DIGITAL Foresight 2025-26 Winter Review

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  • AIエージェント時代のデータマネジメント/インフォマティカ・ジャパン

95%が失敗するAIプロジェクト
エージェント時代に問われるデータ基盤の条件

AIエージェントの登場により、企業の業務が大きく変わる可能性が高まる。一方で、AIの能力を十分に引き出せないまま停滞するプロジェクトも多い。背景にあるのは、データの分断や信頼性、企業固有の文脈といった表面からは見えにくいデータの課題だ。データマネジメントプラットフォームを提供するインフォマティカ・ジャパンは、AIエージェント時代の最大の鍵はデータマネジメントにあると指摘する。AIを実際の企業価値創出につなげるためのヒントを、データマネジメントの視点から探る。(聞き手:日経BP 総合研究所 主席研究員 小林 暢子)

企業のAI活用は95%が失敗という現実

インフォマティカ・ジャパン
グローバル・パートナーテクニカルセールス
ソリューションアーキテクト&エバンジェリスト
森本 卓也 氏

小林 最初にインフォマティカ・ジャパンの紹介をお願いします。

森本 インフォマティカ・ジャパンは、「Intelligent Data Management Cloud」というデータマネジメントプラットフォームを提供しています。2025年11月にセールスフォースに買収統合されることが発表されていて、2026年からはセールスフォースのAIエージェントプラットフォーム「Agentforce」とのシナジーを高め、企業を支援していきます。

小林 企業のAI活用状況について現状を教えてください。

森本 95%の企業のAIプロジェクトは、本番稼働前に失敗しているという衝撃的なデータがあります。グーグルのGeminiやOpenAIのChatGPT、マイクロソフトのCopilotなどを使って個人の業務を効率化する上ではすでに生成AIは効果が表れています。しかし、企業のデータを使って学習したAIにフォーカスすると、多くの失敗が起きているのです。

小林 生成AIは企業でも活用が進んでいる印象を持っていました。

森本 これは世界の企業のCDO(最高データ責任者)にアンケートをしたデータですが、失敗する要因を問うと「データの信頼性」と答えます。データ品質が低いと、AIの出力の品質に問題が出てきてしまうのです。また、AIエージェントに「社長の給料を教えて」と尋ねたときに、「1億円です」と答えてしまったら問題があります。どのデータに誰がアクセスしていいのか、AIエージェントが何を答えていいかをコントロールしようとすると、AIエージェントの本番稼働はなかなか難しいと言われています。

超優秀な新入社員としてのAIエージェントを育成

小林 社長の給料のたとえは良くわかりました。もう少し解きほぐして説明してもらえますか。

森本 AIエージェントとはどのようなものかというと、超がつくほど優秀な新入社員と考えるとわかりやすいです。世界中の情報をインプットして入社してきて、24時間365日働ける体力があって、曖昧な指示でも空気を読んで行動してくれる新入社員です。人間の新入社員を思い起こすと、企業特有の情報や知識を教えて一人前に育成していきます。超優秀な新入社員のAIエージェントも、デジタルレイバーとして素晴らしい社員に育てるためには職場環境であるデータ環境を整えることが必要です。

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AIエージェントのためのデータマネジメントが不可欠
AIエージェントは優秀な新入社員のようなもの。活用できるデータ環境をデータマネジメントで整え、超優秀なAIエキスパートに育てる必要がある

小林 AIエージェントをうまく活躍させるためには、データマネジメントが必要になるのですね。

森本 はい、企業の認識は、「AIエージェントのためにデータマネジメントを行う必要がある」という方向へと変化してきています。AIエージェントが使うためのデータカタログを整備し、データ品質を整える世界です。特に先進的な海外企業などは、この新しいデータマネジメントをストラテジーとして打ち出してきています。AIエージェントをエキスパートに育てて、ビジネスを拡大するためには、エンタープライズ規模でのデータマネジメントが不可欠だという考えです。

小林 AIエージェント時代のデータマネジメントとモダンAIアーキテクチャの関係について教えてください。

森本 大切なことは、ERPのような基幹システムまでデータがつながるようにマネジメントしていくことが大切です。近年はレイクハウス周りのデータマネジメントがフォーカスされていますが、AIエージェント時代には最新のビジネス状況を正確に把握するために基幹システムまでスコープに含めなければなりません。そうすることで初めてAIエージェントが信頼できるアウトプットが出せる、信頼できるコンテキスト(文脈)ができあがるのです。超優秀な新入社員を育てるためのデータマネジメントには不可欠な要素があります。1つは、多様なAIエージェントがリアルタイムにあらゆるシステムへアクセスし、相互に連携できる基盤を整備することです。2つ目は断片化したナレッジを集合知にすること、3つ目はデータ品質とガバナンス、ゴールデンレコードを担保してデータの信頼性を保つことです。

※講演の一部をOn-Demand形式で視聴いただけます。

包括的なデータマネジメントでAIエージェントを活用

小林 インフォマティカ・ジャパンではどのような製品で課題に対応していますか。

森本 インフォマティカ・ジャパンでは、Intelligent Data Management Cloudというデータマネジメントプラットフォームを提供しています。さまざまなデータやシステム、クラウドなどをまたがって横断的で包括的なデータマネジメントを実現するように、サポートしています。

小林 Intelligent Data Management Cloudの活用事例を教えてください。

森本 インフォマティカ製品を利用している企業は、世界で5000社以上になります。例えば創薬企業での事例を紹介しましょう。新薬を開発していくときに「ある国では計画よりも早く認可が降りる」といったケースがあったとします。そうすると、当初計画より早く在庫を調達できれば早く売上を立てられます。ここでこの創薬企業では、在庫最適化エージェントに相談することで、原薬の在庫や製造工程の確保などのAIエージェントと連携して全社のデータを事業横断で分析し、2カ月早く市場に投入できる世界を実現しています。この世界は、企業のナレッジが蓄積されているレイクハウスと基幹システムのデータが全て関連付いた、信頼できるコンテキストにまさに支えられています。

小林 2026年はAIエージェント元年と言われることもありますが、本当にAIエージェントを新入社員からエキスパートへ育てていくためには、データマネジメント基盤がしっかり支えていかなければならないこと、そのための体制づくりの重要性がよくわかりました。

*インフォマティカ・ジャパン株式会社は2026年3月1日に株式会社セールスフォース・ジャパンに統合されました。

セールスフォース・ジャパン インフォマティカ事業部

https://www.informatica.com/ja/


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