Special Interview これまでも、これからも 私らしく時を刻む
内田有紀 Yuki Uchida 頑張ったら頑張った分だけの ご褒美をいただけるのが人生です

女優として、演技にストイックに取り組んでいるイメージのある内田有紀さん。30代半ばに自分の経験値やスキルでは乗り越えられないような役柄に出会って、仕事に対する意識が一気に変わったのだとか。そのハードルをどのように乗り越えプラスに変えていったのか、前向きに仕事を頑張るコツなどを伺いました。

太刀打ちできない役柄を前にして
自分のすべてを一新しました

 女優として第一線で活躍し輝かしいキャリアを重ねている内田さん。そんな内田さんの心が折れそうになったのは、今から 10年ほど前の30代後半の頃。感情を表に出すのが苦手で自宅に引きこもりがちな女性の役を任された時、それまで演じたことのないタイプでどうすればよいのかわからず、自分の足りないところに気づかされたのだといいます。

 「自分が持っているものでは太刀打ちできないと感じました。すべてのアプローチを変えたきっかけとなった作品で、そこから自分のすべてを一新して役に向き合うようになりました。自分を甘やかさないこと、周りの方たちに感謝すること、ここまででいいと決めつけないで努力をし続けること......。生活の中心を芝居に寄り添わせ常に自分をアップデートさせていくことで、役柄への新しい取り組み方のスイッチが本格的に入ったと思います。

 その時は身近な人をモデルにして少し膨らませ、髪や服装などを皆で作り上げていきました。また、この役から演技コーチをつけるようになり、私の心と体を通して新しい演じ方を育てられるようになりました」

 誰かに言われたからその仕事をするのではなく、自分がやりたいと思ったからこの仕事をしている。そして、前進への熱意を持った自分に変わらなければ、この仕事はできないという気づきをその時に得られたという内田さん。以降は、撮影前から自宅で役になりきって過ごすのがマイルールとなり、姿勢やしゃべり方、考え方に至るまでのすべてを、役に向けていくという生活をしているそうです。ある作品では、内田さんのそういった姿勢に共感した監督が、特別に撮影前のセットを見せてくれることがありました。

 「海外では役に対する準備期間を 1年2年と⻑く設ける俳優もいるけれど、日本ではそれができる状況にはないのが現実。監督さんのご厚意でセットを事前に把握できたことは、その空間になじんだ状態で撮影に臨めたのでとてもプラスに働いたと思います。この作品は、監督さんと演技コーチとの3人でタッグを組んで作っているような感じでした。たくさんの方が協力し合って成立する仕事ですので、 とにかく皆さんの思いを自分が引き受けて、昇華させようと努力しました」

人を羨む暇があったら
頑張りを自分に注いだほうがいい

 「努力なしにして奇跡は生まれない」という熱い心を持っている内田さん。何もしないでは、うまくいくはずがないと語ります。

 「頑張った人に頑張った分のご褒美をいただけるのが人生なんだと思います。だから他人のことを羨んだりする暇があったら、その気持ちを全部自分に注いだほうがいい。自分はその人ではないから自分だったら何ができるんだろう、自分の⻑所はどこにあるんだろうと、探す努力をしてそこを伸ばす。その上で、短所は一つひとつ潰していく。それには、人から言われたことを素直に聞くのが一番だと思っています。言われて落ち込んだ分、成長に気づくチャンスをもらっています」

 努力したり反省したりできるのは、当たり前のことを大切にしているということ。素直に謝る、お礼を言うなどの人としての基本を、今、改めて大事にしているのだそうです。

 「この先年齢を重ねても、人として可愛らしい人でいたいと思います。折れるところは折れ、知らないことは後輩にも聞いて甘えてみたり。そうやって自分は常に変化していきたい。人間だから抜けてて当たり前で、ちょっと隙間というか余白があるほうが素敵じゃないですか。そういう感覚で生きています」

 そういって朗らかに笑う内田さんは堂々としているのに、華のようなかわいらしさを漂わせています。役柄に入り込むのは相当なストレスがかかるはずなのに、「最近は仕事で疲れることが全然ない」といいます。

