
NTT西日本株式会社
ビジネス営業本部
光ビジネス営業部
コミュニケーション基盤部門
サービスデザイン担当 主査
岩見 統仁氏
日経BP 総合研究所
イノベーションICTラボ
所長
大和田 尚孝




クラウドの動作が重い、VPNが遅い──。デジタル化が進むにつれ、ネットワークがボトルネックとなる場面が増えている。一方、外部からの攻撃も企業に容赦なく迫る。NTT西日本は、これらの課題を解決するための閉域VPNサービス「フレッツ・VPNアドバンス」を提供する。同サービスの開発を手がけた岩見統仁氏と日経BP 総合研究所の大和田尚孝が「企業が安心して使えるネットワーク」について語り合った。
本記事のポイント
●デジタル化の進展により「高速」かつ「セキュア」なネットワークが求められている
●拠点間などで安全にデータをやり取りする手段としてVPNが注目されている
●VPNを選ぶポイントは「高速・広帯域」「サポート」「企業の信頼性」
企業が通信ネットワークに求める要件は変遷期を迎えつつある。リモート勤務が当たり前となり、高速なアクセス回線がデジタル時代のインフラとして求められるようになった。同時に、高度化するサイバー攻撃に対するセキュリティ対策の重要度も増している。
大和田は「より速く安全に、というネットワークに対するニーズをよく聞きます。とはいえ、特に中堅中小企業では予算が限られており、コストを抑えながら速度と安全性を担保できることが必要です」と分析する。
岩見氏も「リモート勤務などの普及でクラウドとオンプレミスの併用も広まり、ネットワーク構成は複雑になっています。多様なシステムを結ぶネットワークのセキュリティは重要性が増しています」と、ユーザーの置かれている状況を説明する。
拠点間などで安全にデータをやり取りする手段として広く使われているのがVPNである。大和田は「VPNを選ぶ上ではコストだけでなく、品質の確保が必須です」と指摘する。
これに対し、岩見氏も「リモートでの打ち合わせが増えるなか、大事な商談でネットワークが重いと、顧客へ印象が悪くなってしまいます。高速・広帯域なネットワークであることが鍵となります」と応じる。

また、SaaSの利用が増えている状況では「『インターネットブレイクアウト』機能があると、より快適に通信できます」と岩見氏は指摘する。インターネットブレイクアウトとは、特定のクラウドに対して、VPNを経由せず直接インターネットと通信できる機能である。
もう一つポイントとしてサポートを挙げる。「IT人材が不足し、情報システム担当者に負荷がかかっています。故障・トラブル時に即対応できるサポートが求められています」(岩見氏)。
こうしたニーズに応えるために同社が提供を開始したのが、マネージド型VPNサービス「フレッツ・VPNアドバンス」である。その特徴を大和田が尋ねると、岩見氏はサービスの全体像として「高速回線に対応しながら、既存サービスよりもコストパフォーマンスが高いことがポイントです」と説明する。
同サービスのアクセス回線としては、最大おおむね10Gbps※1、2の「フレッツ 光クロス」を標準で利用できる。さらに、10Mbpsの帯域確保※3を具備した法人向けの「フレッツ 光クロス Biz」にも対応する。「ユーザー側のルーター(CPE)にフレッツ 光クロス回線に対応した製品を選び、高速化のニーズに応えました」(岩見氏)。

同サービスは、同社の閉域IP-VPN内で提供される。岩見氏は「NTT西日本が提供するNGN網を使った高速で閉域のネットワークにより、安定を追求したIPv6通信を提供します※4」と、高品質である点をアピールする。センターと拠点間だけでなく、拠点間でもVPNで通信できる「ダイナミックVPN」機能により低遅延で通信できる。
コストも低価格に設定しており、閉域拠点間通信を中心としたスタンダードプランで月額6,500円(税別、以下同)、閉域網からインターネット接続が可能なセキュアインターネット接続プランで月額8,000円と、「既存サービスよりもリーズナブルにお使いいただけます」(岩見氏)。
大和田も「品質よりコストを重視してVPNを選んでいた中堅中小企業などでも、閉域VPNの安全性と最大おおむね10Gbps対応の高速性をリーズナブルに享受できる時代が訪れそうです」と期待する。
※1技術規格上の最大値であり、実効速度ではありません。通信品質確保などに必要なデータが付与されるため、実効速度の最大値は技術規格上の最大値より十数%程度低下します。
※2通信速度は、端末機器の仕様などお客さまのご利用環境や回線の混雑状況などによって低下します。
※3帯域確保区間は光回線終端装置(ONU)から光加入者線端局装置(OLT)となります。
※4ご利用にはフレッツ・v6オプションのお申し込みが必要です。
フレッツ・VPNアドバンスは、インターネットVPNを実現するための機器の設置および保守を提供するマネージドVPNサービスである。そのメリットについて岩見氏は「コントローラーを用いて、遠隔から拠点のCPEを一元管理できるので、初期設定や設定変更などが、現地に赴くことなく実施できます」と話す。実際の設定としては、同社に依頼する「設定代行タイプ」と、ユーザーがカスタマイズして設定可能な「セルフ設定タイプ」から選べる。
サポート面での優位点を大和田が問うと、岩見氏は「アクセス回線の24時間出張修理オプションに加え、『オンサイト保守アップグレード』オプションをご契約いただくことで、西日本エリアを対象にCPEも含めた24時間365日の保守対応が可能です」と答えた。大和田は「支援体制が充実したサービスは、パートナー企業にとっても販売しやすいでしょう」と見る。
岩見氏は「事業の根幹としてネットワークはさらに重視されていくでしょう。高速アクセス回線に対応しながらコストを抑えた閉域VPNサービスで、快適さと安心安全を両立したネットワークをお使いいただきたい」と呼びかける。大和田も「自社を守るだけでなく、顧客や取引先に迷惑をかけないためにも『リソース不足でセキュリティ対策ができない』は通用しません。高機能かつコストを抑えたサービスをいかに提供していくかは通信事業者の使命です」と同意する。
同社は、2027年3月までに申し込んだ早期開通者に対する初期費用割引も実施する。中堅中小企業にとって、セキュアで高速なネットワークを導入する絶好の機会といえるだろう。