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探究・校務改革
支援補助金2025
~探究的な学びの高度化、
教職員の校務負担軽減を目指す~
 教育現場では今、子どもたちの探究学習をより深化させたいという願いと、増え続ける校務負担への対応という二つの課題が同時に存在している。この状況を受け、経済産業省が実施するのが「探究・校務改革支援補助金2025」だ。ICT技術等を活用した民間教育サービスの事業者に対して経費の一部を補助することで、教育現場で民間教育サービスの活用を図り、課題解決のきっかけとする取り組みである。

重い校務と高度化する学習内容
~教職員が直面する理想と課題

 変化の激しい現代社会では、子どもたちの主体性や創造性、課題解決能力といった多様な資質・能力を育むことが求められている。特に新学習指導要領で重視される探究学習は、これらの力を育むうえで重要な役割を果たすものの、教職員にとっては指導方法や準備が新たな課題となっているのが現実だ。子どもたちの探究テーマは地域・社会の問題からAI技術の活用まで多岐にわたる。それぞれに個別最適なサポートを提供するためには、教員による支援に加え、外部と連携した支援が必要な場合もある。
 また、教員は授業準備に加えて校務処理や保護者対応、各種会議への参加など多様な業務を担っており、一人ひとりの児童・生徒に十分な時間を割くことが困難とされる。
 こうした学校現場の課題を受け、スタートしたのが「探究・校務改革支援補助金2025」である。本事業の目的について、経済産業省 商務・サービスグループ サービス政策課 教育産業室企画官の柳橋幸裕氏は次のように説明する。「日本の教員は諸外国と比較しても非常に多忙な状況にあり、民間ツールの活用で業務の効率化や負担軽減を図ることが重要です。同時に、地域の未来を担う子どもたちに多様な学びの選択肢が用意された環境を整備し、その可能性を最大限に引き出すことが大切であると考えます」。

経済産業省
商務・サービスグループ サービス政策課
教育産業室企画官

柳橋幸裕

審査を経て選ばれた
様々な支援サービス

 同様の目的をもつ事業は2021年から継続的に実施されている。当初は「EdTech導入補助金」として、2023年には「探究的な学び支援補助金」、2024年は「働き方改革支援補助金」と、それぞれの年度の教育現場のニーズに応じて名称と内容を調整しながら、着実に実績を積み重ねてきた。今年度は探究学習の高度化と教職員の業務負担軽減という2つの重要課題を支援する形で実施している。
 補助金の対象となるサービスについては、本事業の目的に沿っているサービスが審査によって採択されている。サービスを提供する事業者は様々で、ベンチャー企業をはじめとする中小企業が中心で、内容も革新的なものも多い。大手企業もコンソーシアムを形成すれば申請できるため、大手メディア企業とテック企業の協業などで生み出された従来にはないアプローチのサービスもある。
 「探究的な学びの高度化を推進するサービスか、業務負担の軽減を図るサービスかを専門家の目で見て審査し、一度限りの講演やイベントのみではなく、一定期間継続して利用できるものを採択しています。このため、安心してお使いいただけます」(柳橋氏)。

