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「ナノイー(帯電微粒子水)」は人体に作用するのか アカデミアと連携し効果を検証 集中力向上、そして花粉症状抑制の効果を実証 「ナノイー(帯電微粒子水)」は人体に作用するのか アカデミアと連携し効果を検証 集中力向上、そして花粉症状抑制の効果を実証

2026.02.13

Supported by Panasonic

パナソニック株式会社(以下、パナソニック)が長年にわたり研究・開発を続ける独自技術の「ナノイー(帯電微粒子水)」。これまでウイルスや菌の抑制など「モノ」軸で効果検証を重ねてきたこの技術が、新たに「ヒト」への直接的な効果をより広く捉え直すフェーズへと突入した。このたび発表された2つの画期的な検証を通じ、ナノイー(帯電微粒子水)技術が目指す次なる価値創出について掘り下げていく。

目に見えない価値を届けるため、
数々の効果検証で信頼を蓄積

“空気の質”を担保するパナソニックの独自技術、それがナノイー(帯電微粒子水)だ。有害物質に強く反応するOHラジカル(高反応成分)を大量に含む微粒子イオンであり、本来短寿命であるOHラジカルを水で包むことで長寿命を実現した。その結果、空間中を広がりやすくなり、部屋の隅々まで届いて効果を発揮する。サイズは5〜20ナノメートルと極めて小さく、もちろん目には見えない。だが、ナノイー(帯電微粒子水)が含有するOHラジカルがウイルス※1・菌※2の抑制や脱臭※3に効果を発揮し、 顧客の“くらしの安心”を支えている。

※ナノメートルは100万分の1ミリメートル

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
主任技師
小村 泰浩氏

そもそもは1997年、旧通産省のプロジェクトに取り組む中で研究がスタートした。前人未到のナノテクノロジーだけになかなか成果が出ず、一時は研究中止寸前まで追い込まれたが、当時の研究所長の英断によって続行。2003年には初めての水補給式による発生デバイスが完成し、2005年には現在へと連なるペルチェ式の発生デバイスが誕生した。

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
主任技師
小村 泰浩氏

こうして確立された発生技術は、その後も改良が進み、現在では幅広い環境で利用されるまでに発展している。

並行して、パナソニックではナノイー(帯電微粒子水)技術の効果検証を継続してきた。これまでに抑制効果が確認できたものだけでもウイルス・細菌、新型インフルエンザウイルス※4、ペットに関するアレルゲン※5、PM2.5含有成分の分解※6と黄砂付着真菌※7、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)※8、寝具中のダニアレルゲン※9などが挙げられる。

2008年の入社以来、ナノイー(帯電微粒子水)技術研究一筋に歩んできたパナソニック くらしアプライアンス社の小村泰浩氏は、効果検証を通して蓄積されてきた知見や信頼について次のように語る。

長年にわたりナノイー(帯電微粒子水)の効果検証を続け、蓄積してきたパナソニックの知見をもとに、時代やニーズを見据えて社会課題解決に向けた活用を考えてきた

「ナノイー(帯電微粒子水)がここまで認知されるようになった背景には、その時々の社会課題にいち早く向き合ってきたことが大きいです。例えば新型インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどに関しても早期から取り組んで検証し、結果を発表してきました。時代やニーズに合った答えを出してきたことが、今につながっているのだと思います。ですから当社は先々を見据える意識を常に持ち、ずっとアンテナを張り続けています」(小村氏)

長年にわたりナノイー(帯電微粒子水)の効果検証を続け、蓄積してきたパナソニックの知見をもとに、時代やニーズを見据えて社会課題解決に向けた活用を考えてきた

くらしアプライアンス社では、ナノイー(帯電微粒子水)技術の効果を次なるフェーズへ押し上げようと新たな領域に挑んでいる。掲げるテーマは「ヒト作用への拡がり」。今回紹介する「運転中の集中力向上検証」と「ヒト臨床試験における花粉症状への有用性実証」は、その姿勢を具現化したものだ。画期的な2つの取り組みは、まさに「モノ」軸から「ヒト」軸へと転換を図った第一歩である。

「ぼんやり運転」は死亡事故原因の第1位
ドライバーの集中力をいかに高める?

