日経ビジネスオンラインスペシャル

メールアドレスまたは携帯電話番号のみで送金可能

 eコマースの普及、シェアリングエコノミーの広がり、働き方の多様化――。こうした時代の変化に伴い、企業から個人への送金機会が増えている。現在は銀行振込や現金書留が手続きの中心となっているが、口座確認の手間や個人情報を預かるリスクなど、そこには企業にとってハードルが存在する。

 「セブン銀行のATMを使えば、企業から個人への送金をもっと簡単にできるのではないか」。その思いつきを出発点に開発されたのが、セブン・ペイメントサービスの「ATM受取(現金受取サービス)」だ。同サービスは、銀行口座を介さずに企業から個人への現金送金を可能にするもの(1件10万円まで)。メールもしくはSMSで受け取りに必要な情報を受け取った個人は、セブン銀行のATMにその情報を入力するだけで紙幣を受け取れる。また、硬貨は「セブン‐イレブンのレジでの受け取り」「電子マネーnanacoへのチャージ」「募金」の3つから選択できる。

 必要な個人情報はメールアドレスまたは携帯電話番号のみで、原則として24時間365日いつでも送金・受け取りが可能だ。全国のセブン‐イレブンなどにATMを設置しているセブン銀行だからこそ実現できる利便性といえる。

ATM受取とは

企業から個人への支払いを銀行口座を介さずに「セブン銀行ATM」と
「セブン-イレブンのレジ」で受け取るサービス

送金/受け取りに必要な情報はメールアドレス、携帯電話番号のみ

送金/受け取りに必要な情報はメールアドレス、携帯電話番号のみ

ATM受取のニーズ

さまざまなサービスの登場により「企業」から「個人」の送金需要は拡大

  • 返品 ECサイト、通販の返品に伴う返金
  • 解約 チケットのキャンセルや保険の解約の返金など
  • フリマ オークションやフリマサイトの売買代金の受け取り
  • 報酬 前払賃金、クラウドソーシング報酬のお支払い
  • キャッシュバック キャッシュバックキャンペーンなど
  • 業務委託 個人事業主への業務委託費用の支払いなど
  • 経費支払い 本部から支店への経費支払い支度金、立替分の支払いなど
  • 交通費支払い 採用面接などでの交通費支払いなど

開発時の想定以上に幅広い利用用途があった

 サービス開発時は、インターネットショッピングの返品やチケットのキャンセルに伴う返金を主に想定していた。ところが、実際に企業を訪ねてニーズの掘り起こしを行うと、想像以上に幅広い利用用途があることが分かってきたという。

 「さまざまな業種・業態の企業とお話しするなかで、『ATM受取』はお金の支払いにも利用できることを教えてもらいました」。こう語るのは、セブン・ペイメントサービスの代表取締役社長を務める和田哲士氏だ。

小口の送金ニーズは今後も高まっていく

 例えば保険業界からは、「保険料の返金に加え、小口の保険金・給付金等のお支払いにも使えるのでは」という提案を受けた。昨今、「健康増進型」の保険商品に力を入れる生命保険会社は、毎年の健康診断結果を基に算出される年齢が実年齢より低い加入者に保険料の一部を還付するケースがあり、「ATM受取」はその送金手続きに利用できる。また、損害保険会社には、大規模災害が起こった際、当座の生活資金としていち早く保険料を支払いたいというニーズがあった。「キャッシュカードを紛失しても、『ATM受取』なら携帯電話があればお金を受け取ることができます。コンビニは災害時の復旧が比較的早いことも評価のポイントになりました」(和田氏)

 現金を管理する必要がなくなることも導入のメリットだ。建設業界や物流業界などではその場で報酬を手渡しするケースが少なくないが、現金を持ち運ぶのはリスクがある。「ATM受取」なら、そうしたリスクを負うことなく速やかに報酬を支払うことが可能だ。経費の支払いや採用面接などでの交通費支払いなどに利用すれば、社内で現金を用意する必要もなくなる。

 ほかにも、銀行口座を持っていない外国人労働者への生活支度金の支払い、キャッシュバックキャンペーンでの現金プレゼントなど、活用が期待できるシーンは枚挙にいとまがない。今後、「働き方改革」の流れを受けて、独立して事業を行ったり、副業をしたりする人が増えれば、小口の送金ニーズはより高まっていくだろう。個人への簡単かつ便利な送金手段を求める企業にとって、「ATM受取」は有力な解決策になるはずだ。

社会のなかで“当たり前”のように利用されるインフラを目指す

 銀行のサービスを利用するには、まずは口座を開設しなければならない。「ATM受取」は、そんな“当たり前”を変えました。企業から個人への送金ニーズは想像以上に幅広く、今後もますます高まっていくと見ています。さらなるサービスのレベルアップに努め、社会のなかで“当たり前”のように利用されるインフラを目指したいと思います。

株式会社セブン・ペイメントサービス
代表取締役社長
和田 哲士 氏

導入事例

アフラック生命保険株式会社

 生命保険業界で初めて「ATM受取」を保険料返金に導入。それまでは顧客への送金時に銀行口座の指定を依頼する場合があったが、サービス導入により、顧客は口座情報を通知することなくスピーディーな受け取りが可能になった。今後は、その他の各種お支払いへの対象拡大を検討する。

株式会社助太刀

 建設現場と職人のマッチングアプリ「助太刀」を運営する。建設業界は下請けや関連企業が多い多層構造であり、職人に報酬が支払われるまでに時間がかかることが少なくない。工事代金の支払いに「ATM受取」を活用することで、現金を即日受け取れるようにした。

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セブン・ペイメントサービス

株式会社セブン・ペイメントサービス

〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号

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