網羅的なSAPソリューションを
展開しているJSOL
ビジネス環境が目まぐるしく変化する現在、基幹系システムも時流に合わせてアップデートすることが求められています。近年の日本企業が直面する課題と、それに伴うSAPシステムに対する顧客ニーズを教えてください。
柴田 安啓氏
株式会社JSOL
データ&テクノロジーコンサルティング事業本部
プラットフォームコンサルティング第一部
部長
柴田環境の変化に柔軟に対応することができ、かつ標準化された基幹システムを構築することが、多くのお客様の重要課題になっています。
SAPのERPでは、SAP ECCの標準サポートが2027年末に終了することから、最新製品である「SAP S/4HANA」(以下、S/4HANA)への移行が主な検討事項となっています。ただ、移行はそう簡単ではありません。例えば、これまで自社要件に合わせて行ってきたカスタマイズが、移行時の足かせとなっている企業が多くあります。そのため、個人的な感覚ですが、S/4HANAへの移行が済んでいるお客様はまだ全体の4割程度だと見ています。
JSOLは、この状況に対してどのような支援を行っているのですか。
柴田当社は、基幹系システムを支えるプラットフォームやその上で動くアプリケーションなど、必要なものを網羅的に提供することが可能です。こうした支援体制を基に、S/4HANAの新規導入、既存ERPからの移行、あるいは既存SAPシステムのクラウド移行など、多様なお客様ニーズにお応えしています。
また、スムーズな環境構築およびシステム移行を実現する独自テンプレートも多数有しています。例えば、安全なERP導入を低コスト・短期間で実現する「J-Model」、ERPのクラウド移行を支援する「J’sSTART」、保守・運用サービスの「J-APM」などがその一例です。
その中で、柴田さんはどのような技術、製品を主に扱っているのでしょうか。
柴田私が管轄する部署では、多様な業務アプリケーションのプラットフォームに当たる「SAP Basis」を扱っています。これはS/4HANAの新規導入時はもちろん、既存のERPをクラウドへ移行する際にも不可欠なものです。強靭で安定したプラットフォームを構築するとともに、外部システムとの連携や導入後の運用保守もサポートします(図)。先ほど紹介した独自ソリューションのJ’sSTARTは、S/4HANAやクラウドへの移行にあたり、安心安全に移行を完遂するための方法論として、お客様のプロジェクト成功に寄与することができます。
図 JSOLのSAP Basisソリューション

黄色枠の部分がSAP Basisを中心とするミドルウエア領域。ERPの稼働および外部システムとの連携に不可欠なミドルウエアをトータルに提供することで、顧客の基幹系システムの安定稼働を支える
「24時間での移行」が要件だった
プロジェクトも無事完遂
SAP Basis領域におけるJSOLの差別化ポイントを教えてください。
柴田大きく3つあります。1つ目は「品質の高さ」です。当社は、前身である日本総合研究所の頃、1990年代半ばから、医薬品、食品、消費財、組立製造業などのお客様を中心に、プライムベンダーとしてSAPプロジェクトを手がけてきました。この長い年月で培った経験・ノウハウを注ぎ込むことで、高品質なプラットフォーム構築サービスをご提供し続けています。
2つ目は「プロジェクト推進力」です。プロジェクト計画書の策定から始まり、フェーズごとにお客様の合意を得ながら進めることで、スムーズかつ確実なプロジェクト推進を実現します。
そして3つ目は「ケイパビリティ」です。構想策定、導入、移行、周辺システム連携、コンサルティングから構築、運用保守まで一気通貫で提供できる体制と、その源泉である人財が大きな他社差別化ポイントです。
それらの強みが生きた事例があれば教えてください。
柴田災害への備えを目的として、オンプレミスの大規模基幹系システムをまるごとクラウドへ移設するプロジェクトがありました。業務を止めないようにするため、「24時間以内に移行を完了させる」ことがミッションでした。そこで、30パターン以上の移行案を十分に検証して、最適なシナリオを編み出した結果、無事完遂することができました。これは過去の経験値があったからこそ、実現できたものだと考えています。J’sSTARTは、このプロジェクトでの経験を基に、汎用化して開発したソリューションです。
経験を血肉化して次の顧客に向けたサービスに落とし込めるところも、JSOLの強さといえますね。実際、顧客からの感謝も多いのではないですか。
柴田そうですね。難しいプロジェクトが多く、壁にぶつかることもありますが、完遂した後でお客様から感謝の言葉をいただいたときは大きな達成感とやりがいを感じます。それが私にとって、この仕事のやりがいでもあります。
SAPシステムの
クラウド移行の経験が生かせる
SAP Basis領域では人財採用を強化しています。背景や求める人財像を教えてください。
柴田SAP ECCからS/4HANAへの移行は単なるバージョンアップではなく、各システムの標準化、AIなどのテーマが関係してきます。そのため、SAP Basisの領域でも新たなチャレンジが求められています。人財採用強化は主に、この状況に対応するための増員を見据えています。
しかし、必ずしもSAP Basisを専門に扱ってきた経験は求めません。ミッションクリティカルなシステムの導入、運用保守の経験があれば、それを生かすことができるはずです。私たちが求める人財像は、コミュニケーション力があり、能動的に行動できる人。何事も前向きにとらえてチャレンジできるマインドセットを持つ人です。
JSOLは様々な業界・業種の顧客のプロジェクトを手がけています。そのような中で働くことで、働き手にはどのようなメリットがあると感じていますか。
柴田上流のコンサルティングから運用保守まで、多様なフェーズを経験することができます。特にSAP領域では、「RISE with SAP※」の提供からアマゾン ウェブ サービス(AWS)、Microsoft Azureといったパブリッククラウドの活用、さらにSAPの周辺システム、ジョブやインターフェースといった仕組みまで幅広く経験できます。そのため、そこからキャリア形成にプラスに働く様々な知見が得られるはずです。
また、私が所属するSAP Basis専門の部署では、20代、30代のメンバーが6割以上を占めています。互いに切磋琢磨しながらステップアップできる環境があると思います。
柴田さん自身は、これからどのようなことを目指したいですか。
柴田最近はサイバー攻撃による被害が次々と報じられています。そのような中、SAPシステムを構築/移行する際にも、サイバーリスクをどう低減するかが非常に重要になっています。私は、サイバーセキュリティーの知識や経験をもっと積んで、お客様のニーズに応えられるようになりたいと考えています。
サイバーセキュリティーは、基幹系システムだけでなく、周辺システムや連携しているシステムを含めて業務全体で考えることが肝心です。社内のセキュリティーチームとも連携しながら、お客様のSAPシステムにさらなる価値を提供していきたいですね。
※SAPが提供する、オンプレミスERPのクラウド移行を支援するオファリングサービス

当社では、様々なソリューションを「カスタマーゼロ」としてまず自社で活用し、そこで得た成果を基に提案を行っています。これこそ、「今はない、答えを創る。」可能性を高める活動といえるのではないでしょうか。
また別の取り組みとして「CLUTCH」という活動もあります。これは、社員が発案した新規ビジネスのアイデアを、事業化に向けて洗練していく新規事業創出プログラムです。新しい挑戦を会社が全面的にバックアップする仕組みといえるでしょう。このような動きが組織文化として根付くことで、まだ見ぬ新しい答えを見つけることができるのだと思います。





