AI時代のデジタル主権を掌握せよ――。

14年ぶりの解禁、企業の「ブランド」「信頼」を実装する「ブランドTLD」の戦略的価値

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生成AIの普及により、ネット上の情報は爆発的に増加し、同時に「情報の真偽」が企業の死活問題となっている。「.com」や「.jp」といった従来型ドメインでは、なりすましやフィッシングの脅威を根本的に排除することは困難だ。こうした中、ブランド名をトップレベルドメイン(TLD)化する「ブランドTLD」が、次世代のデジタル戦略の柱として注目されている。14年ぶりに訪れたこの申請機会は、単なるドメイン取得ではない。AI検索・ゼロクリック時代における「究極のアイデンティティ」の獲得を意味する。GMOブランドセキュリティのキーパーソンに、その真価を聞いた。

ネット上の“一等地”に自社ビルを建てる「ブランドTLD」
ドメインは企業の顔でもあり、資産でもある

企業のWebサイトは顧客との重要な接点であり、デジタル化に伴いその重要性を増している。ブランディングはもちろん、経営を支える重要な基盤でもある。

Webサイトの住所でもあり顔でもあるドメインは「〇〇〇〇.com」「〇〇〇〇.jp」といった形が一般的だが、企業名やブランド名をそのままドメイン末尾のトップレベルドメイン(TLD)、にできるのが「ブランドTLD」だ。「.toyota」「.bridgestone」など、自社のブランドを冠したTLDを独占的に使えるようになる。企業名だけでなく、「.lexus」、「.firestone」など製品やサービスのブランド名をTLDにすることも可能だ(図1)。

図1 ブランドTLDとは

図1 ブランドTLDとは

GMOブランドセキュリティでは「ブランドTLD」の特性や価値を分かりやすく表現するため「.貴社名(ドットきしゃめい)」と名付けている。ブランドオーナーが独占的に利用できるドメインがブランドTLDだ

ブランドTLDはインターネットの名前空間の管理を行う国際組織ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)によって承認される。厳しい審査を通過した企業だけが保有できる“世界で1つ”だけのTLDがブランドTLDなのだ。ブランドオーナーが独占的に発行・管理を行うため、例えば「.gmo」なら、第三者が「gmo-○○.com」や「grno.jp」といった紛らわしいドメインを取得する、いわゆるサイバースクワッティングへの抑止策となる。

GMOブランドセキュリティ 常務取締役 CTOの山下 寿也氏はその価値を次のように説明する。

「レジストリとして、取得した企業だけが独占的に使用できるドメインとなるため、広大なインターネットの世界でいわば“銀座や表参道の一等地に自社ビル”を所有するようなものです。ブランドのプレゼンスを高めるばかりか、資産価値もステータスも格段に高い。そのプレミアム感は圧倒的だといえるでしょう」(図2)

図2 ブランドTLDの価値

図2 ブランドTLDの価値

ドメイン構造をビルに例えると「.com」は雑居ビルの一部屋を借りているイメージだ。ブランドTLDは、インターネット上の一等地に自社ビルを持つことに等しい

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GMOブランドセキュリティ株式会社
常務取締役 CTO
山下 寿也

AI・検索エンジンが信頼する「一次情報源」へ
なりすましやフィッシング詐欺対策にも有効

ブランドTLDには様々なメリットが期待できる。「企業名やブランド名がTLDになるため、一目でどの会社やブランドかが分かります。そのブランディング効果は計り知れません。ブランド認知を高めるだけでなく、商標の保護や、なりすまし・フィッシング詐欺などから顧客を守るという観点でも取得する意義は大きい」と山下氏は強調する。

GMOインターネットグループでは、毎年「GMO SONIC」という音楽イベントを開催しているが、「sonic.gmo」というドメインをウェブサイトやSNSに展開している。これによりオンラインからオフラインへ統一感のあるブランド体験を実現している。

国内外のグループ会社などで個別に運用しているドメインネームの統合管理も容易になる。シャープでは「.sharp」のすぐ左である第2レベルに国別に国名を冠し、日本は「jp.sharp」、ベトナムは「vn.sharp」、マレーシアは「my.sharp」としている。そして第3レベルに会社名や製品名を配置して、「○○(会社名や製品名).jp.sharp」と表記するルールを設けた。また特定の国に依存せずグローバルに展開する事業やブランドには「global.sharp」を使用しており、これらのルールによって、URLを見ただけでどの国のどのサイトかを閲覧者は容易に判別できる。「企業としてはガバナンスを強化でき、ドメイン管理も簡素化できるでしょう」と山下氏は述べる。

企業名やブランド名がTLDになるので、訪れたサイトや送られてきたメールが公式のものであることが一目で分かる。「企業・ブランドの証明書のような役割を果たし、権威と信頼性を担保できます。第三者が使用することは不可能な「ホワイトリスト型」の運用は、なりすましやフィッシング詐欺から顧客を守り、セキュリティー対策の強化につながります」と山下氏は語る。特にECサイトや金融サービスでは、この信頼性向上効果が顧客の購買行動に与える影響は大きいだろう。