交通事故の多くは、ドライバーの認知や判断、操作の誤りによる人為的ミスが原因だ。中でも運転中の注意散漫に起因する「ぼんやり運転」は法令違反別死亡事故原因の第1位であり、これは警察庁の統計でも裏付けられている。

もしかすると、運転中のドライバーにナノイー(帯電微粒子水)が作用することで集中力を高められるのではないか。くらしアプライアンス社の岡田俊宏氏はそう考え、インド工科大学ボンベイ校(以下、IITB)交通システム研究室の教授にアプローチした。

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
主任技師
岡田 俊宏氏

「ナノイー(帯電微粒子水)がヒトに対してどのような効果があるのか。チームで議論する中で出てきたテーマが、日常生活に密接に関わる“クルマの運転”でした。それを踏まえて世界中の論文をリサーチしたところ、IITB交通システム研究室の教授が人間心理や置かれた状況、そして運転パフォーマンスを組み合わせて研究されているのを発見したのです。そこで私たちの仮説を立証すべく、彼らに科学的な検証をお願いしました」(岡田氏)

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
主任技師
岡田 俊宏氏

検証ではドライビングシミュレーターを用いて、インド在住の21歳~42歳の男女20人を対象に行った。具体的にはナノイー(帯電微粒子水)を発生させた状態、発生させない状態で脳波およびアイトラッキングの生体データ、アクセルやブレーキなどの運転データを取得。これをもとに運転タスクの一連のプロセスを科学的に分析したところ、ナノイー(帯電微粒子水)の技術が集中状態の高まり、視線行動の安定化などを支援する可能性が確認できたという。

IITB交通システム研究室教授監修のもと、ナノイー(帯電微粒子水)が運転者に対する集中力向上の効果を検証する際の様子

研究室にて、ナノイー(帯電微粒子水)発生中の様子をモニターから確認する様子

「これまでにも多様な環境で、清潔に関わる様々な効果を検証してきました。しかし今回は空気の清浄ではなく、ナノイー(帯電微粒子水)が本当にヒトに作用しているのかを計測することが狙いだったため、根本が異なります。IITB教授の協力によって、集中力の向上が示唆されたことは大きな成果です」(岡田氏)

研究室にて、ナノイー(帯電微粒子水)発生中の様子をモニターから確認する様子

今はまだ入口であり、機序(作用のメカニズム)解明含め日本国内でも更なる研究をしていく予定だ。しかし、未知の領域に対して足を踏み出したことは間違いない。「集中力が向上する兆しが見えたことで、今後の適用範囲も拡大します。例えば受験勉強やオフィスワークなどへの活用が考えられます」と岡田氏は意欲を見せる。

スギ花粉による鼻症状の自覚がある101人を対象に検証
統計的に有意な差を得る

2つ目の検証テーマは“花粉症状”。過去にも花粉内部のアレルゲン抑制効果、細胞レベルにおける花粉アレルギー反応の抑制効果を発表してきたが、今回は実際にスギ花粉による鼻症状の自覚があるヒトを対象にしたのがハイライトだ。花粉症状の「ヒト臨床試験」で、ナノイー(帯電微粒子水)の有用性が示されたのである。

試験は花粉症研究の権威、福井大学医学部附属病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科の藤枝重治教授協力のもとで実施した。チャレンジを牽引した小村氏は、その経緯を次のように振り返る。

「ナノイー(帯電微粒子水)がさまざまな対象物で効果を示してきたことは、確かな事実としてありました。ただし、その結果をお客様が価値として享受しているかどうかは分かりませんでした。ウイルスを抑えても、感染しないとは言い切れませんから。私はヒトに対する効果検証が必要だと言い続けてきましたが、ハードルが高く、なかなか実現しませんでした。そうした折にパナソニックと共同研究の土台を築いていた福井大学とつながり、まさに千載一遇のチャンスと考えて取り組みを開始しました」(小村氏)

