ソジュン TeamViewer APAC地域統括プレジデントのソジュン・リーです。当社が日本市場に参入したのは2018年。以来、企業のDX推進やリモートワークの定着を背景に、年間経常収益も順調に推移してきました。
当初は、リモートアクセスプラットフォームとして遠隔メンテナンス業務を中心に提供していましたが、近年は「DEXプラットフォーム」に着目して業容を拡大してきました。現在、当社はデジタルワークプレイス管理ソリューションのグローバルリーダーとして、フォレスターやガートナーをはじめ業界で評価いただいています。
日本においても多種多様な働き方が浸透したことで、デジタルワークプレイスの構築はあらゆる企業にとって今や不可欠です。しかし現在、最適なデジタルワークプレイス管理ができていると言える日本企業はほとんどありません。その原因について、TeamViewer CRO(最高収益責任者)のマーク・バンフィールドより説明します。
マーク 最適なデジタルワークプレイス管理を実現する上で、とくに日本企業において深刻な課題となっているのが、デバイスやソフトウエアの不具合で業務が停滞する「デジタルフリクション」です。
複数のITツールを個別に導入しただけでは、従業員が満足に活用することができません。AIを活用し、セキュリティを基盤とし、ハイブリッドワークに最適化された、包括的なデジタルワークプレイス管理へと転換すべきです。
これを解決するのが、英国の1E社の統合によって2025年1月にリリースされた「TeamViewer DEX」と呼ぶ、従業員のデジタル体験向上のためのプラットフォームです。
最大の特長は、オブザーバビリティ(可観測性)、レメディエーション(修復)、オートメーション(自動化)、バリデーション(検証)の4つの機能です。
例えば、従来ならリモート業務を行う従業員のPCで問題が発生した際には、不具合の報告を受けたITヘルプデスクがマニュアルに即した対応を行ってきたと思います。
しかし、TeamViewer DEXを導入することで、こうした「リアクティブ(受け身)」な事後対応だけでなく、一定のトリガーで自動修復を行う「プロアクティブ(先取り)」な対応、さらには従業員がPCの不具合に気づくよりも前に修復を行う「プレディクティブ(予測)」な対応までを可能にします。当社ではこれを「シフトレフト戦略」と呼んでおり、従来はエンジニアが手作業で行っていた業務を、AIエンジンへと移行(シフト)させることを意味します。
ソジュン さらに当社は、従来の遠隔サポートの知見とTeamViewer DEXを統合したプラットフォームとして、2025年5月に「TeamViewer One」という統合デジタルワークプレイス管理プラットフォームをローンチしました。
マーク TeamViewer Oneの強みは、これまでツールごとに運用していたIT管理を1画面で完結できる統合プラットフォームである点です。
AIによるエンドポイントマネジメントは「Tia(TeamViewer Intelligent Agent)」が担い、不具合を一度修復すれば新たな自動化ルールに生かされる他、未発生トラブルの予測にも役立てられます。
また、従業員が誤ってセキュリティポリシーに合致しないソフトウエアをインストールした場合、たとえデバイスがオフライン状態でも、当該ソフトウエアを即時にアンインストールできるため、セキュリティ対策としても有効です。
寺出 日本の中規模企業のお客様と対話する際にも、ここまで出てきたIT運用の変化をもたらすキーワードを糸口に、包括的な運用課題に効くという流れでご説明しています。
お客様からは、多拠点・多端末の一元管理ができる点や単一プラットフォームで完結できる点に対して、とくに高い関心をいただいています。
ソジュン 今後は日本のさらなる市場拡大やサポート体制の拡充にも努めていきます。日本における販売パートナー第1号になったSIerのNSWでは、どのような点でTeamViewerのソリューションに魅力を感じていただいたのでしょうか。
竹村 日本企業のIT関連予算の70~80%近くは、保守や運用に使われていると言われています。しかし、属人的な保守・運用には限界があります。自動化を通してリソースの最適化を図る必要があると感じていた中で登場したのが、TeamViewer DEXでした。
これからのAIエージェント時代において、その土台となるエンドポイントの安定稼働は不可欠です。さらには、PCなどのハードウエアの消耗具合を個別で把握できるため、リプレイスサイクルの最適化、廃棄に伴うCO₂削減にも寄与します。こうした様々な観点からも、日本企業がぜひ導入すべきソリューションであると考えました。
ソジュン ありがとうございます。既にグローバルでは、64万社以上、2025年版のフォーチュン100「働きがいのある企業ランキング」に選ばれた企業の3分の1近くの企業に、当社のソリューションを導入いただいています。
マーク カナダのメガバンクでは、ITヘルプデスク業務の劇的な削減を実現しました。頻発していた主要なトラブル対応をTeamViewer DEXで自動化することで、これまで電話対応にかかっていた年間7万5000件近く、6万7000時間ほどの工数を削減しました。訪問修理の回数なども大幅に削減できたと伺っています。
また、米国の防衛関連企業では、ハッカーによるサイバー攻撃の防止にも貢献しました。同社は、10万台近くのPCにTeamViewer DEXを導入しており、サイバー攻撃を受けた際に数分でPCを一式スキャンし、侵害の可能性がある198台を特定してパッチを適用、自動修復しました。手作業なら数週間かかるところ、わずか数時間でハッキングの影響が“ゼロ”であると公表できたのです。
ヘレン APACにおいても、既に導入効果に対する反響の声をいただいています。
中国に拠点を持つグローバルのコンサルティングファームでは、現地従業員の2万台規模のデバイスを対象に導入いただき、ハードウエアとソフトウエアの正確なアセスメントにより、不要な契約を整理しコスト削減を実現しました。
また、ベトナムの金融機関では、端末フリーズが頻発していた課題に対し、6000エンドポイントでのTeamViewer DEXを導入。自動修復による課題解決で、顧客満足度の向上にも貢献しています。
グローバル展開する韓国のメーカー企業では、IT管理部門が月に1500件もの不具合に対応して業務の停滞を招いていました。TeamViewer DEXの導入で、課題のグルーピングと自動修復のセルフサービス化を行ったことで、トラブルのほとんどを削減することができました。
ソジュン 日本においても現在多くの引き合いを受けており、APACの中では最大の成長を遂げています。今後もさらなる注力を進めることで、日本の企業の最適なデジタルワークプレイス管理、そして生産性の向上に貢献していきます。