「5G時代のDisruptor」は、
すでに存在している

5G時代のDisruptorは
どの企業か?

 筆者としては、「5G時代のUber」と呼ぶことができる5G時代における代表的なDisruptorはどの企業か、そしていつ登場するのかに注目している。


 「5G時代のUber」として考えられる企業のタイプは2つある。とくに5Gを意識せず、現状の環境に合わせて開発したサービスが、5Gの「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」という特徴を追い風に急成長するケース。先に挙げたAirbnbやUberはこうした類と思われる。


 もう1つのタイプは、5Gの特徴である「超高速」「超低遅延」「多数同時接続」を当初から意識してサービスを開発したケース。一足早く5Gサービスが始まった韓国では、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、クラウドゲームなど5Gに限定したサービスが登場したと聞く。

スタートアップが
5Gを見据えるのはいつか?

 筆者はスタートアップ企業が集まるイベントに数多く参加しているが、今のところ、こうしたイベントで5Gが話題に上ることはない。理由は明白で、彼らの時間軸にまだ5Gの普及タイミングが重なっていないからである。世界各地でサービスが始まったばかりの2019年時点では利用者がごく限られており、5Gに合わせたサービスを開始したとしても事業として成立されるのは難しいのは当然のこと。商用サービスが始まっていない日本国内ではなおさらだ。


 2019年6月に発表されたエリクソンのレポートによれば、2024年時点で全世界において19億契約、全体の比率では22%になるという。これくらいの普及期になれば、5Gに特化したサービスが考えられるようになるだろう。


 2020年以後、どのような形で「5G時代のDisruptor」が顕在化するのか、注目したい。

菊池 隆裕氏

菊池 隆裕(きくち・たかひろ)

日経BP 日経BP総研
イノベーションICTラボ 上席研究員

1990年日経BP入社。日経コミュニケーション、日経エレクトロニクス、日経コンピュータ、ITproなどで、主に通信、ネット分野を担当。2002年~2004年までシリコンバレー支局勤務。2009年11月、スマートフォン勃興期にアプリ開発コンテスト「Android Application Award(A3=エーキューブ)」を立ち上げ、2015年、経済産業省主催イノベーター育成プログラム「始動 Next Innovator 2015」に選抜。新規事業メンター向けプログラム「Lean Launchpad Educators Program」修了。2016年、ホオバルと「カンブリアナイト(ヒューマンセンシングビジネス研究会)」共同創設。