

多様な支援と関係性強化で進化、深化したエコシステム創造を目指す

「クラウド情報系サービス」部門で6連覇、「業務効率化・内製支援ソフト/サービス」部門で3連覇を達成したサイボウズ。パートナー企業の存在がキーとなるエコシステムが同社ビジネスの根幹であり、指標としてのパートナー満足度は極めて大きな意味を持つ。プロダクトの特徴やサイボウズからの支援と並んで、満足度に直結するパートナー同士の協業によって価値を広げてきたエコシステムの強みと今後の展望を聞いた。
AI、エンタープライズなど進化を続けるサイボウズビジネス
サイボウズ株式会社
営業本部
パートナー第1営業部
部長
小網 裕太氏
エコシステム戦略を展開するサイボウズにとって、パートナー満足度は最も重視する指標である。「パートナービジネスという観点で弊社の立ち位置を客観的に知る意味でも、継続しての高評価はうれしいですし、自信にもなります」と、営業本部の小網裕太氏は受賞のよろこびを率直に語った。
目まぐるしく変化する市場環境下でも、サイボウズはなぜ持続的に評価されるのか。事業戦略本部でAI事業を担当する山田明日香氏は、ここでも「パートナー企業の存在」を挙げる。「AI活用においては、単に機能を提供するだけでなく、お客様の業務や現場に即した形でどう使うか、どう運用に乗せるかが重要になります。そのプロセスを担っていただける存在として、お客様に最も近いパートナー企業様の役割は、大きくなっています」(山田氏)。こうした前提で様々な施策を行うことが、持続的な成長につながっている。
kintoneはAI機能の実装で確実に成果をあげている。2025年4月から、kintoneユーザーに対してAI機能のベータ版の提供を開始し、ユーザー企業からのフィードバックを受けながら、現状では6つのAI機能を搭載。「成果を実感してくださるお客様の声も蓄積し、今後、さらにアクセルを踏み込んで強化していきます」と山田氏は強調する。
ノーコード/ローコードで業務アプリの開発ができるkintone同様に、AI機能も「簡単に、使いやすく」を重視しており、自然と業務でAIが活用できる状態を目指している。本体のAI機能に加えて、パートナー企業のAIサービスを組み合わせれば、より活用の幅が広がるだろう。
パートナーとの強固な関係を基盤としたサイボウズビジネスの強化も着々と進む。具体的な取り組みとして小網氏が挙げたのは、大手企業向けの施策や、基幹システムとの連携である。
「エンタープライズ領域に関しては、1つの企業にどれだけ深く入り込めるかがポイントになります。サイボウズからの提案に加え、パートナー企業様がお客様に寄り添う形で開発などを支援する流れができており、パートナー企業様と共に長期的な価値創出につながるケースが増えています」(小網氏)
また規模に関わらず、パートナー企業はユーザー企業の基幹系システム導入や業務設計に深く関わっているケースも多い。そうした立場だからこそ、基幹データと日々の業務データをどうつなぎ、どう活用するかという視点で、kintoneをハブにした取り組みが広がっているそうだ。
パートナーとの関係強化でより広く、深いエコシステムへ
サイボウズ株式会社
マーケティング本部
マーケティング戦略部 部長
兼 事業戦略本部
山田 明日香氏
抜かりない取り組みを進めるサイボウズに課題はあるのだろうか。その問いに対して小網氏が挙げたのは「既存のユーザー企業内での縦と横の展開」だった。特定業務の改善では成果をあげているものの、そこで終わってしまうケースが少なくないのだという。
「お客様内で縦(現場から上層部)、横(他部門)に広げるには、まず現場レベルでキーマンにアプローチする必要があると気づきました。人的な接点を持っているのはパートナー企業様です。関係をより強固にしながら、既存のお客様内で縦と横にサイボウズビジネスを広げ、より緊密に張り巡らされたエコシステムを構築していきたいと考えています」(小網氏)
こうした課題は、特定の業界や業務に限らず、変化のスピードが速く、求められる対応が多様化している領域ほど顕著になっている。「AIのように変化の早い領域では、サイボウズ単独で情報提供や提案を完結させることが難しくなっています。そのなかで、パートナー企業様それぞれの知見や取り組みが重なり合うことで、お客様にとっての選択肢が広がっていると感じています」(山田氏)
「競争」ではなく「共創」によって価値を広げる
サイボウズが展開するパートナーエコシステムでは、パートナー企業同士で価値を広げていく動きが目立つようになった。そのきっかけの1つがパートナーミーティングだ。2025年は全国5都市に拡大して開催し、パートナー企業に加え、サイボウズビジネスを検討するパートナー候補企業(レジスタード企業)も招待した。
「特にプラグイン、連携サービスを提供するパートナー企業様は、各地域の地場パートナー企業様との連携に新しいビジネスの可能性を感じて、全5会場に参加していただいたケースもありました」(小網氏)
リアルな交流の場から協業のネクストアクションが生まれることも多い。「例えばAIの場合、1社で取り組める範囲は限定的になるため、複数社で一緒にイベントを企画したり、展示会に参加したりするなど、パートナー企業様同士が連携して進めているケースも増えています。弊社のエコシステムならではの特徴でしょう」(山田氏)
こうした動きを支援するため、サイボウズでは、パートナー表彰制度「CYBOZU AWARD」に、エコシステム協業賞を新たに設けた。こうしたパートナー企業同士の連携を後押ししながら、関係性をより強化し、パートナーと一緒に市場拡大を目指していく。
パートナー支援の今後の方向性として、営業メンバーによる日常の支援を軸にしながら、マーケティングの側面からの支援も強化していく。パートナー評価制度「CyPN Report」で高評価を獲得したパートナーにサイボウズビジネスの展開を資金面で支援するマーケティングファンドはその一例だ。
「パートナー企業様はIT関連企業が中心ですので、マーケティングのリソースやノウハウが十分でないこともあります。サイボウズのノウハウを提供することで、より幅広く、手厚いサポートが可能になるはずです」(山田氏)
サイボウズが持つノウハウと、パートナー企業が持つ経験、実績をかけ合わせることで「より大きな価値を創造していきたい」と小網氏。その延長線上に、さらなるパートナー満足度の向上があるはずだ。