社会インフラを支える安定感と
創造的な仕事への挑戦
ソニーネットワークコミュニケーションズは、インターネット通信インフラのパイオニアとして、長年にわたって通信の安定供給を支えてきた。通信インフラに携わるエンジニアの仕事といえば地味に見えがちだが、同社はダイナミックで創造的な職場だという。
ソニーネットワークコミュニケーションズ
ネットワーク部 技術2課 シニアネットワークアーキテクト
黄 翰維(ウン・ハンウェイ)氏
技術2課 シニアネットワークアーキテクトの黄 翰維(ウン・ハンウェイ)氏は、2021年春に中途採用で同社に入社した。その頃はコロナ禍の影響もあり、多くの企業が在宅勤務やリモート会議を推奨したことで、通信インフラ全体でトラフィックが逼迫。ネットワークの増強が求められていた。黄氏は当時の状況を、「入社時から即戦力として、ネットワークの増強に携わることになりました」と振り返る。
ソニーネットワークコミュニケーションズ
ネットワーク部 技術2課 シニアネットワークアーキテクト
黄 翰維(ウン・ハンウェイ)氏
「本来、ネットワークはサービス開始から10年経ったころに変換期を迎え、増強が必要になります。『NURO 光』の場合は、2013年にインターネット接続のサービスを開始したのですが、コロナ禍の影響で急遽、対応が求められたのです」(黄氏)
黄氏は現在、ネットワークサービス事業における先端技術の探索や、先端通信技術、設計理論を活用した次世代ネットワークアーキテクチャの策定を推進している。「全国規模の光通信網の更改や、光通信の伝送ネットワークの設計・構築などを考える業務に関わっています。ネットワークをどう組み立てるかについて、エンジニアとして持たせてもらっている裁量も大きい。将来を見据えた計画を立てる必要があり、そこにやりがいを感じています」(黄氏)
ソニーネットワークコミュニケーションズ
ネットワーク部 技術1課
岩佐 一樹 氏
同じく中途採用で入社した技術1課の岩佐一樹氏は、10年ほど前に「NURO 光」の立ち上げプロジェクトに参加。以来、NUROネットワークの開発から設計、構築など全般を担当している。「IPとバックボーン領域を軸に設計から立ち上げまでを一気通貫で担ってきました。私たちの役割は、技術2課が構築したインフラの上で動かすアプリケーションを作ることです。その際には数年先を見越して、ネットワーク自体にどのようなスペックが必要になるのかを想像しながら、設計や開発を進めます」(岩佐氏)
ソニーネットワークコミュニケーションズ
ネットワーク部 技術1課
岩佐 一樹 氏
最近ではソニーグループ内での共創プロジェクトとして、横浜に設けられた4つの会場を「NURO 光」で結んだ都市型フェス「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2025」に関わった。ネットワークエンジニアでありながら、システム構築から運用、撤収までを担うなど、システムインテグレーター的に一気通貫のサポートを提供している。「この時は『NURO 光』の技術を使って、通信インフラとエンタテインメントを融合させました。技術開発だけでなく、このように創造的な仕事に挑戦できるのも魅力です」(岩佐氏)
ネットワーク分野以外の領域でも
挑戦のチャンス
最近は放送業界でも、映像や音声信号をインターネットで伝送する取り組みが進んでいる。これによって、スタジアムやアリーナ会場からのスポーツやイベントなどの中継で、遠隔地にある放送局にインターネットを使って信号を伝送してスイッチングやミキシングなどを行う、リモートプロダクションといったスタイルが増えている。こうした放送業界のIP化に対して、ソニーネットワークコミュニケーションズとしても「NURO 光」を活用したインフラ提供の側面から取り組んでおり、そこに岩佐氏が関わっている。
「放送業界も今は過渡期で、ネットワークのコストを抑えたり、オンエアに耐えるデータ圧縮技術を模索するなど色々な検証を進めています。私たちとしても、最終的にはOne Sonyで映像や音声などのデータをクラウドに上げていくような取り組みにもチャレンジしたいと考えています」(岩佐氏)
こうした取り組みによって、岩佐氏は映像や音楽に関わる人たちと話す機会も増えてきたという。「ソニーグループの技術部門だからこそ、自分の専門と異なる領域にも関われるチャンスがあります。ソニー由来の『挑戦することを称賛するカルチャー』があるため、挑戦しやすい環境です。そういった面からも、本来、好奇心や探究心が強いエンジニアにとって、魅力的な職場であるといえます」(岩佐氏)
エンジニアの成長を支援する制度と
チャレンジを推奨するビジョン
