デジタル社会の進展に伴い、商品の売買や各種サービスの申し込みから契約、行政手続きなど、多様なサービスがネットで完結できるようになった。それに伴い、様々な課題が浮上している。特に問題となっているのが、“なりすまし”である。この課題を解決しオンラインで確実に本人確認ができるしくみとして、今注目を集めているのがマイナンバーカードなどの公的個人認証サービス(JPKI)だ。JPKIが求められる理由からメリット、活用のポイントなどを紹介する。

本人確認の厳格化は必須
企業に求められる対応とは?

“なりすまし”が引き起こす社会課題は多い。金融業界では、口座の不正開設を起因とするマネーロンダリング。人材業界では、なりすまし応募や経歴詐称リスクの増加。エンターテインメント業界では、チケットの高額転売や不正入場によるイメージの悪化などが挙げられる。TISで「マイナンバーカード本人確認サービス」を担当する村田智史氏は、その背景を説明する。「金融機関ではこれまでも一人一口座を基本に、厳しくなりすまし対策が行われてきました。しかし近年、各種証明書の偽造が容易になり、より強固な本人確認が求められるようになっています」。

TIS
金融事業本部 フィナンシャル事業部
ファイナンシャルビジネスソリューション部 副部長
村田 智史 氏

この課題を解決するために2025年2月、警察庁は「犯罪収益移転防止法(犯収法)」の改正を2027年4月に施行すると発表。本人確認方法をマイナンバーカードなどの公的個人認証サービス(JPKI)に原則一本化する方向が示された。この法改正に伴い、金融機関ではJPKIへの対応が待ったなし。企業としての信用にも関わり、未対応の場合は経営リスクとなりうる状況だ。エンタメ業界でもデジタル庁がライブイベントにおけるチケットの不正転売防止および業務効率化に向けたマイナンバーカード活用の実証実験を行うなど、JPKI活用の動きは各方面に及んでいる。

TIS
金融事業本部 フィナンシャル事業部
ファイナンシャルビジネスソリューション部 副部長
村田 智史 氏

足元の課題に加えて、社会全体の流れからもJPKIによる本人確認の厳格化は避けて通れないと、TISでデジタルサービスの戦略を担当する舘 康二氏は語る。「来たるべきフルデジタル社会では、現在はデジタルではできないサービスもデジタルで完結することが予想され、国もその方向に動いています。例えば車庫証明や車検、不動産登記、卒業証明など、より高額な動産・不動産や機微情報に関わる重要な証明などです。当社もそれらの活用に向けた基盤となるブロックチェーンや分散データベースを活用したプラットフォームを展開していますが、利用する際の認証のハブとして、JPKIの重要性はますます高まっていきます」。

マイナンバーカードを
利用するからこそのメリットとは?

顔写真とICカードを内蔵した公的な証明書には、マイナンバーカード以外にも運転免許証やパスポートがあるが、いずれも取得に費用がかかる。すなわち現在の日本で、無料で入手できてオンラインでも厳格な本人認証ができる証明書はマイナンバーカードのみだ。マイナンバーカードの普及率は2025年4月末時点で78.5%と徐々に高まっており、社会の要請に応えるためにも対応に本腰を入れるべき時がきている。

TIS
エグゼグティブフェロー
デジタルイノベーション事業本部 デジタルイノベーション事業部
舘 康二 氏

一方で顧客に向けたサービスだけに、これまでと異なる方法に切り替えるリスクを感じて二の足を踏む企業もあるようだ。顧客が操作に迷って離脱につながるといったケースである。しかし、現在多く利用されている写真付証明書の画像と容貌の画像を使って照合する方法では、目視による確認が必要となり効率が悪い。画像の真正性も不十分といえる。JPKIを活用すれば、はるかに真正性の高い認証をオンラインで完結できるようになり、顧客の手続き負荷が軽減するうえ、企業が処理を効率化できるというメリットもある。

