「現場の知見」が製造業の未来を創るキャリア人財が活躍できる新たなステージとは 「現場の知見」が製造業の未来を創るキャリア人財が活躍できる新たなステージとは

製造業では、AI(人工知能)導入やデジタルトランスフォーメーション(DX)、人手不足の解消、生産性向上、技術継承など、多くの課題を抱えている。横河ソリューションサービスは、幅広い製品群をはじめ、多種多様なソリューションや豊富な知見によるコンサルティング、エンジニアリングのサービスにより、製造業のこうした課題解決を支援している。

これらの取り組みを支えるのが、製造現場での経験を持つ「キャリア採用」の人財だ。同社ではキャリア採用者がいかに前職の経験を生かし、組織を活性化しているのか。製造業の課題解決をけん引する業種エキスパート部門の責任者と、キャリア採用で活躍する社員に話を聞いた。

製造現場の課題解決と、顧客の価値向上に貢献

横河ソリューションサービスがキャリア採用に力を入れているのは、製造業での豊富な現場経験こそが、同社が顧客企業に提供する課題解決のカギを握っていると考えているからだ。執行役員インダストリー統括本部営業技術本部長の山下俊也氏は、「製造業の課題解決に向けてアプローチする際には、生産管理などの業務内容に踏み込む場面が多くなります。お客様の困りごとやニーズを起点として潜在的な課題を理解するためには、製造業での経験や知見が不可欠なのです」と強調する。

横河ソリューションサービス株式会社

執行役員

インダストリー統括本部

営業技術本部長

山下 俊也

山下 俊也 氏

同社では、製造現場のフィールド機器から制御システム、製造実行システム、基幹業務システムまで、生産に関わるあらゆるレイヤー(階層)がビジネス領域である。ITとOT(Operational Technology)を融合させた課題解決型のアプローチで、商材の企画から販売促進、改善活動などの支援・コンサルティングを幅広く行っている。その取り組みを下支えするのが、業種やソリューションのエキスパートたちなのである。

横河ソリューションサービスでは、製造業やそれに準じるEPC(設計・調達・建設)事業者、システムインテグレーター(SIer)などでの勤務経験を有し、高度な専門的知見を持つ人財をSME(Subject Matter Expert)と呼び、採用を強化している。山下氏は「医薬品、石油・ガス、電力・風力・エネルギー貯蔵システム(ESS)、高機能化学、電池など、各領域に精通する人財を迎えて、より複雑な課題の解決に取り組み、お客様に提供できる価値を高めていきたいと考えています」と力を込める。

自らを成長させながら、新たな課題に迅速に取り組める風土

インダストリー統括本部営業技術本部5部医薬品グループのリーダーである岩本直晃氏は、医薬品メーカーでの製造工程責任者という経歴を持つ。「以前からゼネラリスト志向で、製造だけでなく幅広い業務を学んでみたいと感じていましたが、専門性を重視する前職では実現が困難でした」(岩本氏)。

岩本 直晃 氏

横河ソリューションサービス株式会社

インダストリー統括本部

営業技術本部5部

医薬品グループ リーダー

岩本 直晃

岩本氏は「前職でもYOKOGAWAの『CENTUM VP』(統合生産制御システム)を利用しており、製造業に特化した多彩なソリューションを持つ当社でなら、製造現場の信頼性向上とより優れたものづくりに貢献できると考え、転職を決断しました」と転職の経緯を説明する。

岩本氏は現在、セールスエンジニアとして、製薬業界向けに課題解決のためのソリューションの企画・提案を手掛けている。入社して印象に残ったのは「行動しやすい会社であること」(岩本氏)だという。「入社後1年経たないころに新しいソリューションの企画を提案したところ、すぐに承認され、周囲の協力を得ながら形にできました」と岩本氏。一口に製造業といっても作る製品や工程によって、クライアントの抱える課題には無限といってよいほどのバリエーションがある。そのような中でも「製造業の現場を知っていれば、ボトルネックとなる課題や真意を把握しやすく、お客様からも信頼されます。自ら実感していた課題を解決できるので、大きなやりがいも得られます」という。

もちろん、現場でものづくりを担当する立場から、課題解決を提案する側に変わる難しさもある。「前職ではお客様と直接話す機会は限られており、現職でも、実際の商談を練習だと割り切るわけにはいきません。どのように試行錯誤し、商談力や折衝力を身に付けるべきか悩んだ時期もありました」と岩本氏は振り返る。

そうした状況で、岩本氏のステップアップに大きく貢献したのは、同社のキャリア支援制度だった。山下氏はこう補足する。「上司の商談に同行して学ぶといった実践的な学びの場だけではなく、キャリア入社の方に向けた研修制度も充実させています。特に私たちが重視しているのは、業務遂行スキルと課題解決スキルの強化です。業務遂行スキルは『YOKOGAWA University』というEラーニングやトレーニングセンターでの研修を、課題解決スキルは専用の人財育成プログラムを用意しています。それぞれ希望制で自律的な成長を促しています」。

さらに、主体的なキャリア形成を実現するために、組織を知る機会や自らのキャリアについて考える研修、キャリアに関連して自分がチャレンジしたいプロジェクトに公募できるといった仕組みも整備している。一人ひとりが全く違うバックグラウンドを持つキャリア入社の人財にとって、不足しているスキルを補い、新たなキャリア形成を支援するバックアップ体制は心強い。岩本氏も「商談のあり方について学べる研修や実践を通して、お客様とのコミュニケーションがスムーズになりました」という。

YOKOGAWA University 自律的なキャリア形成支援に向けた教育プログラム・制度
横河ソリューションサービスでは、自律的なキャリア形成支援に向けた教育プログラム・制度を用意し、入社後もサポート・フォローを実施している。

「現場の知見」が組織に好影響をもたらす

キャリア入社の人財が活躍することで、会社全体の活性化も進んできたという。山下氏は「お客様へのソリューション提案を検討する段階で、ニーズや現況を緻密に理解し、より深い提案ができるようになりました。社員同士で気づきを与え合ったり、これまで考えていなかったソリューション同士を掛け合わせて新たな課題解決に活用したりと、部署の活性化にもつながっています」と効用を語る。

岩本氏も「入社のきっかけはゼネラリスト志向だったのですが、まずは営業技術職の立場で業界標準につながるソリューションを生み出したいと考えるようになりました」と話す。山下氏も「キャリア形成の希望についてヒアリングする機会を設けており、エンジニアから営業技術、営業技術からコンサルティングなどと、さまざまなジョブチェンジのチャンスもあります」と付け加える。

製造業においてAIの導入やDXの推進が求められる中、キャリア入社の人財が活躍する場はますます拡大していくだろう。製造現場での経験を上流工程で生かし、製造の在り方そのものを大きく変革していく――横河ソリューションサービスでは、よりスケールの大きなキャリアパスが見えてきそうだ。