ソニーネットワークコミュニケーションズでは、エンジニアのキャリア支援を積極的に行っている。黄氏は同社に中途入社してきたことがきっかけで、「ネットワーク全体をどう構築していくかという視点を持つアーキテクトに成長できた」という。当初は、安定したネットワーク運用のために前職までのキャリアを生かすことを考えていたが、「それ以上に、ネットワークをどう活用すべきか、全体最適をどうすればいいのかなど、さらに広い視点からネットワークの増強を考えるようになりました。通常、大手企業では業務が特定の分野に限定されがちですが、当社では幅広い業務領域に関われます。他部門の人との連携を経験することによって専門外の知識も吸収でき、エンジニアとしての大きな成長を感じています」(黄氏)
黄氏の実績は社内でも認められ、ソニーグループ全体で50人(2025年度)しかいない技術者である「Corporate Distinguished Engineer(DE)」の任命を、ネットワークエンジニアとして受けた。DEはソニーグループの持続的な成長のために、技術戦略の策定及び推進と人材の成長を支援する目的で設けられた制度だ。さらにソニーネットワークコミュニケーションズは、2025年4月に、新たに役割と職務で処遇するハイブリッド人事制度を導入し、会社が必要とするスペシャリストを処遇する「S職」※を設けた。エンジニアなどが専門性を活かしてキャリアを築ける仕組みであり、「挑戦」を重んじ、変化を起こす人に光を当てる制度だ。
※外部の報酬水準と競合できるように、他の職務とは異なる報酬体系がある。S職の導入により、エンジニアが技術を極める、専門性を高めるというキャリアの選択肢が増えた。
ソニーネットワークコミュニケーションズでは「INFRASTRUCTURE of CHANGE 人類の変化を支える、インフラへ。」というビジョンを掲げている。ソニーグループの中で通信事業とインキュベーション事業を推進し、一貫して「世の中を変える挑戦」を続けてきた同社は、このビジョンの中で「単なる通信インフラではなく、今までにない通信キャリアの道を切り拓いていくこと」を掲げ、現在も様々な新しい事業構想が動いている。同社のビジョンに紐づいた人事制度が、エンジニアの挑戦を後押しする。
「新しい領域にチャレンジする際も、スピーディーに意思決定できる環境が整っており、それが商用化につながれば自らの実績になります。一般的な大手企業だと何人も関わり、数年かけて構築するような取り組みでも、私たちは数名のスタッフによって1年ほどで構築できるくらいのスピード感があります。そうした繰り返しが、成長につながっていくと感じています」(岩佐氏)
エンジニアからの提案に
迅速に対応する社風
通信インフラを支えるエンジニアの仕事は、社内の人にも、具体的な業務内容が理解されにくい。そこで、黄氏が中心になって2025年8月から始めている取り組みが、技術部門の仕事や役割を広く社内に周知してもらうイベント「Tech Talk」だ。
「エンジニアが小1時間ほど、ゆるく楽しく技術の話を語るイベントです。フロアの一角を使って3週間に1回くらいのペースで開催しており、社員であれば誰でも参加できます。オンラインでの視聴も含めると毎回100人くらいの社員が参加しています」(黄氏)
「Tech Talk」の発端は、ソニーグループの中で似たような活動が行われていることを黄氏が知り、経営層との雑談の中で「我々も発信力を高めたい」と提案したことだ。「6月くらいに話をしたのですが、8月に1回目を開催できました。このように、経営層が現場の意見を積極的に取り入れ、迅速に実現させる文化も、当社ならではの魅力と感じています」(黄氏)
エンジニアが社内向けにゆるく楽しく技術の話を語る「Tech Talk」の様子
AI時代のネットワークインフラを支える
エンジニアとしての挑戦と成長は続く
現在、ネットワークインフラは生成AIの爆発的な普及によって、新たなトラフィックの逼迫が懸念されている。黄氏が考える次のテーマは、AI時代を支えるネットワークをどう開発するかだ。そこでは、学習や推論が分散化し、超低遅延・超大容量・高信頼を同時に満たすアーキテクチャが必要になる。岩佐氏も、AI時代になると既存のネットワーク規格だけでは対応できない領域が出てくると感じている。
「AIは不確定要素が多いので、現時点で一気に投資を考えるのは難しいと思います。今は、いかに道筋を立てて下地を作っていくかを考えることが必要です。そういったところを深掘りして模索し、新しいシナリオを作ることがチャレンジになります」(黄氏)
「今後は、LLM(大規模言語モデル)時代にふさわしい新しい技術基盤が主流になっていくでしょう。そのインフラの上で新しい価値を見い出すことを、今から目指していきたいと思っています」(岩佐氏)
黄氏は、「提案すれば色々なことに関われる半面、自らも学び、能力を付ける必要があります。そこにやりがいを感じます」と語る。エンジニアとして挑戦する舞台がソニーネットワークコミュニケーションズには整っているようだ。


