機密性の高い情報をローカル環境で運用。次世代のAI活用を提案するサードウェーブ

「AIはクラウドで使う」という常識が変わろうとしている。機密性の高い情報を内部にとどめ、ストレスフリーでAIを使いこなすには、オンプレミスで運用するのが合理的だ。そんな環境づくりを支援しているのが、「ドスパラ」でおなじみの株式会社サードウェーブ。「ローカルAI」の普及に先陣を切って挑む同社の強みと戦略について、ギリア株式会社のファウンダー・顧問である清水亮氏と、サードウェーブの潮田一志氏、鈴木由希子氏が語り合った。

データの機密性を保持しながら
AIを活用するには

──企業のAI活用はここ数年で一気に拡大しましたが、最近、新しい動きとしてクラウドを基盤としたAI活用から、オンプレミスでのAI活用へとシフトする企業が少しずつ増えています。この背景には、何があるのでしょうか。

ギリア株式会社・清水亮氏(以下、清水) コンピューターの歴史をひも解くと、これまでにも何度か「ひっくり返り」の現象がありました。今回の「クラウドからオンプレミスへ」という、一見後戻りするかのような現象も、同じ文脈で捉えることができるのではないでしょうか。

 過去の事例を振り返ると、1970年代後半にPCが登場したときは、まだメインフレームが全盛期だったため、“遊びの道具”ぐらいにしか見られていませんでした。それが、あるときを境に全部ひっくり返り、今ではメインフレームを買う会社はほぼなくなっていますよね。AI活用の基盤がクラウドからオンプレミスにシフトしているのも、技術の進歩や時代のニーズに沿った、自然な流れではないかと思います。

株式会社サードウェーブ・潮田一志氏(以下、潮田) 企業がAIを活用する主な目的は、業務の効率化と生産性の向上です。そのパフォーマンスを最大化するためには、オンプレミスで運用した方が望ましいと考える企業が増えているのではないでしょうか。クラウドだと、使いたいと思ったときにうまく動作せず、活用できないことも多々ありますからね。

清水 おっしゃる通りです。クラウドサービスも性能はどんどん向上しているのですが、性能が良くなりすぎると、逆に使いにくくなるというジレンマを抱えています。また、アクセスが集中することでパフォーマンスが落ちてしまうこともあります。

 ビジネスで使うことを考えると、いかに安定したパフォーマンスを維持できるかということは基盤に求められる極めて重要な条件です。そのため、不安定なクラウドよりもオンプレミスで運用したいというニーズが高まっているのだと考えます。

清水 氏
ギリア株式会社
ファウンダー・顧問
清水 亮

潮田 オンプレミスによるAI活用が広がり始めているもう1つの大きな理由は、データの機密性を保持するためだと思います。個人情報や機微な経営情報など、外部に漏らしてはいけないデータを内部にとどめておきたい。しかし、AIを活用するためには、機密性の高いデータを一度クラウドに送る必要があることを悩ましく感じていた企業は多いはずです。

 ところが、GPUが飛躍的に高性能化し、オンプレミス環境でもクラウドと遜色のないAI活用が可能になったことで、そうした悩みを解決できる道が開けてきたわけです。社内に「ローカルAI」や「ローカルLLM」を構築し、高性能なGPUマシンを使って業務の効率化や自動化を推進したいという法人のお客様のニーズは着実に高まっており、私たちサードウェーブはいち早く、それにお応えする製品やソリューションの提供を始めております。