なオペレーターを特定することも可能だ

図2 カスハラ検知のイメージ

FSVMは会話のリズムや言葉遣いの変化などから、抑制された感情を検知する機能もある。相手が感情的になる前に対応を指示することで、カスハラの芽を事前に摘むことができる。お客様がなぜ不満や怒りを覚えたのか。感情変化を応対後に分析し、その結果をフィードバックすることで、オペレーターの経験値も上がる。

「オペレーターのスキルアップを図りCX向上につながるだけでなく、不快な思いやストレスの軽減にもつながる。働きやすさや働きがいが向上し、離職率が高いとされるオペレーターの定着率向上につながります」と松井氏は続ける。

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クロスセルや解約阻止の取り組みで期待以上の効果

CTBASEシリーズの1つであるInsightViewerとFSVMの組み合わせで、より高度な分析も行える(図3)。「テキスト化された通話情報に加え、Web、SNS、店舗など多様なチャネルから得られた問い合わせ情報、属性情報、行動情報を可視化し、AIの力で分析する。これによって購買意欲の高そうなお客様、あるいは解約しそうなお客様などを予測できるのです」(松重氏)。

図3 CTBASE/InsightViewer

従来は分析結果の数値を専門家が読み解く必要があったが、CTBASE/InsightViewerは分析結果を生成AIが解説してくれる。予測分析の判断理由や改善提案も示されるので、適切なアクションを迅速に行える

図3 CTBASE/InsightViewer
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分析結果は生成AIが分かりやすく解説する。これを活用することで、あるメーカーは新商品のクロスセル率5%向上の目標に対して、3カ月で約13%を達成。2カ月で解約抑止率2%向上の目標に対して、その3倍にあたる約6%向上を達成した。

NTTテクノクロスはシステムを提供するだけではない。その根底には顧客の期待以上の成果を創出する「カスタマーサクセス」という考えがある。「応対サービスの品質を維持・向上させるためには、その実践状況をチェックし、改善し続けることが大切です。お客様自身が成功体験を得られるようなカリキュラムを作成し、運用定着や成果の創出に向けて伴走支援します」と松重氏は力を込める。

導入実績も豊富にある。ロードサービスを提供するJAF(日本自動車連盟)、オフィス用品通販大手のカウネットなど業界を代表する企業/組織が数多く利用している。約25年に及ぶ提供実績を持つCTBASEシリーズは500拠点/1万6,000席、FSVMは500拠点/5万6,000席以上の導入実績がある。

コンタクトセンターは顧客と企業をつなぐ重要な拠点だ。その応対品質が企業イメージに直結する。クレームや問い合わせに応じるだけでなく、戦略的な取り組みによって、収益や企業価値を高めるプロフィットセンターになる。

今後もNTTテクノクロスではCX及びEXの観点からコンタクトセンターの高度化を幅広く支援し、顧客の期待を超えるカスタマーサクセスの実現に貢献していく考えだ。

小林 暢子/松重 憲一氏/松井 一比良氏
関連リンク

NTTテクノクロス株式会社
https://www.ntt-tx.co.jp/