TIS
エグゼグティブフェロー
デジタルイノベーション事業本部 デジタルイノベーション事業部
舘 康二 氏

デジタル庁の調査によると、口座開設時の本人確認業務において従来の方法とマイナンバーカードによるJPKIを活用した方法に要するコストを比較した結果、証券会社A社での外注費用が約6分の1に、銀行B社と資金決済業C社でのコストがそれぞれ約3分の1に軽減した。確認に要する時間も、B社で約2分の1、C社では数時間から即時に短縮と、スピードも大きくアップしている。

これだけの効率化に加えて会社の信用度という観点からも、もはや対応しないという選択はないだろう。慣れない手続きに顧客が迷わないようユーザビリティーに考慮する必要はあるが、犯収法改正を控えた金融業界はもちろん、他業界でも対応を進める必要がある。

導入支援からアプリ作成、サポートまで
一気通貫で提供

JPKI活用に向けてTISが提供するサービスが、「マイナンバーカード本人確認サービス」である。JPKIを利用するには、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)と連携し、電子証明書の有効性を確認する必要がある。それを行うには主務大臣の認定を受ける必要があり、認定を受けたプラットフォーム事業者が22社ある(2025年5月1日時点)。TISはその1社であり、「マイナンバーカード本人確認サービス」を自社アプリなどに組み込むことで、容易にJPKIを利用する環境を実現する。

TISは、マイナンバーカードのICチップを読み取るライブラリ(インターフェース)、および電子証明書の有効性を確認するプラットフォームを提供する

本人確認を行う際に必要となるスマートフォンアプリについても、TISではiOS用とAndroid用のライブラリを用意しており、両方のOSに対応したアプリへの実装が容易に実現する。デジタル庁のデジタル認証アプリを利用する場合、企業はデジタル庁への利用申請およびデジタル庁での審査が必要になるが、TISは申請サポートを実施する。村田氏は「導入支援から自社アプリとの連携や新規アプリの作成といったシステム構築支援まで、一気通貫で提供します。お客様の導入までしっかりとサポートしていくので、安心してご相談ください」と語る。

より便利で豊かな社会の認証基盤

「マイナンバーカード本人確認サービス」は、ある自治体にて、ユーザーが新規登録する際の本人確認や各サービスのログイン認証に採用された。マイナンバーカードを使えばリーダーにタッチするだけで認証が完了し、住所を確認することで確実に対象地域の住民だと確認できる。その認証システムを容易に実装できることから本サービスが採用された。

また、TISが提供する健康情報を管理・共有・活用するためのアプリ「ヘルスケアパスポート」でも利用されている。TISは事業を通じて「金融包摂」「健康問題」「都市への集中・地方の衰退」「低・脱炭素化」の4つの社会問題解決に取り組んでいる。「ヘルスケアパスポート」を、健康問題を解決する一助として提供しており、自治体との連携実績もある。舘氏は、「社会インフラに近くセンシティブな情報を扱うヘルスケアパスポートでは、本人確認が極めて重要です。それをマイナンバーカード本人確認サービスが担っています」と述べる。

JPKIの活用に向けて、村田氏は「マイナンバーカードやJPKIはとっつきにくいという印象があるかもしれませんが、導入はさほど難しくはありません。また、マイナンバーカードの信用度は非常に高いレベルにあります。この安心・安全を入口として、ビジネスを発展させていただきたい」と語る。

「JPKIの導入によって、本人確認業務の効率化、コスト削減が確実に図れます。また、なりすましを防止することによって、マネーロンダリングや闇バイトといった社会課題の解決にもつながります。来たるべきフルデジタル社会の土台となるJPKIを、上手く活用していただきたいと思います。資料も準備していますので、お気軽にお問い合わせください」(舘氏)

TIS「マイナンバーカード本人確認サービス」

TISでは2025年6月25日-26日に幕張メッセで開催される、AWS Summit Japan 2025に出展いたします。
マイナンバーカード本人確認サービスも展示しておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りください。
https://aws.amazon.com/jp/summits/japan/

申込の際は下記URLより招待コードを発行させて頂いておりますので、こちらより申し込みください。
https://jpsummit-smp25.awsevents.com/public/application/add/241?smtcd=SPC7631903

金融事業本部 フィナンシャル事業部 フィナンシャルビジネス営業部
マイナンバーカード本人確認サービス担当窓口

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