1
探究学習の質向上と校務改革

名称が「探究・校務改革支援補助金」と変更され、探究学習の質向上と教職員の校務負担軽減という2つの重要課題を支援することになった

2
対象サービスの多様性

起業家教育プログラムや生成AIを活用したサービスなどにより多彩な探究学習関連サービス、教職員の業務効率化・省力化を支援するサービスが追加されている

2024年度と2025年度での主な違いや変更点など

生成AIなどで効率的・効果的に
個々の学びと支援をサポート

 注目されるのは、ICT等を活用し、探究学習をより効率的にかつ深く行えるサービスが揃っていることだ。
 「たとえば、子どもたちが地球温暖化について調べたいというテーマを設定した場合、従来なら教員が調査の視点や情報収集の方法について個別に指導する必要がありました。しかし、探究学習用の生成AIサービスを使えば、課題設定から情報収集、整理分析の各段階で、それぞれの子どもに合った効果的な支援を提供できます」と柳橋氏は説明する。
 この他にも、ディスカッションやグループワークの発言量・発言バランスを自動集計し、振り返りを促すサービス、英語や国語の音読練習や発音チェック、会話練習などをAIがフィードバックするサービス、計算力やタイピング、プログラミング的思考をデジタル教材で育成するサービスなど、教育現場のニーズに応える多様なサービスが採択されている。これらは教員の指導を補完し、より深い学びへと導くための支援ツールとしての役割を果たす。
 そして、教職員の業務負担軽減については、単なる作業の効率化にとどまらない効果が期待されている。「現在、不登校の児童・生徒は増加の傾向にあり、子どもたちの状況に応じたきめ細かな支援を行っていく必要があります。そのためにも、教員の業務負担軽減につながるサービスを活用することにより、教師が本来注力すべき子どもたちとの対話や個別指導、創意工夫などをより充実させることが期待されています」(柳橋氏)。

課題解決の糸口の発見に活用
~効果報告や体験会などが今後続々

 本補助金で導入されたサービスの効果は、補助金を活用した民間教育サービス事業者に求められる効果報告レポート等が事務局ホームページで公開される予定である。そのため、サービス導入を検討する場合は効果や導入の障壁などの詳細な情報が今後手に入る見通しだ。
 また、今年7月から8月にかけて、仙台、新潟、東京、大阪、福岡の全国5都市で「探究・校務改革支援サービス体験会」が開催予定だ。この体験会では、教職員や教育関係者、民間事業者、教職員志望の学生など幅広い関係者が実際に採択された民間教育サービスに触れることができる。「民間教育サービスの具体的な活用方法や導入効果について関心をお持ちの方や、校務負担の改善や探究学習の高度化を検討されている方にぜひ参加していただきたい」と柳橋氏。体験会は同様の課題を抱える教育関係者の皆様との情報交換の場にもなる。「課題解決に向けた具体的なヒントを得る機会としてもぜひ活用していただきたいと思っています」(柳橋氏)。

全国5都市で開催決定|参加無料
探究・校務改革
支援サービス体験会
実践的な支援サービスを紹介、
触れることができる貴重な機会
福岡
2025年7月22日(火)
 福岡コンベンションセンター
仙台
2025年7月31日(木)
 仙台国際センター
新潟
2025年8月4日(月)
   朱鷺メッセ新潟コンベンションセンター
大阪
2025年8月19日(火)
 マイドームおおさか
東京
2025年8月21日(木)
 ベルサール新宿グランド

 仙台、新潟、東京、大阪、福岡の全国5都市で開催される「探究・校務改革支援サービス体験会」は、教職員や教職員志望の学生など、民間教育サービスに関心がある人々が実際に民間教育サービス事業者から話を聞き、サービスを体験できる貴重な機会だ。各会場では採択されたサービスの展示・デモンストレーションに加え、先進的な取り組みを行う教育関係者や有識者によるセミナー、トークセッションも実施される。

 開催期間は夏休み中の7月後半から8月下旬まで。参加費は無料だ。事前申込制のため、「探究・校務改革支援補助金2025」の公式ウェブサイトに設置された探究・校務改革支援サービス体験会のページから参加登録をする必要がある。

 各会場には、探究学習の高度化や校務改革のために先端的な民間教育サービスを導入することに意欲的な関係者等が一堂に集う。民間教育サービスの活用方法や校務改善に悩みがある場合、探究学習の高度化を図る必要がある場合には、悩みや意見を共有することもでき、サービスの導入に意欲的な事業者から意見や感想、他地域等での実績などを聞くこととも可能だ。ICT等を活用した教育現場の未来像を具体的にイメージすることにつながるイベントだ。

協力:探究・校務改革支援補助金2025事務局
Tel:03-6630-7366 受付時間:10:00〜
17:00(土・日・祝日を除く)