 「撮影に入る前の役作り期間は、自然の中にテントを張って、海や山を見ながらセリフを覚えるんです。 楽しみと準備期間を一緒にしたら、リフレッシュしながらセリフが覚えられるので、疲れ知らずの一石二鳥。仕事だからって自分を追い込む方法だけでは、うまくいかないように思います。

いつも心がけているのは、疲れたと言わないこと。疲れたと口にしてしまうと脳が疲れるし、自分を追い込んでしまうので、『よく頑張ったね』って変換するんです。これは、すごく効きます」

 毎朝、果物や豆乳を合わせたドリンクを欠かさず飲んで天然のビタミンCをとることが、美しさと健康の秘訣と話します。

 「笑顔の自分をつくることが一番ですね。笑うことがなによりの健康法ですから。 なにかあった時は解決方法を探して対処し、リセットして次に向き合うんです。後ろを向いてしまうことが一番つらいことだし、周りも助けてあげることができないから、自分で自分の取り扱い説明書を早く手にすることが大事だなって思います。私も少しずつ自分の取説を持てるようになりました。いっぱい失敗して、トライ&エラーを繰り返すことで学んでいます。今も、これからもずっと。それが健康法ですね」

女性のキャリアと腕時計は
切っても切り離せない

 俳優という仕事柄では、ドラマや映画の撮影に入る前に必ずある衣装合わせ。役のキャラクターに合わせて衣装や小物を決めていくわけですが、働く女性を演じる場合には、ある共通点があるといいます。

 「例えばキャリアウーマン役の場合、衣装合わせでは監督が決まって『腕時計』を気にされます。今回の受賞を通して働く女性のイメージ=腕時計というこの2つの結びつきは、切っても切り離せないセットだなと感じました。キャリアと腕時計とは密接な関係にあって、私も役作りをする時は心強い相棒という気持ちでいます。先頃演じていた役でも腕時計を見せるシーンがありましたし、働く女性の印象を左右する重要なアイテムなのだと思います」

 そういってほほ笑む内田さんの腕には、女性らしい優しい色使いのグランドセイコーが煌めいています。

 「もともと紫が好きなんですが、この淡い紫も素敵ですね。基本的に身に着けるものは女性らしい華奢なデザインが好きなので、このサイズ感もすごく好きです。仕事で今日は勝負という日に着けて行きたいです」

 最後に、内田さんのように⻑く活躍するために必要なこととは何なのでしょうか。

 「自分の心持ち次第で人生は豊かにできると私は信じています。人間の感情が体も仕事も作っていくので、自分の感情が不安定になってしまうのならば、自分が居心地のいいと思える環境、楽しく生きられる方向にもっていくよう努力をする。仕事はチームでやることが多いと思いますが、もしも相手に恵まれないのであれば、自分から変わること。そうすれば自分のレベルに合わせて、周りの人間も変わるはずです。すべては自分次第です」

Profile

女優・モデル・タレント。1992年、TVドラマ『その時、ハートは盗まれた』で女優デビュー。1993年度ユニチカ水着キャンペーンガールに選出。1994年には『時をかける少女』でドラマ初主演、同年『TENCAを取ろう! 〜内田の野望〜』で歌手デビューを果たし、オリコン史上初の女性ソロ歌手デビュー曲初登場1位を記録。ドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』シリーズをはじめ、今春放送されたドラマ『未来への10カウント』など数々の作品に出演。

Grand Seiko Elegance Collection
STGF349

「Women of Excellence Awards 2022」スペシャル部門の副賞として内田有紀さんに贈られた時計はケースサイズが27.4㎜と小ぶりで、女性の腕に心地よくフィットする華やかなデザイン。ダイヤルカラーには日本の伝統色であり、女性らしい「淡藤色」を配し、ガラスサイドの大きなアーチには複数のダイヤモンドをセッティングしました。あらゆる角度の光を取り込み、流れるような美しい輝きを放ちます。