検証はスギ花粉による鼻症状の自覚がある101人を対象に、実使用に近い空間で行われた。屋外の自然飛散花粉を取り込んだ約20畳の部屋に、最大で5人の花粉症患者が3時間滞在。参加者には自由に過ごしてもらい、試験を意識しすぎないように配慮した点もポイントだ。その上でナノイー(帯電微粒子水)発生のあり・なしを意識させない二重盲検法によって1時間ごとにアンケート形式で症状について回答してもらい、時間経過に伴う変化を確認した。

「“症状がまったくない”から“最悪”までの指標を設けて、アンケートではどのレベルかを答えていただきました。参加者は試験までに自然に花粉を吸いこんでいるので、すでに症状を発症しています。その状態を初期として、そこから時間とともにどう変化していくかを評価しています。結果として、ナノイー(帯電微粒子水)群で3時間後に症状が有意に抑えられることがわかりました。また、鼻づまりなどの特定の症状ではなく、花粉症状全般としての項目で実感を得ることができました。」(小村氏)

目に見えないため、心理的なバイアスがかからないのもナノイー(帯電微粒子水)の強みだ。運転の集中力向上同様、だからこそ完全なブラインドテストができる。藤枝教授は「効果の信頼性を高めるために被験者の思い込みや検証者の先入観を排した方法で行っており、ナノイー(帯電微粒子水)は、花粉症対策の新しい選択肢として期待できると考えています」とコメント。小村氏はナノイーの有用性に裏付けを得ることができたと自信をのぞかせた。

「花粉症対策でナノイー(帯電微粒子水)を使用しているお客様も少なくありません。しかし大学医学部と協力してエビデンスを示すことで、ナノイー(帯電微粒子水)の信頼度や価値はさらに高まるはずです。お客様のくらしに直接関わる技術ですから、ヒトに対していかなる効果があるのかを証明できたことに手応えを感じています。これからも藤枝先生の研究室を含め、アカデミアとの研究を進めていくつもりです。花粉だけに限らず、ヒトへの様々な作用を検証していきたいですね」(小村氏)

エビデンスが蓄積されれば、
可能性は大きく拡がる

くらしアプライアンス社の石上陽平氏は、発生デバイス開発に長く関わってきた人物だ。石上氏によれば、研究開発の中で、ナノイー(帯電微粒子水)自身で生体効果を得られないか?という議論は行われてきていたという。

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
上級主幹技師
石上 陽平氏
(ナノイー(帯電微粒子水)生成デバイスと共に)

「ただし、『ヒト』への直接作用は医療機器との兼ね合いがあってなかなか打ち出しづらく、これまでは『モノ』への訴求が中心でした。しかし2つの検証で、研究として一歩前進できたと思います。まだ不明な部分は多いですが、きちんとエビデンスを示して安心して使っていただくことが理想。そのためにも、これからも腰を据えて研究を進めていきたいと考えています」(石上氏)

パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社
くらしプロダクトイノベーション本部
コアテクノロジー開発センター
機能デバイス開発部
上級主幹技師
石上 陽平氏
(ナノイー(帯電微粒子水)生成デバイスと共に)

根底には「どうすれば、ヒトに対してナノイー(帯電微粒子水)の価値を提供できるか」を考え続けるメンバーの姿勢がある。

「日々の生活で感じたことに加え、学会などに赴いて社会課題を知り、自分以外の視点も取り入れています。その中から、ここに役立てるのではないかという提案を積極的に出し合い、いけそうだと思えばやってみる。そうして一つずつ着手しています」(石上氏)

グローバルでの市場開拓も担当する岡田氏は「世界に広めていく価値のある技術です。価値を正しく理解してもらうことで、グローバルでも選ばれる技術にしていきたい」と抱負を述べた。また小村氏は「ナノイー(帯電微粒子水)一筋で歩んできた私から見ても、まだまだ発展の余地はある。さらに進化させていくことが使命です」と語った。

