Features
特集

M&F社インタビュー【後編】
建築GX・DX推進事業の活用方法

2025年3月24日

GX・DX推進事業は中小事業者のデジタル化支援を大きな目的にしています。中小事業者はどういうふうに使いこなすのがいいですか。

鈴木 やはり導入の初期段階でコストを補填していただけるところが大きなメリットだと思います。あとは人手不足を解消するための生産性向上の手段としてパートナー会社も巻き込みながら一緒に取り組んでいただくというのが、よろしいかと思います。

そしてこれからは省エネ計算が当たり前になってきたり、LCA(ライフサイクルアセスメント)の算出、カーボンの算出などが必要になっていきます。脱炭素が世界の課題であり国の課題でもある中で、建設業界もそうした脱炭素対策にしっかり取り組んでいかなければならない一方で、なかなかそういったところに人材が割けない、やり方がわからない。例えばソフトウェアにもお金がかかるというときに、今回こちらにも補助金の対象経費がついたというのは大きな力になっていくと思います。

カーボンの課題というのは発注者側にとっても今後必要になってくる取り組みになりますので、特に発注者の方々にBIMが必要になってくる。LCAの計算が大事になってくる。そういったところに気づいていただける後押しになるのかなと思っています。

これまで2年、「建築BIM推進事業」の導入支援をしてきた経験も踏まえて、実感として中小事業者にこんなふうに使ってもらえれば、こんな使い方もあるよといったポイントを教えてください。

守屋 弊社が昨年とその前年の2年間にわたり、各社のスキームづくりから参画させていただいて、ここで教育をやりましょうとか、こういったモデルを使って効率化を上げてそこで補助金を活用しましょうといった形で伴走しながらお手伝いをさせていただきました。GX・DXの推進についてもまずはスキームづくりが重要です。全国のGX・DXに取り組みたいというような中小の会社もスキームづくりから活用できる支援制度だと、そういうふうにとらえてもらうとよいのではないかと思います。

なるほど、この事業はデジタル活用のストーリーづくりや体制づくりも含めて後押しする仕組みということですね。

守屋 スキームの中でやはりどういった組織・座組みでDXを進めていくのか。デジタル化、DX化を進めていく体制を組み上げるところにこの事業を活用していくのがよいのではないかと思っています。まずどうしても初期費用的なところがハードルになります。導入においてソフトウェアからハードウェアそして研修費用、いわゆるハードルになるところをうまく支援してもらえるところが、すごくいいと感じています。

そしてその後やはり実地の教育です。補助金を使って実際にモデルをつくって専門工事会社とそのモデルを使ってコミュニケーションできる。例えば地場のゼネコンさんと専門工事会社さんが、3次元のBIMモデルをビューアーの画面で見たときの反応というものは私も立ち会わせていただいたことはありますが、非常に良いものでした。「ここはどうするのか」という活発で具体的な打ち合わせもされていたので、そこで初めてGX・DXのスタート地点に立ったんだなという実感が湧きました。やはり見える化の効果がすごい。一目瞭然で実感できる感じですね。今後はやはりそういう見える化の視覚的な価値だけでなく、データの価値そのものの生かし方についても研究しながら進めていくべきだと私自身は思っているところです。

M&Fで行っている中小事業者の支援内容を教えてください。

鈴木 はい。そうですね。BIMに取り組む中で中小企業の皆様が意識すべきことは、BIM導入が目的ではなく、課題を解決するために、働き方改革に取り組むとか、改正建設業法にきちんと取り組んでいくとか、そういったところがとても重要かなと思っています。そこで何をやっていくかっていうときに、国の指針に沿って進めることが、ロードマップになると思うんですね。国の指針に沿ったBIM導入計画を立てたときにBIMの確認申請であったりとか、脱炭素関係のこと、生産プロセスとか維持管理の活用であったりとか。あとは設計から維持管理までデータをきちんと連携していくということも課題になっています。

そこを解決していくのは、BIMをデータベースとしたデータ連携の力ではないかと思います。BIMの取り組みだけではなく、やはりリソースも足りていない、教育もしていかなきゃいけないなというところで、M&Fでは、施工BIMの提案だけではなくって、人材の育成のところまで入り込みながらいろいろ支援させていただいています。

その人材育成では具体的にどんなことを行っているのですか。

鈴木 BIMについてはRevit(レビット、米Autodesk社が開発)が基幹のソフトになり、そちらをもとにした基本的なオペレーションの研修に加えて、実際に施工で活用できそうな体験研修を組んだり、あとはMFToolsという施工に特化したアドインソフトも開発しております。それらを使った研修も提案していますが、研修を組むだけではなくて、やはりどういった人材を育てていきたいか、どういったクラスの人にどういったあるべき姿を設定したりとか、年次研修を計画したりと、多岐に渡って教育コンテンツを用意し、教育のプログラムを構築しています。