さらに、AIが普及した時代を見据えた戦略的価値について、山下氏は次のように続ける。「例えば、企業サイトをAI検索した際、ブランドTLDはインターネットの根幹を支えるルートサーバーに登録されており、これをAIが『信頼できる一次情報源』として評価する可能性は高いと考えています。企業の公式性をAIに認識させるためのドメイン戦略になる。検索結果での上位表示にも有利に働くでしょう」。

14年ぶりの第2ラウンド、残された時間はあと僅か
ドメインのガバナンスを再定義する希少なチャンス

様々なメリットが期待できるブランドTLDだが、誰でも取得できるわけではない。取得するためにはICANNに申請し、厳格な審査を受ける。この初期申請費用だけでも4000万円程かかる。審査には数カ月から半年程度が必要だ。この審査をパスした企業・団体のみがブランドTLDを取得できるのだ。安易な取得を排除することで、インターネットの仕組みの信頼性と取得したブランドTLDの価値を高めているわけだ。

そしてブランドTLDはいつでも取得できるわけではない。もともとブランドTLDは、「.com」「.jp」「.net」といったジェネリックTLDの増加によってドメインの識別が難しくなり、企業やブランドが「公式性」を明確に担保する必要性が高まったことを背景に創設された。

初回の申請受付が行われたのは2012年。今回、14年ぶりとなる第二ラウンドの申請受付が現在行われており、まもなく終了する。申請プロセスは複雑で、法務・技術・財務の各分野で厳格な要件を満たすことが求められる。取得後の運用においても、DNS(ドメインネームシステム)管理やセキュリティー対策など、継続的な対応が必要になる。ブランディング戦略やドメインマネジメントも新たに考える必要がある。しかし「次回ラウンドがいつあるのかは未定です。ラウンドを重ねるごとに取得したいと思う文字列が他社に先行取得されるリスクも。チャンスは今しかないのです」と山下氏は説く。

国内シェア8割超の実績
申請サポートから運用代行までをワンストップで支援

申請期限が迫る中、社内リソースだけで申請からその後の運用まで対応するのはハードルが高い。GMOインターネットグループは、第1ラウンドにおいて日本企業の約83%にあたる取得をサポートした実績を持つ。GMOブランドセキュリティが提供する「GMO『.貴社名(ドットきしゃめい)』申請・運用支援サービス」は、国内でのサポートがシェアナンバーワンなだけでなく、GMOインターネットグループが「.gmo」のTLDを、自分事として活用してきた経験があるがゆえの課題解決型のサービスを提供している(図3)。

図3 「GMO『.貴社名(ドットきしゃめい)』申請・運用支援サービス」の概要

図3 「GMO『.貴社名(ドットきしゃめい)』申請・運用支援サービス」の概要

申請フェーズでは申請書の作成、申請/審査、レジストリシステムのセットアップと導入などをサポート。運用フェーズではレジストリシステムの運用やセキュリティー対応をサポートする

まず取得にあたって何が課題になるかを把握し、ブランドTLDをどう位置付けるかといった取得後の戦略的な活用方法まできめ細かなコンサルティングを実施する。必要書類の整備、煩雑な申請手続き、レジストリシステムの構築、さらにDNS管理も含む運用までワンストップでサポートする。なりすましやフィッシング詐欺対策への活用などセキュリティー対策もサポート可能だ。運用状況も毎月マンスリーレポートを提供するという。

「いつまでに何をやらなければいけないのか。申請にあたってはロードマップを描き、具体的なスケジュールを策定して作業を進めていきます。取得後の運用もサポートできるので、ドメイン変更に伴うIT部門の負担も軽減できます」と山下氏は述べる。

申請フェーズの料金はICANN申請費用を含め約4000万円。運用フェーズの料金はICANN運用費用を含めて年間約800万円だ。「企業のブランディングや信頼性向上、なりすまし防止などのセキュリティー強化を網羅するブランドセキュリティーにもつながります。長期的なメリットを考慮すると、投資以上にリターンは大きいでしょう」と山下氏は話す。

またドメインの変更では思わぬエラーが発生することがある。例えば、メールアドレスの入力データの形式や検証設定の不備によるバリデーションエラーが発生することがある。「ドメイン変更時にどんなトラブルが想定されるか。何に注意し、万が一、トラブルが発生した場合はどうするか。豊富なサポート実績に基づく知見とノウハウは我々の大きな強みです」と山下氏は語る。

ドメインはインターネット上のIDや住所としての機能を超えて、今や「ブランド資産」の1つとなっている。ブランドTLDはその資産としての価値、企業の社会的信頼性を格段に高める。

ICANNの申請受付けは2026年8月12日に終了する。GMOブランドセキュリティでは準備作業を鑑みて、早めの準備開始を呼びかける。取得申請まで残された時間は少ない。ブランドTLDの取得を考える企業にとって、実績に基づくサポートを提供するGMOブランドセキュリティは有力な選択肢になりそうだ。

問い合わせ

GMOブランドセキュリティ株式会社
URL: https://brandsecurity.gmo/
E-mail: mrk@brandsecurity.gmo