詳細な身体への機序解明には医学的知見や臨床試験が必要となり、これから登る山は高い。だが、ヒトへの価値提供は、くらしに寄り添うパナソニックのお家芸でもある。ナノイー(帯電微粒子水)を浴びてウェルビーイングが向上する世界――それを実現するためにも、さらなる奮闘を期待したい。

※本検証は特定の試験条件下での結果であり、実使用空間での効果を保証するものではありません

※1:【試験機関】(一財)日本食品分析センター 【試験方法】試験室(約6畳)において布に付着させたウイルス感染価を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着したウイルス 【試験結果】8時間で99%以上抑制(第13001265005-01号) 試験報告書発行日:2013年2月11日 (試験は1種類のみのウイルスで実施)
※2:【試験機関】(一財)日本食品分析センター 【試験方法】試験室(約6畳)において布に付着させた菌数を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着した菌 【試験結果】8時間で99%以上抑制(第13044083003-01号) 試験報告書発行日:2013年6月14日 (試験は1種類のみの菌で実施)
※3:<タバコ臭>【試験機関】パナソニック ホールディングス(株)プロダクト解析センター 【試験方法】試験室(約6畳)において6段階臭気強度表示法により検証【脱臭の方法】ナノイーを放出 【対象】付着したタバコ臭 【試験結果】12分で臭気強度2.4低減(4AA33-160615-N04)。 / <汗臭>【試験機関】パナソニック ホールディングス(株)プロダクト解析センター 【試験方法】試験室(約6畳)において6段階臭気強度表示法により検証 【脱臭の方法】ナノイーを放出 【対象】付着した汗臭 【試験結果】1時間で臭気強度1.1低減(4AA33-151221-N01、Y16HM016)。
※4:【試験機関】国立大学法人帯広畜産大学 【試験方法】45Lの密閉容器内で直接曝露しウイルス感染価を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着したウイルス(Swine-origin influenza A/Narita/2009(H1N1)pdm) 【試験結果】6時間で99%以上抑制。 試験報告書発行日:2009年10月9日
※5:<イヌ由来アレル物質・ネコ由来アレル物質> 【試験機関】ITEA株式会社東京環境アレルギー研究所 【試験方法】45Lの密閉容器内で直接曝露しELISA法で測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】イヌ由来アレル物質、ネコ由来アレル物質 【試験結果】〈イヌ(フケ)〉1時間で99%以上抑制(11M-RPTAPR047_1)〈ネコ(フケ)〉2時間で98%以上抑制(11M-RPTAPR051_1)
※6:【試験機関】パナソニック ホールディングス(株)プロダクト解析センター 【試験方法】約6畳の試験室内で付着した有機物量を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【試験結果】〈芳香族カルボン酸:安息香酸〉約8時間で99%以上分解 (Y17NF096)〈アルカン:ヘキサデカン〉約16時間で99%以上分解。(Y17NF089)
※7:【試験機関】国立大学法人金沢大学 【試験方法】試験室(約6畳)において布に付着させた菌数を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着した菌 【試験結果】8時間で99%以上抑制(共同研究報告書) 試験報告書発行日:2013年3月28日 (試験は1種類のみの菌で実施)
※8:【試験機関】一般財団法人日本繊維製品品質技術センター 【試験方法】試験室(約6畳)において布に付着させたウイルス感染価を測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着したウイルス(SARS-CoV-2) 【試験結果】8時間で99%以上抑制(21KB080433-1) 試験報告書発行日:2021年10月25日
※9:【試験機関】パナソニック ホールディングス(株)プロダクト解析センター 【試験方法】試験室(約6畳)において深さ1cmの位置の布に付着させたアレル物質をELISA法で測定 【抑制の方法】ナノイーを放出 【対象】付着したアレル物質(ダニ由来) 【試験結果】24時間で99%以上抑制(H23YA028) 試験報告書発行日:2023年7月26日

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