去る12月6日、東京ビッグサイトで開催された「エコプロ2018」では、第1回エコプロアワード(旧エコプロダクツ大賞)の授賞式が実施された。そこで経済産業大臣賞を受賞したのが、エプソンの乾式オフィス製紙機「PaperLab A-8000(以下、PaperLab)」である。当日は、同社執行役員 技術開発本部副本部長 市川和弘氏が、エプソンの環境への取り組みやそれを実現するためのイノベーション、PaperLabなどについて講演を行った。

PaperLabが第1回エコプロアワード 経済産業大臣賞を受賞

エコプロ2018の初日となる12月6日、第1回エコプロアワードの授賞式が開催された。エコプロアワードは、2004年から13回にわたって実施されてきたエコプロダクツ大賞をリニューアルしたアワードである。

PaperLabが受賞したのは、最も優れた案件に贈られる5つの大臣賞のうちのひとつ、経済産業大臣賞である。その受賞理由は、日常業務で大量に消費するオフィス用紙をその場で再生できる技術はこれまでになく、優れて革新的であること。また、自治体では市民に対して目に見える環境教育素材や環境政策のシンボルとして、企業ではCSR、CSV、SDGsへの取り組みのシンボルとして、価値向上の一助となっていること。また、ユーザーに対して、抜本的な紙使用の削減、廃棄紙の発生抑制が分かりやすく、資源循環の意識向上に繋がっていることなどだ。さらに、環境面以外でも、機密情報を完全に抹消したうえで紙を再生できるため、機密保持の観点でも高く評価された。

オフィスで紙をつくる「PaperLab」

セイコーエプソン株式会社
執行役員 技術開発本部副本部長
市川 和弘 氏

市川氏は、エコプロ2018会場内の「エコ&SDGsステージ」に登壇。エプソンならではの新たな価値を創出する取り組み、特に商品・サービスによる環境貢献提案について、PaperLabを中心に紹介した。

エプソンは創業以来、ものを省く、小さくつくる、精度高くつくるといったことに価値をおくDNAをもち「省・小・精の技術」を培ってきた。これを基に、接続性やユーザビリティーなどの「スマート」、省エネルギーやプロセス変革による「環境」、生産性や正確さなどの「パフォーマンス」の3つを「省・小・精の価値」として提供する。市川氏は、「これらの価値を、創業時からウオッチなどの精密機器で創造し続けており、昨今注目を浴びているこれらのキーワードが当たり前のこととして、すべての事業活動の根源を成しています」と語る。

そのような背景のもと、2008年には「環境ビジョン2050」を策定。10年目となる2018年には、「環境ビジョン2050」を改定し、これまで培ってきた「省・小・精の価値」を徹底的に磨き上げ、持続可能な社会実現に貢献する決意をより鮮明に打ち出した。

セイコーエプソン株式会社
執行役員 技術開発本部副本部長
市川 和弘 氏

第1回エコプロアワード 経済産業大臣賞を受賞した「PaperLab A-8000」

第1回エコプロアワード 経済産業大臣賞を受賞した「PaperLab A-8000」

このような企業姿勢のもとに生み出されたのが、PaperLabである。紙は、木や水など多くの資源からつくられている。原料や製品を輸送するため、CO2も排出する。データハッキングの心配はない一方で、扱い方によっては機密情報の漏洩リスクもある。そのため近年はペーパーレスが提唱され、紙の使用をためらう企業も少なくない。しかし、長い間使い続けられてきた紙には見やすく、書き込みがしやすく、携帯にも便利といった普遍的な価値がある。

紙の良さを損なうことなく、環境負荷を減らし、セキュリティーを高めるにはどうすればいいか。そこで、プリンターのリーデイングカンパニーとしてエプソンが目指したのが、オフィスで使い終わった紙をその場で新たな紙に再生するという、まったく新しい解決策だった。「印刷に使われる紙の最後まで責任を持ち、循環型オフィスを目指しました」(市川氏)。

通常大規模な工場で作られる紙を、オフィス内で生産するためにPaperLabの要となる技術が、製紙工程で水を使わない「ドライファイバーテクノロジー」である。まず、使用済みの紙をPaperLabに投入すると、紙を細かくほぐして繊維に戻す。その後、色材を取り除き、結合素材「ペーパープラス」を使用して繊維を結合。結合した繊維を加圧することで新たな紙となる。ペーパープラスには4種類の異なる色があり、それらを配合して、色付きの紙もできる。加圧を調整することで、さまざまなサイズや厚みの紙を製造可能。コピー用紙だけでなく、厚紙や名刺などもできるのだ。

製紙工程に水を使わない「ドライファイバーテクノロジー」は、「繊維化」、「結合」、「成形」の3つの技術で構成されている。

製紙工程に水を使わない「ドライファイバーテクノロジー」は、「繊維化」、「結合」、「成形」の3つの技術で構成されている。

PaperLabを利用することで、水の使用量やCO2排出量の抑制、森林資源の保全などを実現する。

PaperLabを利用することで、水の使用量やCO2排出量の抑制、森林資源の保全などを実現する。

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