カオナビ
人材不足時代のDX推進戦略
人材育成と組織文化変革の第一歩
中小企業にいまだ残る
DX導入に向けた諸課題
SMBビジネス本部
SMBセールス2グループ
マネージャー
渡辺 百香 氏
2012年の創業以来、人事労務やタレントマネジメントシステムで業界をリードしてきたカオナビ。「創業者の柳橋仁機は人事畑出身であり、実際の人事業務で感じた課題を解決するために開発したシステムが『カオナビ』でした。組織マネジメントに関する課題の解決に強みを持ち、現在では4000社を超える企業様に導入いただき、契約継続率も99%以上を維持しています」と語るのは、同社のSMBビジネス本部に所属する渡辺百香氏だ。
渡辺氏は、中小企業におけるDX推進において、DX戦略の立案や実行を担えるスキルや知識を持った「DX人材が不足している」という課題を、従業員数が100名以下の企業を対象としたDX動向の調査結果を示しながら指摘した。
また、社内のDX推進に対して、「従来の手法でも業務は回っている」「DXによる慣れないツールの導入でかえって業務に支障が出る」といった風土面でのネガティブな声がいまだに根強くあることを紹介。
その上で、この「DX人材の育成」と「社内風土の改革」という2つの観点から、人材不足時代のDX推進戦略を渡辺氏は提案した。
DX推進のカギを握るのは
人材の育成と社内風土改革
まずは「DX人材の育成」について、渡辺氏は「DX人材に必要なのはビジネススキル、ITスキル、ヒューマンスキルです。しかし、この3つを兼ね備えた人材はそうそういません。そこで重要なことは、“社員の能力や特性をしっかり見極め、足りない部分は自社でリスキリングや育成していくこと”です」と語った。
具体的なスキル管理や育成の流れとしてあげたのは、①人事情報の一元化による「スキルの定義/定量化」、②経歴や資格なども含めた「スキル評価」、③育成や配置といった「スキル活用」の3つのステップだ。
「人材データの可視化と評価のステップを土台に活用を進めることで、投資効果の最大化を見込めます」と渡辺氏は説明する。
スキル管理・育成のステップ
さらに渡辺氏は、人事DXを推進して得られる3つの効果を紹介する。
「1つ目は、多様な人材データが一元管理できるため、WCM(Will・Can・Must)の各属性に応じた成長支援が可能となること。2つ目は、人事データを負荷なく確認・更新できるため、鮮度の高い情報に基づき最適な配置ができること。これは社員のモチベーション維持や離職防止といった効果にもつながります。そして3つ目は、人事領域のデータと業務をひも付けられることです。これによって、データを生かした施策の実行、DX人材を計画的に育成できる体制づくり、さらには社員のキャリア自立を促すタレントマネジメントも実現できます」(渡辺氏)
続いて渡辺氏は、後者の「社内風土の改革」について解説する。先の調査であがったような自社のDX戦略に関するネガティブな意見を払拭するには、「従業員体験の向上」が必要だと渡辺氏は語る。
「DXは実際に活用して便利さを実感してもらう必要がある一方で、業務全体で急激なDXを推進するのはハードルが高いという現実もあります。そうした企業の第一歩としても、『タレントマネジメント』のシステム化は、手軽に始められる上に、効果が表れやすいため、おすすめします」(渡辺氏)
実際に人事評価や研修管理といった人事関連業務からDXを推進する企業は少なくないと渡辺氏は言う。人事に関連する複雑な手続きが簡素化されるのはもちろんのこと、社員への理解促進効果もあるといった声も届いているようだ。
「『業務でデータを活用するのが当たり前になった』、人事情報の精度が上がったことで『上司との建設的なコミュニケーションが取れるようになった』など、改革に前向きな風土の醸成にもつながるのが、人事DXの重要なポイントです」(渡辺氏)
「DX人材の育成」と「社内風土の改革」による納得度の高い評価や従業員体験の向上は、仕事に対する社員各自の向き合い方にも好影響を与えるため、業務のパフォーマンス向上、ひいては持続的な事業成長にもつながると渡辺氏は説明する。
スキル管理から組織全体の
最適化まで幅広く支援
講演の後半では、実際に「カオナビ」を使ったデモを紹介。社員データベースページに顔写真が並び、勤続年数、評価、スキルや資格、面談記録、業務履歴といった人事データとひも付く形になっている点、部署と役職のマトリクス構造となっており、データが一元的に可視化されている点などの特長を解説した。
「誰にどの情報を見せるかも設定できますし、スキル項目の重み付けをすることで、誰をどのように育成すべきかを検討する際の判断材料にもなります。また、社員の異動に伴う元部署への影響度なども可視化できるため、組織全体の最適化に活用いただけます」(渡辺氏)
現在も機能の拡充を進めており、今後は評価や人材配置最適化、アンケート集計などの支援でAI活用を進める他、ユーザー同士が事例やノウハウを共有できるコミュニティや専任サポートをさらに充実させ、着実に人事DXやタレントマネジメントを推進できる体制を整えるという。
実際に「カオナビ」を導入した企業としては、菓子メーカーの湖池屋とコンテンツメディア事業を展開するダンクハーツの事例が紹介された。
「湖池屋はスキルマップの整理を行ったことで、研修制度での効果が上がり、設定した目標に向けて行動計画を立てる文化が定着したとの声をいただきました。ダンクハーツは業容拡大で社員同士の連携や人事業務の効率性、リーダー育成などに課題が生じていた課題が、タレントマネジメントにより解消したとお聞きしています。業界ごと、課題ごとの事例は多数ご用意しておりますので、是非お声がけください」と渡辺氏は講演を締めくくった。